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2024/03/11
2024/3/11
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
事業を営んでいる人の中には、障害のある人の雇用を考えている人もいますよね。また、雇用する際の資金や環境の整備などの支援を受けたい人もいるでしょう。
当記事は、障害者雇用に使える助成金を解説します。雇用する際のルールも解説するので、障害のある人の雇用を考えている人は参考にしてみてください。
目 次
障害者の雇用には、厚生労働省の障害者雇用に特化した雇用関係助成金が使えます。障害者を雇う際に、事業者側が受け取れる助成金で、個人事業主も利用できます。
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参考:厚生労働省公式サイト「障害者の雇用に使える助成金」
雇用関係助成金を受給するには、厚生労働省の「雇用関係助成金共通の要件」と、それぞれの助成金における受給要件を満たす必要があります。
共通の要件には、受給できる事業主の条件や、受給する際の留意事項が記載されています。受給を検討している人は、まず雇用関係助成金共通の要件を確認しましょう。
また、それぞれの助成金やコースによって、事業主や雇用される障害者の受給の要件が異なります。自社で活用したい助成金がある人は、該当する助成金の支給要綱も確認してください。
なお、特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用助成金を受給した場合、東京都や千葉県の各市区町村など、各自治体の奨励金も受け取れる可能性があります。奨励金の受給要件が知りたい人は、自治体の公式サイトを確認してみてください。
障害者雇用に使える助成金に、特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースと発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースがあります。障害者や高齢者などの就職困難者、発達障害者や難病患者を雇う際に使える助成金です。
コース | 対象となる労働者 | 支給額 | 支払方法 | |
特定就職困難者コース
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短時間労働者
以外の者 |
60歳以上の高年齢者 母子家庭の母等 |
60万円 (50万円) |
30万円×2期 (25万円×2期) |
重度障害者等を除く 身体・知的障害者 |
120万円 (50万円) |
30万円×4期 (25万円×2期) |
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重度障者等 | 240万円 (100万円) |
40万円×6期 (33万円※×3期) ※第3期の支給額は 34万円 |
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短時間労働者
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60歳以上の高年齢者 母子家庭の母等 |
40万円 (30万円) |
20万円×2期 (15万円×2期) |
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重度障害者等を含む 身体・知的 ・精神障害者 |
80万円 (30万円) |
20万円×4期 (15万円×2期) |
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発達障害者・難治性疾患
患者雇用開発コース |
短時間労働者以外 | 120万円 (50万円) |
1~4期:30万円 (1~2期:25万円) |
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短時間労働者 | 80万円 (30万円) |
1~4期:20万円 (1~2期:15万円) |
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【支給要件】
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※中小企業以外の場合は表内の()の数字が支給される
参考:厚生労働省公式サイト「特定求職者雇用開発助成金」
たとえば、特定就職困難者コースを活用した中小企業が、短時間労働者以外の障害者を雇った場合は120~240万円が支給されます。支給額や助成対象期間は、抱える障害の重さによって異なります。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースの場合、中小企業が短時間労働者以外の障害者を雇った場合は120万円が支給されます。支給額や助成対象期間は、企業規模によって異なります。
ただし、支給の上限額は、支給対象期に対象労働者へ支払った賃金の額です。上限を超えた支給はされないことに留意して、申請を検討しましょう。
なお、支給対象期とは、雇用した日から最初の6か月を1期として、以降6カ月ごとに6期まで設定されている期間のことです。特定求職者雇用開発助成金を受け取るには支給対象期ごとに申請が必要になるため、必ず支給対象期の開始日から2カ月以内に申請を行いましょう。
障害者雇用に使える助成金には、トライアル雇用助成金の障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースもあります。労働者の適正や職場との相性を見極めるため、試用期間を設けることで、お互いの働き方や環境に対する認識の違いを減らすことができます。
コース | 対象となる労働者 | 支給額(支給対象者1人あたり) |
障害者トライアルコース
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・精神障害者 | 月額最大8万円を3か月 月額最大4万円を3か月 (最長6か月間) |
・精神障害以外の障害者 | 月額最大4万円(最長3か月間) | |
障害者短時間トライアルコース | ・週10時間以上20時間未満働く人 ・精神障害者または発達障害者 |
月額最大4万円 (最長12か月間) |
【支給要件】
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参考:厚生労働省公式サイト「トライアル雇用助成金」
トライアル期間は原則3か月となっており、要件を満たせばトライアル雇用終了後も継続して雇用することが可能です。実際に、障害者トライアル雇用助成金を活用した企業では、8割以上の労働者が継続雇用されている実績があります。
たとえば、障害者雇用で短期離職に悩んでいた事業者が、トライアル雇用助成金を活用して、障害者を継続的に雇用するための支援を受けた企業があります。助成金を使うことで、担当者の固定や優先順位を整理した指示など、労働者の特性に応じた環境整備や職場定着に取り組めた事例です。
助成金を活用することで、地域障害者職業センターのジョブコーチ支援も受けることができるため、障害のある労働者を職場で直接支援してもらうことも可能です。
トライアル期間は、一人あたり月額最大8万円受け取れます。障害者を継続雇用するための支援を受けたいと考えている人は、トライアル雇用助成金の活用を検討してみてください。
障害者雇用には、障害のある人が働く際にサポートを受けられる障害者雇用安定助成金も使えます。障害者雇用安定助成金には、事業主に雇用された支援者が対象者をサポートする雇企業在籍型と、支援者が職場へ訪問して対象者をサポートする訪問型の2種類があります。
種類 | 対象となる労働者 | 雇用形態 | 支給額 |
企業在籍型
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精神障害者
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短時間労働者以外 | 12万円(9万円) |
短時間労働者 | 6万円(5万円) | ||
精神障害者以外
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短時間労働者以外 | 8万円(6万円) | |
短時間労働者 | 4万円(3万円) | ||
訪問型
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精神障害者 | ①②の合計 ① ・1日の支援時間が4時間以上:16,000円×日数 ・1日の支援時間が4時間未満:8,000円×日数 ②※1 ・訪問型職場適応援助者養成研修に関する受講料の1/2 |
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精神障害者以外 | ①②の合計 ① ・1日の支援時間が3時間以上:16,000円×日数 ・1日の支援時間が3時間未満:8,000円×日数 ②※1 ・訪問型職場適応援助者養成研修に関する受講料の1/2 |
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【支給要件】 対象労働者は、①身体障害者②知的障害者③精神障害者④発達障害者⑤難治性疾患の |
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※1受講料を事業主がすべて負担し、かつ、養成研修の修了後6か月以内に初めての支援を 実施した場合 |
※中小企業以外の場合は表内の()の数字が支給される
参考:厚生労働省公式サイト「障害者雇用安定助成金」
企業在籍型の場合、助成金の支給額は障害の種類や雇用形態ごとに金額が異なり、月額で最大で12万円支給されます。一方で、訪問型の場合は、支援時間ごとに決まっている金額に日数をかけた額が支給されます。
助成金の支給対象となる期間は、障害のある労働者が職場に定着できるようにサポートを実施した期間です。企業型の場合は1回最長6か月、訪問型の場合は3か月単位で期間が定められており、3か月ごとに申請が必要になります。
障害者雇用安定助成金の受給には、①受給資格認定申請②支給申請の2回申請をします。①受給資格認定申請は企業在籍型の場合、支援計画開始日から3か月以内、訪問型の場合は支援計画を策定する日、または支援計画開始日の2週間前までに申請が必要です。
②支給申請は、企業在籍型の場合、支給対象期間の開始日から2か月以内に申請します。訪問型の場合は3か月ごとの支給対象期ごとに、それぞれの支給対象期間の開始日から2か月以内に申請が必要です。
障害者を雇用する際、作業施設や設備などの環境を整備したい人は、障害者作業施設設置等助成金や障害者福祉施設設置等助成金が活用できます。障害のある労働者に配慮した職場の建物や、設備を整備する際に活用できる助成金です。
種類 | 対象となる労働者 | 雇用形態 | 支給額 (助成率をかけた額または限度額) |
障害者作業施設
設置等助成金 (設置・整備) |
身体障害者
知的障害者 精神障害者 |
短時間労働者
以外 |
第1種作業施設設置等助成金※2 |
第2種作業施設設置等助成金※3 【限度額】 ・作業施設、附帯施設:1人につき 月13万円 ・作業設備:1人につき月5万円 【助成率】 ・2/3 【支給期間】 ・3年間 |
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短時間労働者※1 |
第1種作業施設設置等助成金 |
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障害者福祉施設
設置等助成金 (賃借) |
身体障害者
知的障害者 精神障害者 |
短時間労働者 以外 |
【限度額】 ・対象者1人につき月225万円 ※同一事業所あたり同一年度について 2,250万円を限度 【助成率】 ・1/3 【支給期間】 ・定めなし |
短時間労働者 | 【限度額】 ・対象者1人につき月112万5千円 ※同一事業所あたり同一年度について 1,125万円を限度 【助成率】 ・1/3 【支給期間】 ・定めなし |
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【支給要件】
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※1 短時間労働者:重度身体障害者、重度知的障害者または精神障害者を除く ※2 第1種作業施設設置等助成金:作業施設等の設置・整備を建築等や購入により行う場合 の助成金 ※3 第2種作業施設設置等助成金:作業施設等の設置・整備を賃借により行う場合の助成金 |
参考:(独)高齢・障害・求職者支援機構「障害者作業施設設置等助成金・障害者福祉施設設置等助成金」
障害者作業施設設置等助成金は、第1種と第2種にわかれています。支給対象となる労働者は、もともと障害のある人だけでなく、途中から障害を抱えた中途障害者にも活用できます。
第1種作業施設設置等助成金は、作業施設や整備を建物や設備の購入する場合に使える助成金です。対して、第2種作業施設設置等助成金は、作業施設や整備を建物や設備の賃借料に使える助成金です。
一方、障害者福祉施設設置等助成金は、障害者が働く職場の保健室や休憩室、食堂などの、福祉施設を対象とした助成金です。ただし、過去に申請経験がある場合、2回目の申請の際は、同じ労働者を対象とした申請はできません。
なお、助成金を受け取れるのは審査に通った人のみです。申請を考えている人は、審査の際、支給の要件を満たしていないと判断された人は助成金を受け取れないことに留意して、申請を検討しましょう。
障害者雇用において、教育訓練に使える助成金が人材開発支援助成金の障害者職業能力開発コースです。障害のある労働者の能力開発事業に使う施設や設備、運営費に活用できる助成金です。
訓練対象となる労働者 | 支給額(支給対象者1人あたり) |
・身体障害者
・知的障害者
・精神障害者 ・発達障害者 ・高次脳機能障害のある人 ・難治性疾患を有する人 ・ハローワークの求職者 かつ、職業訓練が必要で あると認められた人 |
施設や設備の設置、整備、更新 ・助成率:3/4 ・はじめて助成対象となる施設や設備の設置、整備の場合:上限5,000万円 ・施設または設備の更新の場合:上限1,000万円 |
運営費 |
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【支給要件】 ①または②のいずれかにあてはまる場合 |
参考:厚生労働省公式サイト「人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)」
人材開発支援助成金を活用する際は、障害者職業能力開発訓練事業を実施し、障害のある労働者の能力開発を行います。障害者職業能力開発訓練事業で行う教育訓練には10項目の要件があり、すべて満たす必要があります。
教育訓練の要件は「①運営管理者②訓練期間③訓練時間④訓練科目⑤訓練施設以外の実習⑥訓練人員⑦訓練担当者⑧訓練施設等⑨安全衛生⑩費用」とこまかく定められています。
たとえば、①運営管理者の要件の場合「障害者の能力開発や能力向上のための教育訓練に関する知識があること」「厚生労働大臣が定める基準の教育訓練の事業、または同等の教育訓練事業をおおむね5年以上経験していること」を満たす必要があります。
支給額は施設や設備、運営費によって異なります。施設や設備の支給額は「設置・整備・更新の費用×3/4」ですが、運営費は、一人あたりの運営費や受講率などを求める必要があります。
詳細な支給額の計算式や要件などは、支給要綱に記載されています。人材開発支援助成金の要件や手続きを詳しく知りたい人は、厚生労働省公式サイトにある人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)の「支給要綱」を確認してみてください。
障害のある人の雇用においては、障害者雇用促進法に基づく制度が定められています。制度を守れなかった場合、事業主に罰則が科されることがあるため、障害者の雇用を検討している人は雇用する際のルールを確認しておきましょう。
障害のある人の雇用のルール | 内容 |
障害者雇用率制度 |
・従業員数が一定以上いる場合、身体障害者や知的障害者、 |
障害者雇用納付金制度 | ・障害者を多く雇用している事業主の経済的負担を軽減して、 事業主間の負担の公平を図るため設けられた決まり |
雇用の分野における障害者の 差別禁止および合理的配慮の 提供義務 |
・障害者に対して差別をしてはいけないという決まり ・対象者の障害の特性に配慮した必要な措置を実施する決まり (環境整備や仕事の割り振りなど) |
障害者職業生活相談員の選任 | ・障害者を5人以上雇用する事業所では「障害者職業生活 相談員」を選任して指導や相談を受けられるようにする決まり |
障害者雇用に関する届出 | ・従業員が一定数以上の事業主は、障害者雇用状況報告を ハローワークに報告しなければならないという義務 |
参考:厚生労働省公式サイト「障害者雇用のルール」
障害者雇用促進法に基づいて作られた制度のひとつに、障害者雇用率制度があります。従業員数を一定数以上雇用している企業は、障害者を規定の人数以上雇用しなければならない、という事業主の義務です。
厚生労働省の「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」によると、障害者雇用率は令和6年度から民間企業では2.5%となるため、従業員数を40人以上雇用している企業は、障害のある人を1人以上雇用する義務が生じます。
また、事業主間の障害者雇用にかかわる経済的負担を調整するために、障害者雇用納付金制度が設けられています。従業員数が100人を超える事業主で障害者雇用率が未達成の場合、不足している障害者数1人につき月5万円を行政に納付する必要があります。
事業主は、障害者を雇用する場合、法律に基づいて設けられた制度を理解しておく必要があります。障害者雇用に関する助言や支援を受けたい人は、ハローワークや独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構などに相談してみてください。
障害者の雇用に使える助成金には、厚生労働省の障害者雇用に特化した雇用関係助成金があります。雇用関係助成金を受給するには、厚生労働省の「雇用関係助成金共通の要件」と各助成金の支給要綱で定められている「支給要件」を満たす必要があります。
障害者の雇用においては、障害者雇用促進法に基づいた制度が定められており、事業主の義務となるため満たさなければ罰則が科されます。障害者の雇用を検討している人は、事前に雇用する際のルールを確認しておきましょう。
使いたい補助金が決まっているので、
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