その人自身を全面に出していける場所を作る

株式会社Pect 代表 山﨑亜希

四国学院大学社会福祉学部社会福祉学科出身の山﨑亜希様はこれまで精神科病院、行政関係や、就労継続支援B型事業所などで働かれていました。そんな山崎様が現在事業として行われているのが株式会社Pectです。今回はそんな山﨑様に事業に対する想いを伺いました。

 

障がいに対して正しい知識をもってもらいたい

株式会社Pect 山﨑亜希様

-山﨑様はこれまで精神科病院や就労継続支援B型事業所などで働かれてきたんですよね?障がいをおもちの方と向き合ってこられてきたんですね。

山﨑氏:そうですね。いろいろな方と出会ってきましたね。その中で大切な人を大切にすること、障害を知らない方から受けた傷、働くことの大切さについて知り考えさせられました。

株式会社Pectもその延長線上にあります。

-株式会社Pectでは具体的にどのような事業を行っていらっしゃるんですか?

山﨑氏:就労継続支援B型事業所のKUUUKIと飲食店の「TUMAMIGUI BENTO KUUUKI」の運営です。

-就労継続支援と飲食店ですか?なんだか全く別物な感じがするのですが……。

山﨑氏:就労継続支援B型事業所は簡単に言うと障がいをおもちの方で一般企業に就労することが今の時点では困難な方に対して訓練として働く場所を提供します。

そこで私は働く場としてのお弁当屋も提供しています。

-なるほど。でもなぜお弁当屋にしようと?

山﨑氏:3つあります。

1つ目は、飲食店には、製造、販売、接客、事務と色々な仕事がぎゅっと詰まっていました。 働くにあたっては何が得意で、何が不得意なのか考えて選びますよね。自分が何に興味があったり、好きなのか。自分が知らない得意なことや苦手なことを知ることができると思うんです。

2つ目はコロナ禍でおうち時間が増え、女性の家事負担が大きくなったからです。スタッフ全員が女性ということもあり「毎日お疲れ様です。今日もよく頑張りました」を形にして伝えたいと思いました。女性のご褒美弁当をコンセプトにお弁当を食べる時間だけでも、自分自身のことを褒め、労ってもらう時間を作ってもらいたいと思ったからです。

3つ目は、睡眠と食事はとても大切でストレスの軽減にも繋がります。地域との繋がりを大切にしていく中で食事という大切な時間にKUUUKIのお弁当があったら嬉しいなと思いました。

この3つの先に私の目指す「どんどん自分のやりたい就労先を見つけて働くための踏み台」となる事業所があると考えています。

-そうなんですね。ちなみにどのようなお弁当を作られているんですか?

山﨑氏:韓国料理のキンパ弁当を販売しています。韓国版の海苔巻きですね。女性のご褒美弁当をコンセプトにしています。忙しい毎日の中で「自分お疲れ様」と自分をねぎらい褒める時間を家事の中でも料理の時間を少しお休みして楽しんでもらう時間を作りたいと思っています。

-なぜ株式会社Pectを始めようと思われたんですか?

山﨑氏:いくつかありますが、本人の働くことに対する自信や障がいに対するネガティブな感情を少しでもいい意味に変えてもらい、就労に結び付けたいと思いました。そうやって就労先を見つけていくための踏み台になれればいいなと考えました。そのためには障がいのある方が楽しんで働けて自分の可能性を見つけられることはもちろん、その人自身を全面に出していける場所を作らなければいけなかったんです。

また、障がいに対して正しい知識をもってもらい、知らないことによる偏見を少しでも減らしていきたいとも考えています。人間のいいところは人それぞれ考えや思いが違うところです。思ったこと思ったまま捉えてもらってかまいません。見たこと聞いたことが全てじゃないけれど少しでも知ってもらう機会が必要なんです。

-なるほど。確かにお弁当屋だったら色々な方と触れ合ったりする機会もありますもんね。

山﨑氏:はい。あらゆることに言えることですが、知らないってことは自分にとっても相手にとっても何かと怖いことだと思っています。知って損はないですからね。

香川県丸亀市でKUUUKIを知らない人がいないぐらいになりたい

-障がいを持っている方が実際にどんな風に働いているのかは、確かにあまり目にしないかもしれません。お弁当屋が人気になってお客さんが増えれば増えるほど、山﨑様の目標は叶っていくんですね。

山﨑氏:そうですね。そう思います。でも一番大切なことは全員が全員に合うものは難しいかもしれないけど、メンバーにとってここを選んでよかった!ここに来てよかったって思ってもらうことです。

これってどんな会社でも大切なことですよね。福祉とか福祉じゃないとか関係ありません。メンバーのみんなと楽しみながらやっていける事業所にしたいです。

その先に私の目指す「どんどん自分のやりたい就労先を見つけて働くための踏み台」となる事務所があると考えています。

-本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。最後にこのサイトを読んでいる読者の方々に何か一言お願いします!

山﨑氏:私たちは香川県丸亀市でKUUUKIを知らない人がいないぐらい知ってもらいたい、たくさんの方にお弁当を届けたいと思って活動しています。

この目標は一緒に働いてくれる利用者さんはもちろん、おもしろいことをしている福祉関係の人や飲食店の人などのご協力があって初めて成し遂げられることだと思っています。興味を持っていただけた方は是非ご連絡ください!

韓国料理が得意な韓国の方とかもいいですね!お待ちしております!

SoLabo担当者からのコメント

神﨑 健吾/Kanzaki Kengo

就労継続支援B型事業所と飲食店を営む山﨑さまにお話をお伺いいたしました。ご自身の専門領域を生かして事業経営をなさっており、事業に対しての強い想いを聞くことができました。この先「おもしろいことをしている福祉関係の人、飲食店の人、韓国料理が得意な韓国の方」と繋がっていきたいということで、働きたい方も募集中とのこと。ご興味を持った方はご連絡ください!

株式会社Pect