事業再構築補助金のローカルベンチマークとは?
2024/05/14
2021/7/15
事業再構築補助金について調べていると、必要書類の中に「ローカルベンチマーク」という言葉が出てきて、戸惑った方も多いのではないでしょうか。
ローカルベンチマークは中小企業庁の提供する事業者向けのサイト「ミラサポplus」から行える経営診断ツールです。中小企業庁ではローカルベンチマークを経営に役立てることを期待しており、事業再構築補助金においても利用する場面があります。
今回の記事では、事業者が事業再構築補助金においてローカルベンチマークをどのように扱えばいいのかについてお伝えします。
事業再構築補助金のローカルベンチマークとは?
ローカルベンチマークは通称ロカベンとも言われる「経営診断の評価指標」であり、わたしたち人間の健康状態に例えると健康診断の結果のようなものです。入力フォームに沿って企業の情報を入力することにより、企業の経営状況をローカルベンチマーク・シートとしてデータ化することができます。
【ローカルベンチマーク・シート】
ローカルベンチマークの事業財務情報は、1枚の紙(データ)にレーダーチャート型のグラフが記載されており、6つの指標に対する評価が線で示されています。そのため、ローカルベンチマークを見る人はその事業者の経営状態のどこがプラスでどこがマイナスなのかを一目で把握できます。
ローカルベンチマーク・シートに記載される6つの指標は以下の通りです。
【6つの指標】
- 売上高増加率(売上持続性)
- 営業利益率(収益性)
- 労働生産性(生産性)
- EBITDA有利子負債倍率(健全性)
- 営業運転資本回転期間(効率性)
- 自己資本比率(安全性)
ローカルベンチマークの経営診断により、事業者は自社の経営状況を客観的に見ることができます。企業の強みを知ることや経営課題を把握することにつながるため、経営判断の手段のひとつとしてローカルベンチマークを活用してみてください。
なお、「ベンチマーク」とは本来、コンピュータや測量の世界での水準を表すものとして使われています。国内事業向けの経営判断としてのローカルベンチマークは、2017年ごろから経済産業省が推奨しています。
事業再構築補助金の申請ではローカルベンチマークの事業財務情報を提出する
ローカルベンチマークでは財務面と非税務面の両方から企業の経営課題診断できますが、事業再構築補助金の申請において必要となるのは企業の財務面に関する情報をを記入した「事業財務情報」です。WEB上のフォームに沿って、事業者の情報を入力していきます。
【事業財務情報への入力項目の具体例】(※一部抜粋)
- 事業期間
- 期末従業員数
- 流動資産
- 固定資産
- 貸付金
- 流動負債
- 固定負債
- 資本金
- 売上
- 人件費
作成した事業財務情報は、PDF出力した上で申請時に提出をしてください。
なお、事業再構築補助金の申請者向けの操作マニュアルとして「事業情報(事業財務情報等)入力マニュアル」が公開されています。実際の操作画面も見ることができるため、ローカルベンチマークの事業財務情報の作成方法を知りたい人は参考にしてみてください。
書類作成にはミラサポplusの会員登録が必要
事業再構築補助金では、ミラサポplusという中小企業庁が運営する事業者向けの補助金情報サイトを使い、「事業財務情報」を提出しなければいけません。ミラサポplusを利用するにはメールアドレスとパスワードによる会員登録を行い、GビズIDと紐づけてからログインをします。
なお、ミラサポplusの公式サイト「使い方ガイド」ではGビズIDやミラサポplusの使い方などがまとめられてます。会員登録の方法やローカルベンチマークの利用に関する疑問がある人は、まずは使い方ガイドを参考に
この記事のまとめ
・ローカルベンチマークとは、経済産業省が提供するミラサポplusにおいて実施できる経営診断ツールです。フォームに沿って企業の情報を入力することにより、事業の状況をデータ化した「ローカルベンチマーク・シート」としてみることができます。
・事業再構築補助金では、申請者はローカルベンチマークの「事業財務情報」を提出する必要があります。必要事項を入力後に、PDF出力したものを申請時に提出しましょう。
・なお、ローカルベンチマークの利用にはミラサポplusおよびGビズIDプライムへの登録が必要です。