小規模事業者持続化補助金申請から補助金交付までの流れを解説
2024/04/08
2021/8/12
小規模事業者持続化補助金の申請を検討する人の中には、手続きや書類の準備をどのように進めていけば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。小規模事業者持続化補助金を受けるまでには、申請から採択、補助事業の実施後に補助金交付という手順で流れが進んでいきます。
当記事では、小規模事業者持続化補助金の申請から補助金が受け取れるまでの流れをご紹介します。これから申請を検討している人は参考にしてみてください。
なお、当記事は小規模事業者持続化補助金の第15回公募要領を参考に作成しています。
Contents
小規模事業者持続化補助金の申請から交付までの流れ
小規模事業者持続化補助金の申請を検討している人は、申請から交付までの流れを把握しておきましょう。補助金は、申請すれば受けられるものではありません。交付を受けるためには、補助金事務局の審査を通過する必要があるためです。
【小規模事業者持続化補助金の申請から交付までの流れ】
はじめに、申請者は「補助事業計画書」や「経営計画書」などの書類を作成し、他の必要書類もすべて揃えて提出し、採択審査に臨みます。
次に、採択された申請者(=採択者)は、計画書に記載した内容の補助事業をまずは自己資金で行うことになります。補助事業実施後に、かかった経費を事務局に請求し、補助金の交付(口座への入金)を受けるという流れで進むことになります。
小規模事業者持続化補助金を申請する際は、申請から交付までの流れを把握し、まずは採択審査に向けた必要書類の準備を始めましょう。なお、申請準備から補助金の交付までには約1年の期間が想定されます。資金調達方法としては時間がかかる点を留意しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金の申請は商工会の支援を受けながら進める
小規模事業者持続化補助金を申請する際は、地域の商工会または商工会議所の支援を受けながら進めることになります。小規模事業者持続化補助金の申請書類は、地域の商工会や商工会議所を通して準備する必要があるためです。
【小規模事業者持続化補助金の申請手順の一例】
① 電子申請の際に必要なGビズIDプライムアカウントの申請・取得 ② 「経営計画書兼補助事業計画書」と「補助事業計画書」を作成 ③ 作成した書類の写しを商工会または商工会議所に提出し、「事業支援計画書」の作成を依頼する ④ その他の書類(小規模事業者持続化補助金事業にかかる申請書、補助金交付申請書、宣誓・同意書、 その他申請枠や申請条件によって必要な書類)を記入 ⑤ 後日作成の終わった事業支援計画書を受け取り、②④の書類と共に提出する |
たとえば、提出書類の1つである「事業支援計画書」は、商工会または商工会議所に作成を依頼する書類です。「申請者が「経営計画書」や「補助事業計画書」を作成し、商工会へ提出した際に「事業支援計画書」の作成を依頼するという手順です。
また、「経営計画書」や「補助事業計画書」は、補助金の採択審査において観点となる書類であり、明確で説得力のある内容を作成する必要があります。申請者が書類の作成に慣れていない場合は、地域の商工会に相談もできるため、支援を受けてみましょう。
なお、「事業支援計画書」は、依頼してから発行までに約1週間かかります。提出期限の前に慌てることのないように早めに準備しておきましょう
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な提出書類を準備する
提出書類には、全ての申請者が提出する必須書類と、申請枠によって追加で提出が必要になる書類や、加点申請する際に必要になる書類があります。
【提出が必須となる書類】
- 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書
- 経営計画書兼補助事業計画書
- 補助事業計画書
- 事業支援計画書
- 補助金交付申請書
- 宣誓・同意書
なお、小規模事業者持続化補助金の提出書類は、個人事業主や法人によって異なるものがあります。提出書類の詳細については「小規模事業者持続化補助金の必要書類を解説」を確認してみてください。
申請はJグランツからの電子申請もしくは郵送のいずれかで行う
Jグランツとは、デジタル庁が運営する補助金の電子申請システムです。小規模事業者持続化補助金の申請方法は、郵送申請と電子申請の2つの申請方法を選べますが、現在は電子申請を推奨する傾向にあります。
申請方法 |
変更内容 |
電子申請 |
「電子申請加点」の加点項目が終了 |
郵送 |
郵送での申請は減点対象となる |
たとえば、第11回公募回までの内容では、電子申請することで加点の対象となっていましたが、第12回以降は電子申請加点の項目がなくなりました。また、郵送での申請に対しては、減点対象になるとの内容に改訂されています。
小規模事業者持続化補助金の申請は郵送でも可能ですが、現在は電子申請を推奨する傾向にあります。採択審査が不利にならぬよう、できる限り郵送ではなく電子申請で行うようにしましょう。
補助金の申請前にGビズIDプライムアカウントを取得しておく
小規模事業者持続化補助金の申請を決めたら、GビスIDプライムアカウントを取得しておきましょう。GビスIDプライムアカウントは、補助金の電子申請の際に必要であるためです。
GビズIDプライムアカウントは、「gBizID」からアカウント作成が可能です。gBizIDで作成した申請書と、発行日より3ヶ月以内の印鑑証明書の原本を郵送し、アカウント申請を行います。
GビズIDプライムアカウントは原則では申請後2週間以内に発行されます。しかし、書類に不備がある場合や申込が多い時期などはアカウントが発行されるまでに3~4週間程度かかることがあります。そのため、なるべく早めにGビズIDプライムアカウントを取得しておきましょう。
採択後から補助金交付までの流れ
採択されてから補助金が交付されるまでの流れは、事業計画書に沿った補助事業に取り組み、補助事業終了後の報告書や請求書の作成、提出となります。
採択結果発表・交付決定 |
小規模事業者持続化補助金の採択審査に通り、交付決定された後は約7か月間の補助事業を実施します。補助事業実施後は実績報告書を作成し、提出します。その後、事務局側の審査と補助金額の決定を経て、補助金の交付となります。
その際、補助事業実施期間内に実施できなかった事業は補助対象経費とみなされず、補助金の交付が受けられなくなるため、注意が必要です。また、実績報告書は、補助事業終了日から30日を経過した日、もしくは最終提出期限日のいずれか早い方が提出期限となります。
小規模事業者持続化補助金の採択後は、補助事業の実施と、報告書や請求書の提出という流れで進めます。また、補助金交付をスムーズにするために、実績報告書の確認をおこなっておきましょう。
実施報告書の作成に関する詳細は「小規模事業者持続化補助金の実績報告書を作成する手順と書き方を解説」を参考にしてみてください。
補助事業内容を変更する場合は別途申請書の提出などが必要になる
補助事業実施期間中に計画内容の変更や、やむを得ず事業を中止しなければならない場合は、申請書を提出し、承認を得る必要があります。その際、電子申請を行った場合は、Jグランツから変更し、郵送で申請を行った場合は郵送で変更手続きを行います。
補助事業の内容や経費配分等の変更:変更承認申請書 補助事業の中止もしくは廃止:中止(廃止)申請書 |
なお、自然災害など避けることが難しい理由によって、実施期間内に補助事業の内容を完了させることが出来ない場合には、事故報告書という書類の提出で実施期間の延長を依頼することも可能です。
補助事業実施期間中に計画内容の変更や事業を中止しなければならない場合は、決められた申請書を提出し、承認を得る必要があります。変更申請の詳細は、「小規模事業者持続化補助金を変更申請する方法は?」を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金の申請から交付までには、決められた書類の作成や提出、採択審査、採択後の補助事業実施などの流れがあります。申請する際はまず、地域の商工会や商工会議所の支援を受けながら「経営計画書」や「補助事業計画書」を作成します。
次に、作成した書類と、自分の申請枠や加点の申請により提出が求められる書類をすべて揃え、提出期限までに郵送か電子申請での申請を行います。その際、郵送での申請は減点の対象となっており、審査が不利になる可能性があるため、できる限り電子申請で進めましょう。
採択後は補助事業を実施し、実績報告書を作成、提出します。提出された書類は補助金事業部によって審査され、不備がなければ補助金の給付となり、決定された補助金額が申請者の口座に入金されます。申請から交付までには約1年かかることを留意しておきましょう。