補助金ガイド

事業再構築補助金の第10回公募要領を解説

2024/01/25

2022/10/6

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金への申請を検討している人の中には、公募要領の読み方が分からず悩んでいる人もいますよね。第10回公募の概要を知りたい人もいるでしょう。

当記事では、事業再構築補助金の第10回公募要領を解説します。最新の第10回公募の概要も解説しているので、公募要領の読み方を知りたい人は参考にしてみてください。

なお、当記事は第10回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに作成しています。

公募要領には事業再構築補助金の概要や必要書類などが記載されている

事業再構築補助金の公募要領には、補助金の概要や必要書類などが記載されています。事業再構築補助金では、利用条件や対象事業者の定義が細かく決められているため、申請の際は公募要領の読み込みが大切です。

【公募要領に記載のある項目】
①事業の目的
②補助対象者
③補助対象事業の類型および補助率等(申請枠ごとの補助金額や補助率等)
④補助対象事業者の要件(申請枠ごとの要件)
⑤事業のスキーム(事業再構築補助金の流れ)
⑥応募手続き等の概要
⑦補助対象経費
⑧事前着手手続き
⑨補助事業者の義務
⑩事業計画書作成における注意事項
⑪審査項目
⑫添付書類
⑬添付書類(ファイル名確認シート)

参考:第10回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、公募要領には、補助対象者の定義や申請枠ごとの支援目的、補助率などが記載されています。申請前に補助対象者や補助率を確認すると「自社が事業再構築補助金に申請できる対象か」「使用予定の経費金額が補助されるのか」などの確認を行えます。

また、補助金の利用条件だけでなく、申請時に必要な事業計画書の作成時の注意事項や審査項目まで記載があります。申請時は事業計画書に「事業内容」「経費内容」「金額」などの記載が必要です。審査で見られる書類のため、不備がないよう各項目を確認しましょう。

公募要領には、申請時の概要だけでなく、申請時の注意事項や必要書類も記載されています。事業再構築補助金へ申請予定の人は、まずは「公募要領」を読み「利用条件を満たしているか」「申請時に必要なものは何か」などの確認が必要です。

なお、事業再構築補助金の詳細は「事業再構築補助金とは?対象や要件など概要をわかりやすく解説」で解説しています。事業再構築補助金に申請予定の人は、参考にしてみてください。

補助対象事業の類型および補助率等では各申請枠の特徴が記載されている

補助対象事業の類型および補助率等の項目では、各申請枠の特徴を記載しています。事業再構築補助金では、支援する目的ごとに異なる申請枠が用意されており、事業者は自分の事業状況に合った申請枠を選びます。

たとえば、補助金を利用したい経費が決まっている場合、申請枠に利用したい経費が対象になっているかを確認します。また、もらいたい補助金額が決まっている場合、補助金額の下限と上限に加え補助率も確認をします。

申請枠ごとに支援目的や補助金額が異なります。また、補助対象事業者の要件も異なるため、申請枠を選んでいる人は申請枠ごとの要件もあわせて確認しましょう。申請要件の詳細は「事業再構築補助金の申請要件とは?」で解説しています。

事業のスキームには事業再構築補助金の手続きの流れが記載されている

事業のスキームには、事業再構築補助金の手続きの流れが記載しています。事業再構築補助金は、補助金を受け取るまでに1年以上かかる補助金です。申請後に審査があり、審査に通った「採択」された者のみが、然るべき手順を踏み補助金を受け取れます。

【第9回事業再構築補助金の申請締切から入金までの流れ】

参考:第9回事業再構築補助金「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、第9回公募までは、申請締切から採択結果発表まで1か月から2カ月程度かかっていました。交付申請から補助事業開始までも同様1か月から2カ月程度で、補助事業の開始から実績報告までは約1年以上かかることがあります。

補助金の入金は実績報告後の手続きが終わった後のため、申請締切から1年以上かかる可能性があります。事業再構築補助金の詳しいスケジュールが知りたい人は「事業再構築補助金のスケジュールは?申請や入金の時期も解説」を参考にしてみてください。

なお、第10回公募から採択結果発表後、採択者は事務局が実施する説明会の参加が必須です。「公募要領」によると「説明会の詳細は、事務局のHPを確認してください」との記載があるため、説明会の詳細は事業再構築補助金の「公式サイト」を確認しましょう。

応募手続き等の概要には公募期間や申請方法が記載されている

応募手続き等の概要には、公募期間や申請方法が記載されています。また、申請時の補足事項も書かれているため、申請する人は確認が必要な項目です。

たとえば、公募期間の記載がある箇所には「事業者は申請前に事務局が実施する説明会への参加が必要である」と記載があります。令和5年4月14日現在、説明会の詳細は公開されていませんが、詳細はHPに載るため申請希望者は公式サイトをこまめに確認しましょう。

応募手続き等の概要には、申請時の必要事項が記載されています。また、審査結果の通知や採択後の説明も記載があるため、応募手続き等の概要は、申請予定の人は事前に確認しておくことが望ましい項目です。

なお、事業再構築補助金では申請時、事業計画書を認定支援機関とともに作成する必要があります。認定支援機関は、金融機関や中小企業診断士など国に認められた支援機関です。事業計画書の作成時は必ず「公募要領」の事業計画書作成における注意事項を確認しましょう。

補助事業者の義務には採択後に行う手続きや注意事項が記載されている

補助事業者の義務には、採択後に行う手続きや注意事項が記載されています。採択後の交付申請時の注意事項や事業終了後の手続きなどの注意点が書かれているので、採択者は必ず確認しましょう。

たとえば、補助金の支払いは「補助事業者が事業完了後補助事業実績報告書を提出し、補助金額の確定後である」旨が補助事業者の義務に記載されています。事業再構築補助金では、補助金は後払いであり、一旦事業で支払った経費を自己負担する必要があるためです。

また「補助事業者の義務には、事業終了後5年間、計6回事業化状況報告を行い、事業に関する調査に協力する必要がある」旨の記載もあります。補助金の入金後も必要な手続きがあるため、申請の段階で補助金の入金後も手続きがあることに留意しておきましょう。

補助事業者の義務には採択後の手続きや注意事項が書かれており、申請時に採択後にどんな手続きが必要かを知ることで、事業再構築補助金がどのような補助金であるかの理解に繋がります。申請予定の人は、補助事業者の義務も読み込んでおきましょう。

第10回事業再構築補助金の概要

第10回事業再構築補助金は、コロナ後の社会変化や物価高騰などに対応するための事業再構築を目的としています。申請には、補助対象者の条件や申請枠ごとの要件を満たす必要があります。

【第10回事業再構築補助金の概要】
項目 概要
補助対象者 中小企業・中堅企業
申請要件 ・事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること(サプライチェーン強靭化枠は国内回帰のみ)
・認定支援機関と事業計画を策定する
・補助事業終了後に付加価値額の目標を達成する事業計画を策定する
※公募要領から申請要件一部抜粋
申請枠 ①成長枠②グリーン成長枠(エントリー・スタンダード)③卒業促進枠※④大規模賃金引上促進枠※⑤産業構造転換枠⑥サプライチェーン強靱化枠⑦最低賃金枠⑧物価高騰対策・回復再生応援枠
※成長枠またはグリーン成長枠との併用で申請可
補助金額 1,000 万円 ~ 5億円以内
※申請枠や従業員数によって補助金額が異なるため、一つの申請枠で最大値の額を記載
補助率 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3
※申請枠や従業員数によって補助金額が異なるため、補助金額の条件に合わせて記載
補助対象経費 ①建物費②機械装置・システム構築費③技術導入費④専門家経費⑤運搬費⑥クラウドサービス利用費⑦外注費⑧知的財産権等関連経費⑨広告宣伝費・販売促進費⑩研修費⑪廃業費(⑪は産業構造転換枠のみ)
※サプライチェーン強靭化枠は建物費、機械装置・システム構築費のみ
スケジュール 応募可能日:通年3回予定(サプライチェーン強靭化枠は1~2回予定)

参考:第10回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、申請枠は全部で8つあり、それぞれ要件や補助率などの利用条件が異なります。また、申請時に提出する加点項目や必要書類も申請枠ごとに異なります。「公募要領」の審査項目や添付書類に記載があるため、申請準備の際は「公募要領」を確認しましょう。

申請枠を選んでから申請する際は、要件や補助対象経費だけでなく、必要書類や加点項目なども確認しましょう。申請枠ごとの要件について詳細を知りたい人は「事業再構築補助金の申請要件とは?」を参考にしてみてください。

第10回事業再構築補助金の公募要領は2つある

第10回事業再構築補助金の公募要領は、過去の公募回と異なり2つ存在します。第10回公募は過去の公募回から内容が大きく変更され、サプライチェーン強靭化枠のみ対象経費が異なり公募要領が別になっているためです。

【第9回からの主な変更項目】
事業の目的 ・コロナで打撃を受けた事業の再構築から、コロナ後の社会変化や物価高騰などに対応するための事業再構築へ変更
申請枠 ・6つから8つに増加
・枠の内容も一新
(申請枠ごとの要件および補助対象経費も変更)
説明会への参加必須など

・採択後、事務局が実施する説明会への参加が必須(採択後は説明会に参加しないと交付申請できない)
・申請前の説明会参加は任意

参考:第10回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、サプライチェーン強靭化枠は「建物費」と「機械装置・システム構築費」のみが補助対象経費です。対して、他の申請枠の補助対象経費は10種類または11種類です。

また、審査の加点項目や、申請枠が一新されたことにより申請枠ごとに準備する必要書類も変更されています。

過去の公募回に申請したことのある人は、第10回公募は内容が大きく変わっていることに留意して申請準備をしましょう。また、サプライチェーン強靭化枠に申請予定の人は、他の申請枠とは別の「【サプライチェーン強靱化枠】公募要領」を確認してください。

なお「公募要領」は、随時改訂や変更されることがあります。改定や変更があった場合は、事業再構築補助金公式サイトの「新着情報」に情報が公開されます。申請予定の人は、こまめに公式サイトの「新着情報」を確認しておきましょう。

この記事のまとめ

事業再構築補助金の公募要領には、公募の概要や必要書類などが記載され利用条件や対象事業者の定義が細かく決められているので、申請時は公募要領を読み込む必要があります。

第10回公募は、コロナ後の社会変化や物価高騰などに対応する事業再構築を目的としており、過去の公募回から内容が大きく変更されています。また、サプライチェーン強靭化枠のみ別の公募要領であるため「【サプライチェーン強靱化枠】公募要領」を確認しましょう。

事業再構築補助金には
認定支援機関のサポートが必須です!

「2022年の採択件数No.1」の認定支援機関ソラボが補助金申請をサポートします。

事業再構築補助金でいくら補助金が受けられそうか気になる方は、
以下の無料診断よりお問い合わせください。

無料診断してみる

share!!