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2024/08/29
2024/8/13
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
補助金は、国や地方自治体が管轄する支援金のひとつです。事業者が補助対象となる事業を実施する際に、申請や審査などの手続きを行うことにより、補助金を受け取れる仕組みとなっています。
この記事では、補助金のメリットとデメリットを解説します。補助金の利用を検討している人は参考にしてみてください。
目 次
補助金は事業者に対する支援制度のひとつのため、補助金を受け取ることによってさまざまなメリットを得られます。補助金の利用を検討している人は、具体的なメリットを確認し検討材料にしてみましょう。
【補助金のメリット】
補助金は国や地方自治体が事業者に対して用意しているため、対象事業を実施する事業者にとってメリットのある支援制度になります。補助金の利用を検討している人は、それぞれのメリットの詳細も確認してみましょう。
補助金のメリットのひとつは、事業を実施する際にかかる経費の削減につながることです。事業を実施する際にかかった経費の一部が補助金として還元されることにより、自己負担が減るためです。
【補助金によって削減できる経費の具体例】
補助金の種類によって対象となる経費は異なりますが、さまざまな経費を削減できます。ソフトウェアの導入やチラシの作成などにかかる経費を削減できる補助金もあり、事業を実施する事業者の自己負担額が減らせます。
ただし、事業を実施する際にかかる経費の全額を補助金として受け取れるとは限りません。いくら補助金を受け取れるのかは補助金ごとの条件によって異なるため、いくら補助額を受け取れるか知りたい人は、各補助金の補助率や補助額を確認してみましょう。
補助金のメリットのひとつは、受け取った補助金に返済の必要がないことです。申請者が補助金に申請して受け取ったお金は、国や地方自治体の財源から補助金事務局を介して申請者へ返済不要のお金として交付されます。
補助金は、事業に対する資金の借り入れとは異なる資金調達法です。補助金は条件を満たすことにより返済不要のお金をもらえる資金調達法のため、借り入れによって起こりうる返済のリスクがありません。
ただし、補助金の規定に違反する場合は、補助金の返済を求められる可能性もあります。規定に反する具体例を知りたい人は「補助金は返済不要なのか?その他の支援制度を交えながら解説」を参考にしてみましょう。
補助金のメリットのひとつは、複数の補助金から自身の用途に合ったものを選べることです。補助金は目的ごとに国や地方自治体が複数の制度を設けているため、さまざまな補助金を比較した上で自身に合った制度を選択できます。
項目 | 目的 |
IT導入補助金 | ITツールを導入することによる生産性の向上 |
小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓による生産性の向上 |
ものづくり補助金 | 製品やサービス開発の設備投資による生産性の向上 |
事業継承・引継ぎ補助金 | 事業承継や事業再編による経済の活性化 |
たとえば、ひとつの事業が、複数の補助金の目的と合致する場合もあります。IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金は、いずれも「販路開拓に関するITツールの導入」に利用できる補助金のため、より自身の目的や希望に合った補助金を選択できます。
ただし、補助金は年に数回の公募回が設けられている傾向にあるため、時期によっては補助金の公募を受け付けていない場合もあります。補助金の利用を検討している事業者は、申請したい補助金の公募スケジュールから募集を受け付けているか確認してみましょう。
補助金のメリットのひとつは、補助金を利用することにより事業の成長につながる可能性があります。補助金は事業者をサポートする制度のため、申請者が事業を成長させるためのサポート体制が整っているためです。
サポートを実施している機関 | 特徴 |
商工会議所、商工会 | 各市区町村に設置されており、事業の発展につながるサポートを行っている |
よろず支援拠点 | 国が設置した、経営に関するあらゆる相談を受け付けている |
認定支援機関 | 専門知識を持つ事業者として国の認定を受け、中小企業を支援している |
補助金を利用する際は、申請者と補助金事務局以外の第3者機関からのサポートを受けることが可能です。「商工会議所」や「認定支援機関」などの機関から経営課題を解決するためのアドバイスを受けることにより、事業の成長につながる可能性があります。
ただし、補助金はあくまでも申請者のサポートを実施した上で補助金を交付してくれる制度のため、必ず事業の成長につながるとは限りません。補助金を利用して事業を成長させたい事業者は、申請する補助金の公式サイトに掲載されている事例を参考にしてみましょう。
補助金はさまざまなメリットを得られる反面、利用する人によってはデメリットに感じられることもあります。補助金のメリットを確認した人は、補助金のデメリットとなりうる点も確認しておきましょう。
【補助金のデメリット】
補助金は数万円や数百万円のお金を受け取れる制度のためさまざまな規定があり、利用する人の状況によってはデメリットになることが考えられます。補助金の利用を考えている人は、デメリットを確認した上で申請しましょう。
補助金のデメリットのひとつは、申請後に審査があることです。申請者が申請した内容をもとに、補助金ごとの規定をもとに審査が行われ、審査に通過した人のみが補助金を受け取れる仕組みになっているからです。
補助金を利用する場合は、申請する補助額の大小に限らず必ず審査があります。補助金の審査は、補助金事務局や外部審査委員会から厳正に確認されるため、補助金事業に計画性や実現性のない場合は不採択になり補助金をもらえなくなります。
審査項目は各補助金の公式サイトにて公開されていますが、審査基準や審査内容は公表していません。補助金への申請を検討している人は、申請する前に審査項目を確認し備えましょう。
補助金のデメリットのひとつは、手続きに時間がかかる傾向にあることです。補助金を受け取るためには、申請や報告などのさまざまな手続きを実施する必要があるため、手続きが数か月に及ぶこともあります。
【補助金の利用にあたって実施する手続き】
たとえば、補助金の手続きは公募回ごとの「事業スケジュール」をもとに実施されます。申請内容にもとづき実施される審査はすぐに審査結果がわかるのではなく、予め定められている交付決定日に審査結果が公表されます。
補助金は公募回ごとに、交付決定日や報告期限などの「事業スケジュール」が公表されています。申請してからどれくらいの時間がかかるかを知りたい人は、各補助金の公式サイトから事業スケジュールを確認しましょう。
補助金のデメリットのひとつは、受け取った補助金が課税の対象になることです。補助金は事業者が事業を実施する際に経費を削減してくれる支援制度ですが、補助金を受け取った場合は翌年度に支払う税金の金額に影響する可能性があります。
補助金を受け取った場合は、翌年の確定申告の際に収入として扱う必要があります。補助金による収入から経費を差し引いた額が「所得」「収益」であり、補助金を受け取ったことにより得た「所得」と「収益」に税金が課されます。
課税の種類は「個人の場合は所得税」「法人の場合は法人税」として、補助金が課税対象になります。補助金に対する課税の詳細を知りたい人は、「補助金に税金はかかるのか?課税の仕組みを交えながら解説」を参考にしてみましょう。
補助金のデメリットのひとつは、事業を実施する際にかかる経費を支払うための自己資金が必要になることです。補助金を受け取れるのは、事業の実施にかかる経費の支払いよりも後だからです。
事業の実施にかかる経費分の自己資金がないと、補助金事業を実施する際に支払いができません。事業の実施にかかる経費の支払いは申請者が行う必要があり、支払いを終えた後に補助金事務局に報告することにより、補助金を受け取れます。
補助金の交付は後払いの形式で、補助金事務局から申請者に支払われます。申請者は受給予定の補助金分を自身で立て替える必要があるため、これから申請をしようと思っている人は申請前に事業の実施にかかる経費の自己資金を用意しておきましょう。
メリットとデメリットを確認した上で補助金の利用を検討する人は、自身が対象となる補助金の中から利用したい補助金を見つけましょう。補助金には国や地方自治体が実施する複数の制度があるため、どのような補助金があるのかを知りたい人は自身に合った補助金の探し方を参考にしてみてください。
【自身に合った補助金の探し方】
たとえば、ミラサポplusのサイトを確認することにより、さまざまな補助金の情報を閲覧できます。経済産業省が管轄する各補助金の概要だけでなく、事例の掲載もあるため、自身に合った補助金を探すことが可能です。
また、自治体の窓口や商工会議所に相談することにより、地方自治体ごとの補助金の情報を得られます。各自治体によって補助金の実施の有無や実施している補助金の種類などが異なるため、自身に合った補助金の公募が行われているかを確認してみましょう。
なお、補助金の探し方には、認定支援機関や商工会議所などの専門家に相談する方法もあります。専門家に相談する場合であっても相談無料の所もあるため、補助金を利用したい人は各補助金の公式サイトを確認した上で専門家に相談してみましょう。
補助金のメリットは、事業の実施にかかる経費をもらえることです。返済不要の補助金をもらえることにより、事業の成長につながるため、対象事業の実施をしたい人にとって大きなメリットといえます。
補助金のデメリットは、審査があることや手続きが面倒に感じられる可能性があることです。補助金を利用する場合は、事業スケジュールを確認した上で、審査を通過するために慎重に手続きを進めなければならないことがデメリットといえます。
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