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PROFILE
株式会社ミズキ
代表取締役 甲斐 甚平
株式会社ミズキ 代表取締役。貿易会社での7年間の勤務を経て、大手ECサイトとのネットワークや輸出入のノウハウを構築。その後、株式会社ミズキを設立し、現在は家電製品の輸出を主軸に展開。仕入れから物流、代金回収までを一貫して担う専門性の高さと、厚い信頼関係に基づく人脈が強み。現在は倉庫業や買取事業などの新規事業にも注力。
今回お話しを伺ったのは、埼玉県戸田市を拠点に、日本の商品を世界へ届ける輸出事業を営む甲斐 甚平 さん。中国越境ECのパイオニア企業で7年務めて独立し、真摯に国際物流に取り組む甲斐 さんの想いに迫ります。
日本の商品を世界へ── 一貫対応で信頼を築く輸出事業
- ― まず、事業内容についてお聞かせください。
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甲斐氏:メインは日本のメーカーや卸業者から仕入れた家電や雑貨を、中国やアメリカへ輸出しています。
ただ送るだけではなく、仕入れ・梱包・通関手続き・現地への配送まですべて自社で対応できます。
「ここからは別の業者に頼んでください」という話にはなりません。それがお客さんにとって一番ストレスがない形だと思ってるので。
- ― 一貫対応というのは、やはり顧客にとって大きなメリットなのでしょうか?
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甲斐氏:そうですね。一番は「スピード」と「責任の所在」です。
複数の業者を挟むと、どうしてもタイムラグが出ますし、何かあった時に「誰の責任か」が曖昧になりがちです。私たちはすべてを自社で把握しているので、即断即決できる。その安心感が、継続して取引をしていただける理由になっていると感じています。
19歳で来日、自力で切り拓いた創業までの道のり
- ― 原点について伺いたいのですが、19歳で北京から来日された当時は相当苦労されたとか。
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甲斐氏:あの頃は……本当に必死でしたね。
学費も生活費も全部自分で稼がなきゃいけない。1日3つのアルバイトを掛け持ちして、寝るのは毎日3、4時間という日々でした。当時はまだ外国人への偏見もあって、悔しい思いをすることもありました。
でも、あの時に「何があっても耐える」ということを体で覚えました。今の経営のベースにあるのは、間違いなくあの過酷な日々です。
- ― その後、独立されるまでにはどのようなステップがあったのですか?
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甲斐氏:前職である、中国越境ECのパイオニア企業で7年間ノウハウを積み、独立しました。
そこで物流からマーケティングまで、複数の部署を経験させてもらったのが大きかったです。
現場で汗をかきながら、どうすれば荷物が動くのか、誰を信頼すればいいのかというノウハウと人脈を蓄積していきました。それが今の私の財産になっています。
「自分の荷物」として向き合う──信頼を生む強さの源泉
- ― 経営の中で大切にされている考え方を教えてください。
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甲斐氏:私はいつも、社員にも「商品は自分の商品だと思え、船は自分の船だと思え」と言っています。
お客様の荷物を預かったとき、委託されたモノという意識ではなく、自分の商品だという意識で動く。船の手配も、自分の船だと思ってやる。その意識ひとつで、確認の仕方も判断のスピードも全部変わってきます。その熱量が、お客様にも伝わるんです。
- ― とはいえ、国際物流にトラブルはつきものですよね。
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甲斐氏:もちろんです。
トラブルは避けられない前提です。税関で止まったり、予期せぬ遅延が起きたり。でも、私にとってはそれらもすべて「想定内」です。
中国現地の物流ネットワークには長年かけて築いてきた強い人脈があるので、何かあればすぐに現地の担当者と直接交渉して解決に動きます。この「現場での解決力」だけは、どこにも負けない自信があります。
- ― 今は輸出がメインですが、今後の展望についても教えてください。
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甲斐氏:「中古品の買取販売」と、それを支える「自社倉庫」の運営を本格化させます。
日本の中古品は海外で非常に価値が高いんです。自分たちで直接買い取り、自社の倉庫で責任を持って検品・保管し、世界へ発送する。このインフラを自前で持つことで、外部の環境に左右されず、より強固な経営ができるようになります。
お客様にとっても、より安定的で顔の見えるサービスが提供できるようになりますから。
挑み続ける理由──未来への目標
- ― これほどまでに心血を注いで事業を続ける動機はどこにあるのでしょうか。
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甲斐氏:根底にあるのは、人と人、そして国と国を繋ぐ存在でありたいという想いです。
若い頃、異国の地で苦労した経験があるからこそ、国籍や文化の壁を越えて、お互いが信頼し合える関係を作っていきたいと思っています。私にとって輸出ビジネスは、単にモノを運ぶだけではなく、日本と世界の心の距離を縮めるための「架け橋」でもあります。
国境を超えて人が繋がる場所を作りたいという思いは、もう一つの夢にも関係しています。実はいつか埼玉県に「入場料の安い遊園地」を作りたいんです。
- ― 遊園地ですか!
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甲斐氏:はい。
今のレジャー施設はどこも高いじゃないですか。普通の家庭の子供たちが、お金の心配をせずに一日中思い切り遊べる場所を作りたい。ビジネスで得た利益を、そうやって社会に還元するのが私の目標なんです。
焦らず、耐え続けた先にあるチャンスを掴もう
- ― 最後に、起業を考えている読者へメッセージをお願いします。
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甲斐氏:日本には、チャンスが溢れています。これは実感としてそう思っています。
特に、私と同じように海外から日本へ来られた方には、これだけは伝えたい。ズルをせず、悪いことに手を染めず、目の前の苦しさに負けず、踏ん張りながらチャンスを探し続けてほしいです。
そして、これから新しいことに挑戦しようとしているすべての方へ。焦る必要はありません。地道に、コツコツと続けていれば、道は絶対に開けます。それが結局、一番の近道なんですから。
株式会社ミズキ
日本の「良いもの」を、誠実に世界へつなぐ
埼玉県戸田市を拠点に、日本の高品質な家電や雑貨を世界へ届ける総合商社。大手ECサイト等を通じ、仕入れから複雑な物流・通関手続きまで一括で引き受ける。「預かった荷物を自分の持ち物のように大切に扱う」誠実な姿勢が厚い信頼を集め、倉庫業や中古車事業など多角的に展開。