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PROFILE
株式会社Cantabile
代表取締役 戸田 洋祐
理学療法士の資格取得後、療育センターで子どものリハビリに携わる。その後、訪問看護事業を行う企業に入社し、医療保険を活用した訪問リハビリサービスに従事する中で、子どもに特化したサービスの必要性と、既存の高齢者向け訪問看護事業の枠組みでは対応しきれないニーズに気づき、2024年に株式会社Cantabile(カンタービレ)を設立。病気や障がいを持つ子どもたちの自宅を訪問し、看護師やリハビリ職による専門的かつ心温まるサービスを提供し、子どもの明るい未来と家族の幸福度向上を目指す小児特化型訪問看護事業(小児訪問看護ステーション ルバート)を展開する。
お話を伺ったのは、小児向け訪問看護サービスを展開する「株式会社Cantabile」代表取締役の戸田 洋祐さん。
高齢者向けのイメージの強い訪問看護業界に、あえて子どもに特化したサービスで新しい可能性をもたらそうと挑戦する戸田さんの軌跡を辿ります。
シニアイメージの強い訪問看護業界で、子どもに特化
- ― まず現在の事業内容と会社名の由来についてお聞かせください。
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戸田氏: 訪問看護事業として、医療保険を使った、子ども特化の訪問看護サービス(小児訪問看護ステーション ルバート)を行っています。病気や障がいを持つお子さんのお家に、看護師やリハビリ職種のスタッフが自宅に訪問し、必要なサービスを提供しています。
社名のCantabile(カンタービレ)は 音楽用語の「カンタービレ」に由来して「自由な表現をする」というような意味合いがあります。やっぱり子どもに関わる仕事なので、お子さんの明るい未来は縛られるよりは自由な感じの方がいいと考え、名づけました。
- ― どのような経緯で独立に至ったのでしょうか?
- 戸田氏: 私は理学療法士の資格取得後、子どものリハビリテーションに関わる仕事をしてきました。療育センターでの勤務を経て、その後は訪問看護の現場で経験を積んできました。訪問看護でリハビリテーションを提供する中でアプローチ方法や組織としての働き方に対し、『もっと良い形があるのではないか』という課題を強く感じるようになったのです。その答えを追求するために「自分でやるしかない」と決意し、2024年に事業を立ち上げました。
- ― 子どもに特化した訪問看護サービスというのは珍しいように思いますが、なぜ子どもに特化したサービスを?
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戸田氏:一般的な訪問看護は高齢者を対象としたサービスが大半を占めています。お子様向けのケアを行っている事業所も一部ありますが、その多くは高齢者向けのサービスが主軸であり、小児ケアを専門としているケースは非常に少ないのが実情です。
しかし、お子様の病気や障がいの多くは、短期間で完治するものではなく、日々の生活の中で長く付き合っていかなければならないものです。そのため、単なる「医療処置」だけがサービスの本質ではありません。むしろ、「家族がうまく付き合っていくためのお手伝い」としての役割が求められています。
こうした細かなニュアンスや雰囲気といったご要望は、一般的なサービスでは汲み取られにくいのが実情です。そのため、多くの親御さんから『やはり子どもに特化した専門のところにお願いしたい』とご連絡をいただき、弊社をお選びいただいています。Cantabile(小児訪問看護ステーション ルバート)では、確かな専門性でサービスの質をしっかりと担保しつつ、親御さんの気持ちにも寄り添った支援を大切にしています。この両立こそが、お客様から多くのお喜びの声をいただける、私たちの大きな強みです。
- ― 今後の事業ビジョンについても教えていただけますか?
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戸田氏: 現場で感じる需要に対し、私たちが理想とする水準のサービス供給は、まだまだ追いついていないと感じています。まずは自社を成長させ、その需要にしっかりと応えていきたいと考えています。
高齢者向けの訪問介護で規模を拡大している企業は多いですが、小児特化で成長している例はまだ多くありません。だからこそ、私たちは計画的に店舗展開を進め、ニーズのある地域に質の高いスタッフを揃えていきたい。また、お子様が通う保育園など、現在のメイン事業である訪問看護の周辺領域にも大きな需要を感じています。そうした周辺事業も含め、包括的に取り組んでいきたいですね。
資金繰りという定番の「事業の壁」にぶつかって
- ― 事業を進められる中で「乗り越えた壁」のような課題はありましたか?
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戸田氏: ありがたいことに事業は概ね順調に進んでいたのですが、正直なところ、当時はキャッシュフローが「どんぶり勘定」になってしまっている面がありました。
特に人を採用する際、想定以上のコストがかかることを初めて知り、慌ててしまった場面もありました。自分なりにネットで解決策を調べてみたものの、なかなか上手くいきません。周囲に相談できる相手もいなかったため、専門家を検索してSoLaboさんを見つけました。「無料相談をやっているなら」と、半ば勢いで相談させていただいたのですが、おかげさまでそこからはトントン拍子に問題が解決していきました。
- ― それは良かったです!経営者になって初めて「こんなに出ていくのか」と気づかされることは多いですよね。
- 戸田氏: 本当におっしゃる通りです。会社員時代は、たとえ役職に就いていても、本当の意味で『自分一人で決断しなければならないこと』は意外と少なかったんだと気づかされました。自分で事業を立ち上げた今は、あらゆる局面で決断を迫られます。正解がない問いに対して答えを出していく難しさだけでなく、決断のスピード感や、誤った際の迅速な軌道修正など、経営者として常に頭を使うようになりましたね。
家族みんなの「幸福度」を上げるために
- ― 事業を通じて、ご家族にどのような価値を届けたいですか。
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戸田氏: 私たちは、ご家族全員の幸福度を少しでも高めたいという願いから、お子様に特化した訪問看護サービス(小児訪問看護ステーション ルバート)を提供しています。
お子様の病気や障がいと向き合うことは、人生における大きな転換点であり、多くの親御さんが深い不安や葛藤に直面されています。そうしたご家庭を訪問し、心に寄り添いながら、少しでも前を向けるお手伝いができればと思っています。医療サービスの質は、国家資格を持つプロフェッショナルとして当然担保すべき土台です。その上で、お会いした皆様に『やはりこの人に来てもらえて良かった』と心から感じていただけたなら、嬉しいです。
現場のプレイヤーと経営者の「頭」は別物と割り切る
- ― では最後に、これから挑戦する経営者の方へのメッセージをお願いします。
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戸田氏: 以前勤めていた会社で管理者を任されていた際、非常に有能な社長から経営のイロハを徹底的に叩き込まれました。その教えのおかげで、当時の私は余計なプライドを捨てることができたのだと感じています。
独立される方は、もともとプレイヤーとして優秀だった方が多いと思いますが、私はその時の意識を一度捨てるべきだと考えています。どうしても過去の経験に頼りたくなりますが、経営と現場では脳の使い方が全く異なります。両立できる人は決して多くありません。であれば、思い切って経営側の思考へ振り切ることが重要だと気づきました。
また、日頃からビジネス系の本やYouTubeなどで学び、納得したことは即座に取り入れるよう研鑽を積んでいますが、実際の経営は決してスマートなものではありません。こうした泥臭く細かな作業の積み重ねこそが、経営の本質なのだと日々実感しています。
株式会社Cantabile
子どもと家族みんなの笑顔のために、寄り添う訪問看護を。
株式会社Cantabile(カンタービレ)は、医療保険を活用した小児特化型訪問看護事業です。病気や障がいを抱える子どもたちの自宅に看護師やリハビリ職のスタッフが訪問し、必要な医療ケアとリハビリテーションを提供します。
子どもの特性や親御さんの気持ちに深く寄り添い、単なる医療サービスの提供にとどまらず「付き合い方」を大切にし、病気や障がいを持つ子どもと家族がより自由に、より明るく生きていくようお手伝いします。