自分を喜ばせる。人を喜ばせる。
合同会社Gollirab 代表社員 檀野俊
合同会社Gollirabは児童発達支援・放課後等デイサービスを行っている「あ~すり~と」を中心に事業を展開している会社ですが、驚くべきはスタッフが現役のトップアスリートであるということです。今回は代表社員を務められている檀野俊様にインタビューを行いました。
トップアスリートによる運動に特化した療育
-檀野様は現役のトップアスリートとしても活躍されていますが、児童発達支援・放課後等デイサービスを事業として選ばれたのはなぜですか?
檀野氏:それにはボクが経験したことから話さないといけないですね。ボクは25歳の時に脳腫瘍の摘出を行った経験があるんです。
-25歳でですか?ずいぶん若い時に大病を経験されていたんですね。
檀野氏:若いですよね。でもそれで思ったんです。人間は死ぬ。それが1年後かもしれないし、明日かもしれない。それは分からないけど死ぬということは心から実感できて。
その瞬間、人生における大切なことランキングがガラガラと崩れ、新しくなり、1秒でも早く自分にしかできないことをやろう。自分にしかできないことで人を喜ばせよう。人を喜ばせた結果として、お金を稼ぎ、そのお金をまた人を喜ばせることに使い、自分が人を喜ばせる能力をスケールしていこうと思ったためです。
-なるほど。それが児童発達支援・放課後等デイサービスという形になったんですね。
檀野氏:実はボクは脳腫瘍の後遺症で右耳が聞こえないのと、ずっと世界が回っていて手すり無しじゃ歩くのも難しい状態だったんです。お医者さんにももう陸上は出来ませんよ、と言われてしまって。
-えっ?そうなんですか!?
檀野氏:でもリハビリで少し歩く練習をしてみたらちょっと回復していて。これはイケるんじゃないかと思ったんです。
そこで目標を立てて、来年、陸上の十種競技の年代別日本記録を出そうと決めてトレーニングを続けたんです。
-普通にトレーニングしても難しい記録じゃないですか!
檀野氏:でも日本新記録を更新しました。
-鉄人ですね。
檀野氏:(笑)。
振り返ってみるとこの挑戦を達成できたのはリハビリで歩いたときに「回復している」と感じたことなんですよね。ほんの小さな成功体験が夢や目標を達成する原動力になると、そう確信したんです。
そしてそれを子どもたち、とくに障がいを持った子どもたちへ伝えていきたいと思ったんです。
-なるほど。
檀野氏:運動を通じて成功体験を積み重ねてもらい、「できる!」を知ることは自己肯定感を高めることにつながります。それは日々の暮らしでの自立や仕事を行う上でのモチベーションの向上に繋がるはずです。
「大人って楽しそう!」と思ってもらうために
-檀野様は運動を通じて子どもたちと関わっていらっしゃるわけですが、その時に心がけていることなどはありますか?
檀野氏:大人が人生を、仕事を楽しんでいる姿を見せるようにしています。
-それはなぜですか?
檀野氏:大人が自分の人生や仕事楽しんでいないと、子どもたちも将来、自分が大人になることに希望を持てないと思っているんです。
-なるほど。
檀野氏:そのためにスタッフはみんな自分自身とも向き合っています。
「あ~すり~と」のOPEN時間は13時からなので午前中はスタッフが自分たちのトレーニングを行ったりしています。
それで9月に開催された第87回近畿陸上競技選手権大会でうちのスタッフ3人が入賞しました。うち1人は優勝です。
-本当にトップアスリートの集団ですね。
檀野氏:運動療育に自分の競技にと。そうして「大人って楽しそう」と子どもたちに思ってもらえたら嬉しいです。
-檀野様は事業展開など今後どのような活動をされて行こうとお考えですか?
檀野氏:まずは目の前の相手を全力で喜ばせる。これだけです。自分たちが全力で向き合い、自分自身の能力を高め、喜ばせることのできる数を増やしていく。この繰り返しだと思っています。
-なるほど。
檀野氏:また、目標や夢へのマインドセットなど、大人が自分の人生や選択に責任をもち、自分の意思で目標へ向かって歩んでいくために、対企業の講演活動などの機会を増やしていきたいですね。
運動指導者の指導力の向上や、障害に対する理解を高めていきたいです。
-本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。最後にこのサイトを読んでいる読者の方々に何か一言お願いします!
檀野氏:自分自身が病気のために、寝たきりになり、アスリートとしての道半ばで夢破れ、絶望し、そこから這い上がり10種競技でマスターズ日本記録を更新するまでの闘病体験を、笑いながら読める世界で唯一の闘病記「超闘病記」として出版することができました。
確実に面白い内容になっているので、ぜひ一読していただければ幸いです!