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PROFILE
タグアップ合同会社
代表社員 小山田 貴一
15歳からクラブカルチャーに親しみ、ラップやダンスに没頭する。25歳の時、支援学校関係者から「障がいのある子が踊れる場がない」と相談を受けたことを機に、福祉の知識がない状態から活動を開始。15年にわたり現場に立ち続け、現在はダウン症特化のダンススクール運営や施設・保育園へのレッスン提供を行う。一人ひとりのポテンシャルを信じ、小さな成功体験を自信に変える指導で子どもたちの可能性を広げている。
ダウン症の方に特化したダンススクールや、各地の施設・保育園などでレッスンを行う「ONE TRIBE(ワントライブ)」を展開している小山田貴一さん。クラブカルチャー出身という異色の経歴を持ちながら、15年にわたり現場に立ち続けてきました。その根底にあるのは、「できない」を「できた!」に変える体験を子どもたち一人ひとりに届けたいという、揺るぎない信念です。
「踊れる場がない」——畑違いのストリートから福祉の現場へ
- ― まずは、事業内容についてお聞かせください。
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小山田氏:主に2つの柱で活動しています。
1つはダウン症の方に特化したダンススクールの運営。もう1つは、福祉施設や保育園へ伺って行うダンスレッスンの提供です。
現在は6名の講師が在籍しており、ジャズやブレイクダンス、HIPHOPなど、生徒さんが好きなジャンルを選べる体制を整えています。障がいのある方向けのダンスレッスンで、これほど多様なジャンルから選べる環境は珍しいので、大変ありがたいことに多くの生徒さんが参加してくださっています。
- ― この活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
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小山田氏:15歳からクラブカルチャーに親しみ、ラップに没頭していました。
そこから「体を動かしたい」と考えた時に、ラップの延長線上にダンスがあったんです。
転機となったのは25歳のとき。支援学校の関係者から「子どもたちが踊れる場所がない」という切実な相談を受けたんです。福祉の知識はありませんでしたが、それをきっかけに子どもたちを見るようになって。その豊かな表現力やエネルギーに圧倒されました。
「彼らの可能性を広げたい、もっと多くの人にこの魅力を知ってほしい」その一心で、15年間この事業を続けてきました。
0.1ミリの成長を見逃さない。自信を育むフィードバックの力
- ― レッスンにおいて、特に大切にされていることはありますか。
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小山田氏:生徒一人ひとりの「できた!」という瞬間を、絶対に見逃さないことです。
レッスン中は常に全神経を集中させて、小さな変化を捉えるようにしています。
様々なジャンルの中でも、特にブレイクダンスは成功と失敗が明確で、私自身、「できない」から「できた」に変わる瞬間をたくさん体験してきました。だからこそ、子どもたちにも「少しだけ足が浮いた」「一瞬だけ止まれた」といった、小さくとも確かな成功を即座にフィードバックしています。小さな成功体験の積み重ねが、やがて揺るぎない自信へと変わっていくんです。
- ― 親御さんとのコミュニケーションも非常に丁寧だと伺いました。
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小山田氏:はい。レッスン後には必ず、その日の様子を具体的にお伝えしています。「今日はこんな素敵な表情をしていました」「この動きに挑戦していましたよ」と。
障がいのあるお子さんを持つ親御さんは、日々の生活の中で無意識に感情を抑えていらっしゃることも少なくありません。報告を通じて、子どもたちのこれまでとは異なる表情や、新たな可能性に気付いて喜んでいただけることが、私自身の大きな原動力になっています。
「自分を過信しない」誠実さが、強いチームをつくる
- ― 事業を運営する中で、経営者として意識していることはありますか。
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小山田氏:自分一人でできることには限界があると痛感しています。チーム全員で同じ方向を向くことで、レッスンの質もあがる。だからこそ、スタッフとのチームワークを何より大切にしています。
指示を出す際も、内容は明確にしつつ、姿勢はあくまで低姿勢で丁寧に。上に立つ立場だからこそ、誰よりも周りに寄り添い、サポートする存在でありたいと考えています。
- ― その謙虚な姿勢は、どこから来ているのでしょうか。
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小山田氏:「自分を過信しない」と心に決めているからです。
子どもたちや親御さんへの対応も、スタッフへのケアも同じです。「自分はまだ完璧ではない」そう自覚しているからこそ、慢心せずに済みます。
例えば、レッスン開始の20分前には必ず現場に入るというルーティンを自分に課していますが、これも自分を律するための工夫です。自分への甘さを捨て、誠実に向き合い続けることが、信頼関係の土台になると信じています。
障がいという枠を超え、一人の「表現者」として向き合う
- ― 指導の現場で、特に守り続けている価値観を教えてください。
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小山田氏:「障がいがあるから、これはできないだろう」という先入観を一切持たないことです。
一人ひとりのポテンシャルをフラットに見つめることで、想像もしなかった素晴らしい表現が生まれます。実際に、指導を「大変だ」と感じたことは一度もありません。むしろ、彼らの鋭い感性には驚かされることばかりです。
- ― 生徒さんとの信頼関係は、どのように築かれていますか。
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小山田氏:泥臭いコミュニケーションの積み重ねですね。
好きな音楽やアニメを聞いて、それを休憩時間に流したりします。「先生に言えば叶えてくれる」という安心感が、心の壁を溶かすんです。最初は舞台に立つことさえ怖がっていた子が、回を重ねるごとに堂々と踊るようになる姿は、何度見ても胸が熱くなります。
継続の先に描く、社会とつながる未来
- ― 今後の展望についてお聞かせください。
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小山田氏:まずは、今の事業を実直に続けていくことが大前提です。そのうえで、今後は子どもたちが大人になった後の進路や就労など、社会との接点を広げる活動にも力を入れたいと考えています。
ダンスを通じて得た自信を、生活や仕事といった次のステージでも活かせるような、循環する環境をつくっていきたいですね。
- ― 小山田さんにとって、「経営」とはどのような意味を持ちますか。
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小山田氏:毎日が真剣勝負で、決して楽ではありませんが、「生きている」という手応えに満ちたものです。
サラリーマン時代に比べて責任は重いですが、ようやく自分の人生を主体的に動かしている実感が持てるようになりました。
小さな一歩を積み重ね、周囲に頼る「可愛げ」を持って
- ― 最後に、これから新しいことに挑戦する方へメッセージをお願いします。
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小山田氏:大切なのは、スモールステップで始めること、そして謙虚でいることです。
いきなり大きなリスクを取るのではなく、まずは自分にできる範囲から始め、知識と経験をストックしていく。その地道な積み重ねこそが、荒波の中でも倒れない事業の根っこになります。
もう一つは「可愛げ」を持つこと。完璧な人間などいません。自分の弱さを見せ、周囲に「助けてください」と言える素直さがあれば、必ず引き上げてくれる人が現れます。天狗にならず、一歩ずつ。その先に、あなただけの確かな成長が待っています。
【日々のレッスンの様子やイベントの出演動画リンク】
instagram:https://www.instagram.com/onetribe.osaka/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCAW6eSE4fy0vXnMwkNL6xYw
タグアップ合同会社
「できた!」の芽を見逃さない。障がいという枠を超えた表現者を育む。
ダンスによる「子どもたちの自己表現の場」として、ダンススクール「ONE TRIBE(ワントライブ)」を提供する企業。障がいにとらわれず、一人ひとりのポテンシャルをフラットに見つめる姿勢を貫く。ジャズやブレイクダンスなど多様なジャンルを展開し、小さな成功体験を即座にフィードバックすることで、子どもたちの揺るぎない自信を生み出し、新たな可能性を喜び合える環境を創造している。