企業と専門家をつないで「100」を「101」へ——ペットビジネスを共に創る編集長

post date:

企業と専門家をつないで「100」を「101」へ——ペットビジネスを共に創る編集長

株式会社101代表取締役 小川 類

PROFILE

株式会社101

代表取締役 小川 類

10年間ラジオの企画・営業に従事した後、2005年に犬のフリーマガジンを発行する「株式会社ONE BRAND」を立ち上げ、ペット業界へ参入。2022年には「株式会社101」を創業し、約20年の業界経験と編集者としての視点、獣医師とのネットワークを活かし、「クリエイティブ制作」と「獣医師監修」の二本柱の事業と、業界向けメディア『Pet Biz Japan』の運営でペットビジネスの成長を支援する。

公式HP
office:
東京都世田谷区代沢5丁目19−12

tel: 050-3479-0559(平日9:30~19:00)

お話を伺ったのは、ペットビジネスに特化した事業支援会社を営む「株式会社101(ワンオーワン)」 代表取締役の小川類さん。

「ペットビジネスは幸せな産業。でも、愛情深い職人かたぎな方が多いからこそ、ビジネスとしての接続が難しい」と語る小川さんの、仕事観と挑戦の物語を辿ります。

ペットビジネスの「プラス1」の価値を共に創る

― まずは、株式会社101という社名の由来から教えてください。
小川氏: よく「101匹わんちゃんからですか?」と聞かれるんですが、実は違います(笑)。私たちのお客さまは、すでに良い商品やサービス、つまり「100」を持っている。

その価値を、企画や編集、クリエイティブの力で「101」にする。その“プラス1”を一緒に創る存在でありたい、という想いから「101」と名付けました。

― 素敵な由来ですね!具体的にはどのような事業を展開されているのでしょうか?
小川氏: 一言で言うと、「ペットビジネスを一緒に創る会社」です。 大きく分けて2つの柱を立てていて、 1つは、編集者としての経験を活かして、Web記事・カタログ・動画などの制作を行う「ワンオーワン・クリエイティブ」。もう1つが、企業の商品やサービスに、獣医師という信頼をつなぐ「獣医師監修ナビ」です。

ペット業界には現場で培われた専門性を重視する方が多く、企業側のビジネス視点との間で認識の違いが生まれることもあります。。私はその間に立ち、価値を翻訳する「ハブ」の役割を担えたらと思っています。

 

ペットに特化したWeb記事やパンフレット、動画などの制作を数多く手掛ける

メディアの力で動物への愛と「いいもの」の価値を届ける

― もともとはラジオ局にお勤めだったそうですが、ペット業界を意識された経緯は?
小川氏: はい。ニッポン放送で10年間、イベント部、営業部で企画や実施運営をしていました。その後、「自分のメディアを持ちたい」とニッポン放送の先輩と一緒に独立し、2005年に犬のフリーマガジン『ONE BRAND』を発行したことが、ペット業界の入り口でした。
― ペット業界に入られて、どんな気づきがありましたか?
小川氏: 動物へ本当に深い愛情を持って仕事をしている方が多いことに驚きました。その一方で「良い商品やサービスを作っているのにそれを伝えきれていない」場面に出会うことが多かった。作り手の「好き」や「想い」を飼い主さんに価値として届けたいと感じたんです。

私は専門家ではないからこそ「第三者の視点で価値を言語化できる」。その役割を担おうと思いました。

「ペット業界メディアの編集長」という積み重ねと転機

― 2022年に創業されましたが、順調なスタートでしたか?
小川氏: 初めは獣医師を含む3人でスタートして、お仕事をいただくこともでき、忙しい毎日を過ごしていましたが、2024年の夏前にその獣医師が退任。それまで獣医師の先生の存在に助けられ、仕事を獲得するいわゆる「営業活動」をあまりしていなかったために案件が一気に少なくなり、「この先どうすればいいんだろう」と途方に暮れていました。
― そこから、活動方針を変えたのでしょうか?
小川氏: はい。まずは動くしかない、と経営者交流会のようなものに参加しまくりました(笑)。

その中で「ペット業界に絞るからダメなんだ」と思い込み、「Webマーケティング会社です」と間口を広げたりもしました。でも結果はイマイチ。Webマーケティングを専門的にやっている会社は、世の中に山ほどある。

その大海原で「株式会社101です」と名乗っても絶対に勝てない。自社のサービスや強みはなんなのかをきちんと磨かなくてはいけないと突きつけられた感覚でした。

― そこからの転機は何だったのでしょうか?
小川氏: 交流会で出会ったある方に、「メディアを運営しているなんてすごいことだから、名刺の肩書きを編集長にしたら?」と言われたことで、ハッとしました。その日のうちに名刺に『Pet Biz Japan編集長』と追加し名乗ると反応が一変しました。

「ペット業界のメディアの編集長=ペット業界のプロ」と認識してもらえるようになり、具体的なご相談が増えたんです。「やっぱり業界を絞ってきた20年は無駄じゃなかった」と気づきました。

 

ビジネスに関わる人を潤す「渡せる人」でありたい

― 今、描いている未来像をお聞かせください。
小川氏: 私は、売上規模や人数を追いかけたいわけではありません。一言で言うと、「もらう人」ではなく「渡せる人」になりたい、と思っています。

いろいろなシーンで「会社の展望は」と聞かれてもうまく答えられず、社内で議論をしてみたり、自問自答していた時期、ふと娘に話したら「お母さんは、家族を旅行に連れて行ったり、可愛いものを見つけたら誰かにプレゼントしたり、そういうのが嬉しいんでしょ? それができるようになるのが、会社をやる理由なんじゃない?」と言われて、腑に落ちました。

仕事に真摯に向き合い、価値を出してくれる人には、その対価を正当に、そして気持ちよくお渡ししたい。
また、誰かが行き詰まっているときには、自分がこれまでに築いてきた人とのつながりを使って、次の一歩につながるきっかけを手渡せる存在でありたいと思っています。

そのためには、私自身と会社が常に健全な状態であることが欠かせません。自分や組織に余裕がなければ、周囲に価値を循環させることはできないからです。

「ペットと関係ない」と思う事業こそ、声をかけて欲しい

― 最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。
小川氏: ペットビジネスは専門領域と思われがちですが、人間用の製品ノウハウや製造ノウハウ、サービスなどをそのままペット業界に応用できる可能性があり、家電、不動産、観光業、交通機関など様々な分野でペットをターゲットにした新規事業が活性化しています。

ペット業界との関連性を見つける企画やアイデアをご提供することができますので、ペットの飼い主をターゲットとするビジネスに関心がある方はぜひお声がけください。

株式会社101

「つなげる・創る」で、あなたのペットビジネスの「100」ある価値を「101」に。

ペットビジネスに特化した事業支援会社。20年の業界経験と編集力を活かした「クリエイティブ制作」と、商品の信頼性を高める「獣医師監修ナビ」を軸に、企業と専門家の橋渡しを行う。「つなげる」と「創る」をビジョンに、異業種からの参入支援や自社メディア「Pet Biz Japan」の運営を通じ、ペットビジネスの成長をサポートをする。

公式HP
office:
東京都世田谷区代沢5丁目19−12

tel: 050-3479-0559(平日9:30~19:00)