友だち追加特典
- 【事業再構築補助金】事業計画書ひな型
- 【持続化補助金】ヒアリングシート
- 【IT導入補助金】活用ノウハウ限定動画
- 【4つの補助金がわかる】補助金ガイド
2024/09/12
2024/9/11
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
補助金は返済不要の資金援助制度であり、建設業を営む中小企業や一人親方も利用できる可能性があります。補助金を活用することにより、費用負担を抑えて設備投資や販路開拓などの取り組みを実施することが可能です。
当記事では、建設業における補助金の活用方法を解説します。利用できる補助金の具体例も紹介しているので、補助金を活用したいと考えている建設業の事業者は参考にしてみてください。
目 次
補助金は、建設業における経営課題の解決につながるさまざまな取り組みに活用できます。補助金の申請を検討している建設業の事業者は、具体例をもとに補助金がどのような用途に活用できるのかを確認してみましょう。
【補助金の活用方法の具体例】
カテゴリ |
課題 |
用途の具体例 |
設備投資 |
|
|
販路開拓 |
|
|
自動化・DX化 |
|
|
働き方改革 |
|
|
過去の採択事例によると、建設業では「設備投資」「販路開拓」「DX化」「働き方改革」など、さまざまな取り組みにおいて補助金が利用されています。補助金ごとに制度の目的が定められており、制度の目的に沿った取り組みを実施する場合に補助金を受給できる可能性があります。
なお、補助金は原則として後払いの制度です。申請する経費を用いて事業を実施したあとで、取り組み内容や対象経費が適切であると認められた場合に補助金が支給される傾向にあるため、補助金を活用する場合でも支払いの際には自己資金が必要となる点に留意しましょう。
建設業が利用できる補助金の中には、建設現場やオフィスへの設備導入に利用できる制度があります。ダンプやブルドーザー、クレーンなど建設機械として用いられる重機のほか、空調機器や収納などオフィス環境の整備のために用いられる設備など、さまざまな設備投資に補助金を利用できる可能性があります。
たとえば、補助金を活用して高性能杭打機を導入した建設業の事例があります。従来の機械では最低2人必要だった作業を1人で実施できるようになったほか、生産性と品質の向上につながったことから、これまで対応できなかった新たな市場へ参入することができました。
また、建造物の調査点検業務をより安全で効率的に行うため、高性能ドローンを導入した建設業の事例もあります。作業が困難な場所の点検を地上の安全な場所にいながら行うことができるようになったほか、作業時間や人員の削減につながり、点検から報告までの工数を大幅に削減することができました。
補助金を活用することにより、費用を抑えて設備投資を実施できる可能性があります。新商品の開発や業務効率化など、事業の課題解決につながる取り組みにおいて新しい設備を導入したいと考えている建設業の事業者は、補助金の活用を検討してみましょう。
建設業の設備投資に利用できる補助金のひとつとして、「ものづくり補助金」が挙げられます。ものづくり補助金は革新的な商品開発や生産性向上につながる設備投資を支援する制度であり、中小企業や個人事業主が対象となります。
【ものづくり補助金の概要】
項目 | 概要 |
対象者 |
|
補助金額 |
最大1億円 ※申請枠や事業規模により異なる |
補助率 |
1/3~2/3 ※申請枠や事業規模により異なる |
対象経費 |
※申請枠により対象経費が異なる |
参考:ものづくり補助金の公式サイト
ものづくり補助金の場合、建設業における設備投資として、新商品開発のための原材料加工機や生産性向上につながるICT搭載の建設機械などを導入できる可能性があります。ものづくり補助金では、複数の項目が対象経費に含まれますが「機械装置・システム構築費」に該当する単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須です。
なお、ものづくり補助金のほかにも、建設業の設備投資に利用できる補助金にはさまざまな制度があります。国の補助金以外にも地方自治体が独自に実施する制度もあるため、地域のホームページや商工会議所の窓口などを活用して自社が対象となる制度を探してみてください。
建設業が利用できる補助金の中には、事業や商品・サービスのPRなど販路開拓に利用できる制度があります。案件の受注が可能なホームページの制作や展示会への出展費用など、販路開拓につながるさまざまな経費に補助金を利用できる可能性があります。
たとえば、30〜40代の子育て世代をターゲットとして、既存のホームページの改修を行った建設業の事例があります。スマートフォンからの閲覧に対応させたことによりモバイル端末からのアクセスが増加したほか、施主や社員の声を掲載することにより家づくりの魅力を効果的に伝えることにつながりました。
また、展示会への出展により国内外での販路開拓を実施した建設業の事例もあります。展示会の出店費用に加えて、外国語対応の製品パンフレットや展示ブース用のポスターの作成にも補助金を活用し、費用を抑えて展示会への出展を実現しました。
補助金を活用することにより、費用を抑えて販路開拓の取り組みを実施できる可能性があります。webサイトの制作や展示会への出展など、自社のPRにつながる取り組みを実施したいと考えている建設業の事業者は、補助金の活用を検討してみましょう。
建設業の販路開拓に利用できる補助金のひとつとして、「小規模事業者持続化補助金」が挙げられます。小規模事業者持続化補助金は小規模事業者の販路開拓の取り組みを支援する制度であり、建設業の販路開拓につながるさまざまな経費が補助される可能性があります。
【小規模事業者持続化補助金の概要】
項目 | 概要 |
対象者 |
|
補助金額 |
通常枠:最大50万円(100万円) 特別枠:最大200万円(250万円) ※()はインボイス特例適用時 |
補助率 |
2/3 ※要件を満たす事業者は3/4 |
対象経費 |
|
参考:小規模事業者持続化補助金の公式サイト
小規模事業者持続化補助金の場合、建設業における販路開拓として、受注につながるホームページの制作や展示会への出展にかかる費用が補助される可能性があります。小規模事業者持続化補助金は販路開拓を目的とする制度であるため、販路開拓につながると認められる場合には旅費や外注費など幅広い経費が補助対象となります。
なお、小規模事業者持続化補助金のほかにも、建設業の販路開拓に利用できる補助金にはさまざまな制度があります。国の補助金以外にも地方自治体が独自に実施する制度もあるため、地域のホームページや商工会議所の窓口などを活用して自社が対象となる制度を探してみてください。
建設業が利用できる補助金の中には、業務のデジタル化(DX化)に利用できる制度があります。情報通信技術(ICT)が搭載された機械装置や、事務作業を自動化できるクラウド型ソフトウェアなど、業務の自動化やDX化につながるさまざまな経費に補助金を利用できる可能性があります。
たとえば、情報通信技術と車両制御技術を搭載したICTブルドーザーを導入した建設業の事例があります。ICTブルドーザーでは入力したプログラムに沿って一定の精度で施工できるため、熟練のオペレーター以外も操縦しやすく、人材不足の解消にもつながっています。
また、建設工事にかかるすべての費用を算出する積算業務を自動化するためのITツールを導入した事例もあります。図面作成に使用するCADソフトとの連携も可能であり、作業工数が減少することによってこれまで1週間を要していた積算業務が1日程度に短縮できる見込みです。
補助金を活用することにより、費用を抑えてDX化の取り組みを実施できる可能性があります。情報通信技術やソフトウェアなどを用いて、業務の自動化やDX化の取り組みを実施したいと考えている建設業の事業者は、補助金の活用を検討してみましょう。
建設業のDX化に利用できる補助金のひとつとして、「IT導入補助金」が挙げられます。IT導入補助金は生産性向上につながるITツールの導入を支援する制度であり、建設業のDX化につながるさまざまな経費が補助される可能性があります。
【IT導入補助金の概要】
項目 | 概要 |
対象者 |
|
補助金額 |
ソフトウェア導入費:最大450万円 ハードウェア導入費:最大20万円 ※申請枠や申請経費によって異なる |
補助率 |
1/2~4/5 ※申請枠、申請経費、事業規模等によって異なる |
対象経費 |
|
参考:IT導入補助金2024公式サイト
IT導入補助金の場合、建設業におけるDX化として、積算業務を自動化するためのソフトウェアやパソコンを用いて図面作成ができる建築CADなどを導入できる可能性があります。また、IT導入補助金では導入するソフトウェアの利用に資するものであれば、パソコンやタブレットなどのハードウェアも補助対象となります。
なお、IT導入補助金のほかにも、建設業の販路開拓に利用できる補助金にはさまざまな制度があります。国の補助金以外にも地方自治体が独自に実施する制度もあるため、地域のホームページや商工会議所の窓口などを活用して自社が対象となる制度を探してみてください。
建設業が利用できる補助金の中には、建設業における働き方改革に利用できる制度があります。労働時間の短縮につながる業務効率化の取り組みや、人手不足の解消による休息時間の確保など、雇用環境の改善や働き方改革につながるさまざまな経費に補助金を利用できる可能性があります。
たとえば、従業員1人当たりの業務負担が大きく充分な休憩が取れていない事業者が、新たな人材を雇用することにより従業員の休憩時間や休暇日数を確保する取り組みに利用できる補助金があります。求人媒体への掲載費用や、専門家への相談にかかった費用などにも補助金を利用できる場合があります。
補助金を活用することにより、費用を抑えて働き方改革の取り組みを実施できる可能性があります。労働時間の短縮や週休2日制の導入につながる取り組みを実施したいと考えている建設業の事業者は、補助金の活用を検討してみましょう。
なお、働き方改革に利用できる支援制度には、厚生労働省が実施する「助成金」もあります。補助金と助成金はどちらも返済不要の資金援助制度ですが、経済産業省が実施するものは「補助金」、厚生労働省が実施するものは「助成金」と呼ばれていることを予備知識として覚えておきましょう。
建設業の働き方改革に利用できる支援制度のひとつとして、「働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース・建設業)」が挙げられます。働き方改革推進支援助成金は生産性向上による労働時間の削減など、労働環境の整備に向けた取り組みを支援する制度であり、建設業のDX化につながるさまざまな経費が助成される可能性があります。
【働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース・建設業)の概要】
項目 | 概要 |
対象者 |
|
助成金額 |
最大250万円 ※選択する成果目標により上限が異なる |
助成率 |
3/4 ※要件を満たす事業者は4/5 |
対象となる取組 |
|
対象経費 |
|
参考:働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース・建設業)|厚生労働省
令和6年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことにより、休暇日数や休憩時間が充分でない建設業の事業者には業務効率化や人材確保の取り組みが求められます。働き方改革推進支援助成金の場合、建設業における働き方改革として、従業員の負担軽減のために新たな人材を雇用する取り組みや業務効率化につながる設備の導入にかかる費用などが助成される可能性があります。
なお、働き方改革推進支援助成金のほかにも、建設業の働き方改革に利用できる補助金にはさまざまな制度があります。国の補助金以外にも地方自治体が独自に実施する制度もあるため、地域のホームページや商工会議所の窓口などを活用して自社が対象となる制度を探してみてください。
建設業が補助金を利用するときのポイントは、自社の状況や申請する経費が補助対象かどうかを確認することです。補助対象となるための条件は補助金の制度ごとに異なるため、各補助金において応募時のルールが定められている「公募要領」を確認する必要があります。
【建設業において補助金を利用するときのポイント】
補助金へ申請するための条件は、主に「対象経費」「対象者」「対象事業」に分かれています。ひとつでも満たすことができない条件がある場合には補助金を利用できない可能性があるため、補助金の申請をする前に各補助金制度の公募要領に定められている補助対象の条件を確認しておきましょう。
建設業において補助金を利用したいと考えている人は、申請したい経費が補助対象かどうかを確認しましょう。事業者が利用できる補助金は用途が決められている傾向にあり、補助対象として定められている項目にあてはまらない経費を申請することはできないためです。
たとえば、「機械装置費」「広告費」「旅費」が対象経費となる補助金の場合、人材育成にかかる研修費や専門家への相談費用などは補助対象外です。申請時に計上した経費の大半が補助対象外の場合、補助事業の円滑な実施が困難であるとして不採択や採択取消となる恐れがあります。
また、対象経費として認められるのは原則として補助事業に使用する場合に限られることから、パソコンや車両などの汎用性の高い経費を補助対象外としている補助金もあります。補助金には制度の目的に沿った経費項目が定められているため、申請したい経費が経費項目に含まれるかどうかの確認が必要です。
なお、補助金には補助率や補助上限額が定められている傾向にあり、申請する経費の金額に補助額を掛けた金額または補助上限額までの支給となります。採択された場合でも、購入する経費の全額が受け取れるわけではないことにも留意しましょう。
建設業において補助金を利用したいと考えている人は、自社の業種や事業規模などが補助対象者の定義にあてはまるかどうかを確認しましょう。事業者が利用できる補助金には対象者の条件が定められており、条件にあてはまらない事業者は補助金への申請ができないためです。
たとえば、補助対象者の条件として「小規模事業者であること」と定められている補助金があります。小規模事業者の定義は業種ごとに異なり、建設業の場合は「資本金の額又は出資の総額が3億円以下」または「常時使用する従業員の数が300人以下」の事業者です。
補助金には、対象となる業種や事業規模が定められている場合があります。「建設業を営んでいること」「中小企業であること」など、補助金によって対象となる事業者の条件が異なるほか、業種によって事業規模の定義が異なることにも留意しておきましょう。
建設業において補助金を利用したいと考えている人は、補助金を利用して取り組む「補助事業」が補助対象にあてはまるかどうかを確認しましょう。事業者が利用できる補助金には補助事業の要件が定められており、条件にあてはまらない事業には補助金が交付されないためです。
たとえば、補助事業の条件として賃上げ目標が定められている補助金があります。補助事業の実施期間中に従業員の賃上げを実施することが必須となり、補助事業終了後の報告において規定の賃上げ目標を達成しているかどうかを確認されます。
補助金に採択されていても、実際の取り組みにおいて補助事業の要件を満たすことができなかった場合は、補助金を受給できない可能性があります。補助金を受給するには、賃上げや労働生産性の向上など、補助金ごとに定められている補助事業の要件を満たす取り組みを実施しなければなりません。
なお、補助事業は補助金の申請時に提出する「事業計画」に沿って実施する必要があります。補助事業の要件に当てはまる事業計画であっても、達成が見込めないと判断される内容のものは不採択となる可能性があるため、根拠を交えて実現可能な事業計画を策定しましょう。
補助金は、建設業における経営課題の解決につながるさまざまな取り組みに活用できます。「設備投資」「販路開拓」「DX化」「働き方改革」など、制度ごとに目的が異なるため、補助金を活用したい建設業の事業者は、取り組みたい内容に合わせて補助金を選ぶ必要があります。
補助金を利用するときのポイントは、補助金の制度ごとに定められている「対象経費」「対象者」「対象事業」それぞれの条件を満たしているかどうか確認することです。ひとつでも満たすことができない条件がある場合は補助対象外となり、補助金を受給できない可能性があります。
補助金の利用を検討している建設業の事業者は、建設業が対象となる補助金を探しましょう。経済産業省や厚生労働省が実施する国の補助金だけでなく、地方自治体が独自に設けている補助金もあるため、地域のホームページや商工会議所の窓口などを活用して自社が対象となる制度を探してみてください。
使いたい補助金が決まっているので、
補助金診断をしたい!という方は、
ご利用希望の補助金の診断ボタンへ
お進みください。
補助金申請に関するご相談は
お電話でも受け付けております。