事業再構築補助金における認定支援機関の報酬の相場を解説
2024/05/08
2022/2/3
事業再構築補助金において認定支援機関を探す際、報酬の相場を知りたい人もいますよね。また、認定支援機関の報酬体系を知りたい人もいるでしょう。
事業再構築補助金に申請する場合、要件のひとつに「認定支援機関とともに事業計画書を作成する」とあるため、認定支援機関と事業計画を策定することが必須です。
当記事では、事業再構築補助金における認定支援機関の報酬の相場を解説します。報酬体系も解説するので、報酬の相場を知りたい人は参考にしてみてください。
認定支援機関の報酬は着手金や成功報酬で分かれている場合がある
事業再構築補助金における認定支援機関の報酬は、着手金や成功報酬で分かれている場合があります。報酬体系は認定支援機関によって異なるため、認定支援機関を選ぶ際は、報酬体系や報酬金額などを確認することが求められます。
報酬体系 | 相場 |
無料 | – |
着手金のみ | 10万円~20万円 |
成功報酬のみ | 補助額の10%~20% |
着手金+成功報酬 | 着手金:10万円~15万円 成功報酬:補助額の10%~ |
着手金:事業計画書作成サポートなら事業計画書作成にかかる費用 成功報酬:サポート範囲が採択までの場合、採択された時に支払う費用 |
たとえば、無料でサポートを請け負ってくれるのは、主に商工会や商工会議所です。商工会や商工会議所が、認定支援機関であれば確認書の提出はしてくれますが、その他の書類は事業者自身で全て準備する必要があります。
また、事業再構築補助金は、補助金を受け取るまで1年以上かかり、補助金を受け取る前後実績報告や事業化状況報告などの手続きが発生します。年単位で継続してサポートしてもらう場合の相場は、相談先にもよりますが顧問料の相場は20万円/年です。
認定支援機関の報酬体系は、認定支援機関によってさまざまです。事業再構築補助金における認定支援機関の報酬の状況が知りたい人は「事業再構築補助金(第1回~第11回公募)認定経営革新等支援機関の報酬」を参考にしてみてください。
認定支援機関を選ぶ前に選択基準となる軸を決めておく
事業者は、認定支援機関を選ぶ前に選択基準となる軸を決めておきましょう。認定支援機関の選定には、自社の事業状況に合ったサポート内容を受ける必要があるためです。
認定支援機関の種類 | 詳細 | 選択基準 |
1.税理士 |
経営者の日々のお悩み相談役として、記帳代行や税務相談などを行う |
・報酬
・サポート内容 ・専門(得意)分野 ・採択実績 ・採択率 など |
2.公認会計士 | 上場のため財務諸表監査、税務、経営相談などを行う | |
3.中小企業診断士 | 中小企業の経営診断や助言を主に行う | |
4.コンサルタント | 元経営者などの立場で経営者の相談を受ける | |
5.税理士法人 | 税理士事務所など | |
6.民間コンサルティング会社 | コンサルタントが経営する事務所など | |
7.金融機関 | 都市銀行・地方銀行などの銀行、街の信用金庫など | |
8.商工会議所 | 中小企業を含めた事業者の国際的な事業の発展のための組織 | |
9.商工会 | 小規模事業者の発展のための組織 |
たとえば、交付申請の手続きをサポートしてほしい場合、採択以降もサポートしている認定支援機関を選びます。補助金の利用に合わせて融資も検討している場合は、認定支援機関の中でも融資のサポートができる相談先を選ぶことになります。
その他にも、これまでの事業再構築補助金の採択実績や採択率などを基準に選ぶこともできます。認定支援機関の選び方や役割を詳しく知りたい人は「事業再構築補助金における認定支援機関とは?選び方や役割を解説」を参考にしてみてください。
なお、当記事を運営する株式会社SoLabo(ソラボ)も補助金申請のサポートを行っている認定支援機関です。補助金に関する様々な相談を受け付けているため、申請サポートを検討している人は無料診断からお問い合わせください。
無料診断認定支援機関のサポート範囲を確認する
認定支援機関を選ぶ時には、まず認定支援機関のサポート範囲を確認する必要があります。なぜなら、認定支援機関のサポート範囲は「申請サポート」「実績報告書の作成サポート」など、各認定支援機関でサポートしている手続き範囲が異なるためです。
申請前から補助金の入金後までの流れ | 事業者側の手続き例 | 認定支援機関のサポート内容例 |
申請 |
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審査 |
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― |
採択後 |
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補助事業実施後 |
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補助金の入金後 |
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たとえば、サポート内容が「申請相談と事業計画書の作成サポートのみ」、報酬体系が「着手金10万円+成功報酬10%」の認定支援機関があるとします。この時、認定支援機関がサポートする手続きは、申請時の審査で「補助金交付候補者として採択されるまで」です。
その際、着手金10万円は申請相談のサポート前に支払い、成功報酬は「補助金交付候補者として採択された後」の支払いとなります。「成功報酬10%」であるため、補助金額が500万円の場合、認定支援機関に成功報酬として支払う金額は50万円です。
事業再構築補助金における認定支援機関は、サポート範囲が異なります。認定支援機関によっては、採択後のサポートには対応していない場合もあるため、交付申請や実績報告などのサポートを受けたい人は、採択後もサポートしている認定支援機関を探しましょう。
事業再構築補助金における認定支援機関は申請の代行はできない
事業再構築補助金における認定支援機関は、申請の代行はできません。事業再構築補助金の公募要領に「外部機関が事業計画の作成自体を行うことは認められていない」旨が明記されているためです。
事業再構築補助金では、認定支援機関が行う業務はサポートのみで、申請の相談や申請手続きのサポート、確認書の発行などの役割があります。「事業再構築補助金の申請代行をします」と謳う代行業者もありますが、事業者に代わっての補助金の申請代行はできません。
また「申請代行業者」と名乗る業者には、認定支援機関ではない業者が存在します。認定支援機関であれば、申請サポートに加えて確認書の発行もまとめて依頼できるため、申請サポートを探す際は認定支援機関へ依頼することが望ましいです。
事業再構築補助金では、事業者の代理で申請代行業者が申請することは認められていません。アドバイスを受けることは可能ですが、事業計画書は必ず事業者自身で作成しましょう。
なお、事業計画書の作成の仕方を詳しく知りたい人は「事業再構築補助金の事業計画書の書き方と記入例を解説」を確認してみてください。
採択後は補助対象経費の支払いの準備も必要
事業再構築補助金は、金融機関や税理士に支払う報酬だけでなく補助対象経費の支払いの準備もしておきましょう。事業再構築補助金において補助金は後払いであるため、経費の全額に相当する自己資金の用意が必要となります。
【事業再構築補助金における全体の流れ】
参考:第12回事業再構築補助金「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成
最初に補助対象経費を支払うだけの資金力のない事業者の場合「まずは融資などで資金調達をしてから補助金に申し込む」という方法もあります。補助金は、補助事業後に実績報告や精算払請求などの手続きを経て振込まれるため、事前に資金の用意が必要です。
事業再構築補助金では、申請者によって差はあるものの申請締切から補助金の振込まではおおむね1年以上かかります。事業再構築補助金に申請予定の人は、補助金が後払いであることに留意した資金繰りを行いましょう。
なお、第10回公募以降、採択後に事務局実施の説明会の参加が必須となりました。採択後は説明会に参加し、すみやかに事業を行えるよう前もって準備をしておいてください。
この記事のまとめ
事業再構築補助金における認定支援機関の報酬は着手金や成功報酬で分かれている場合があります。また、無料でサポートしている機関や年次サポートを行っている機関もあります。認定支援機関を選ぶ際は、自身の事業状況に合った報酬体系かどうかを確認しましょう。
事業再構築補助金に申請する事業者は、事業状況に合ったサポート内容を受けるため、認定支援機関を選ぶ前に選択基準となる軸を決めておきましょう。また、サポートの範囲も認定支援機関によって異なるため、どの手続きまでサポートしているか確認が必要です。
事業再構築補助金において補助金は後払いであるため、金融機関や税理士に支払う報酬だけでなく補助対象経費の支払いの準備も必要です。事業再構築補助金は補助金を受け取るまでにおおむね1年以上かかるため、資金に余裕をもって申請しましょう。