補助金ガイド

IT導入補助金はいつ入金される?交付されない場合についても解説

2024/08/29

2023/7/25

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

IT導入補助金を利用すると、ITツールの導入費用に対して補助金が受け取れますよね。その際「補助金はいつ受け取れるのか」を知りたい人もいるでしょう。

当記事では、IT導入補助金がいつのタイミングで入金されるのかを解説しています。補助金が交付されない場合や入金後に補助金の返還になる場合についても紹介しているため、IT導入補助金を利用する人は参考にしてみてください。

なお、この記事はIT導入補助金の公式サイト「公募要領」「事業実施・実績報告の手引き」を元に作成しています。

補助金確定内容に承認した約1か月後に入金される

IT導入補助金では、補助金確定内容に承認し補助金額が確定した約1か月後に入金されます。IT導入補助金の実績報告の手引きに「補助金額の確定後約1か月程度で補助金が交付されます」と明記されているからです。

【交付申請から入金までの流れ】
流れ 実施者
①交付申請
申請者・IT導入支援事業者
②審査
補助金事務局
③採択・交付決定
④ITツールの導入
申請者・IT導入支援事業者
⑤事業実績報告
⑥確定検査 補助金事務局
⑦補助金確定内容の承認 申請者
⑧入金・交付 補助金事務局

※IT導入補助金の公式サイト「事業実施・実績報告の手引き」をもとに株式会社ソラボが作成

IT導入補助金が入金されるのは、交付申請やITツールの導入、事業実績報告を行った後です。事業実績報告の確定検査では、事務局がITツールの導入が適切に行われたかを確認し、申請者が確定検査の結果に承認することで補助金が入金されます。

IT導入補助金を入金してもらうには、事務局による「交付申請の審査」と「事業実績報告の確定検査」を通過する必要があります。IT導入補助金は、交付申請をした人が必ず受け取れる補助金ではないため、手続きを進める際は不備がないように注意しましょう。

なお、IT導入補助金の交付申請の審査に通らなかった人は無料診断をお試しください。IT導入支援事業者として事業者を支援するソラボが、貴社の申請内容から不採択となる要因や再申請のための対策を診断いたします。

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事業スケジュールから入金時期を予測する

申請する枠の事業スケジュールから入金時期を予測しましょう。事業スケジュールは、交付決定日や事業実施報告期間などの記載があるため、確認することで入金時期の予測に使えるからです。

【IT導入補助金2024の事業スケジュール】

項目 交付申請の締切日 交付決定日 事業実績報告期限
通常枠
1次 2024年3月15日 2024年4月24日 2024年10月31日
2次 2024年4月15日 2024年5月27日 2024年11月29日
3次 2024年5月20日 2024年6月26日 2024年11月29日
セキュリティ対策推進枠
1次 2024年3月15日 2024年4月24日 2024年10月31日
2次 2024年4月15日 2024年5月27日 2024年11月29日
3次 2024年5月20日 2024年6月26日 2024年11月29日
インボイス枠(インボイス対応類型)
1次 2024年3月15日 2024年4月24日 2024年10月31日
2次 2024年3月29日 2024年5月8日 2024年10月31日
3次 2024年4月15日 2024年5月27日 2024年11月29日
4次 2024年4月30日 2024年6月6日 2024年11月29日
5次 2024年5月20日 2024年6月26日 2024年11月29日
インボイス枠(電子取引類型)
1次 2024年3月15日 2024年4月24日 2024年10月31日
2次 2024年4月15日 2024年5月27日 2024年11月29日
3次 2024年5月20日 2024年6月26日 2024年11月29日

※IT導入補助金2024公式サイト「事業スケジュール」をもとに株式会社ソラボが作成

たとえば、通常枠の3次締切で交付申請をすると、交付決定日が2024年6月26日です。交付決定日から数えて、ITツールの導入に1か月、確定検査に1か月かかった場合、補助金確定内容の承認にも約1か月かかるため、入金時期の予測は11月の下旬となります。

なお、事業実績報告の「確定検査」にかかる期間についての記載は、IT導入補助金の公式サイトに一切ありません。確定検査に1か月程度かかったとの口コミもありますが、事務局の状況によるため、確定検査にどれくらいかかるのか知りたい人は、事務局に問い合わせてみると良いでしょう。

IT導入補助金の入金時期は、公式サイトにも明確に記載されていません。おおよその入金時期を知りたい場合は、交付決定日から数えて「ITツールの導入にかかる期間」「確定検査の期間」「補助金確定内容の承認〜入金(約1か月)」を考えることで、予測が立てられるでしょう。

ITツールの導入費用は申請者が全額を先払いする

ITツールの導入の際にかかる費用は、申請者が補助金を受け取る前に全額を先払いする必要があります。補助金の交付を受けるには、交付申請の内容通りにITツールを導入したことを補助金事務局に報告する必要があるからです。

【支払いと入金の流れの一例】

<通常枠で100万円のITツールを導入した場合>
①ITツール導入時
申請者が導入費用の全額100万円を、IT導入支援事業者に支払う


②事業実績報告
ITツールの導入が終えたことをIT導入補助金事務局に報告する


③補助金の入金
IT導入補助金事務局から補助額の50万円が、申請者の口座に振り込まれる
(導入費用100万円×補助率1/2=補助額50万円)

たとえば、IT導入補助金を利用して100万円のITツールを導入する場合は、申請者が補助金を受け取る前に導入費用100万円の支払いが必要です。ITツールの導入が完了した事をIT導入補助金事務局に報告した後に補助金の50万円が受け取れます。

ITツール導入の際は、申請者が導入費用の全額を先に支払い、ITツールが問題なく導入されたら補助金が入金されます。そのため、申請者はITツールの導入にかかる費用の全額をITツールの導入開始までに準備しておきましょう。

なお、ITツール導入費用の消費税は、IT導入補助金の対象外です。そのため、入金される補助額を計算する際は、ITツール導入費用の消費税の10%を含めずに計算しましょう。

採択されても補助金が交付されないことがある

交付申請で採択されても補助金が交付されない場合もあります。補助金の交付は、採択後にある事業実績報告の確定検査を通過する必要があるからです。

【確定検査を通過できない一例】

・ITツールの導入が交付決定前から行われていた場合
・交付申請の内容と異なるITツールを導入していた場合
・ITツール導入の際「契約・発注」よりも先に「納品」「請求・支払い」を行っていた場合
・ITツールの支払いに関する証憑を提出できない場合
・ITツールの支払いにクーポンやポイントを利用していた場合
・ITツールの購入の際、ITツールの費用と支払いの額が一致しない場合
・事業実績報告期間中に事業実績報告を行わなかった場合

たとえば、IT導入補助金事務局が行う確定検査で、交付決定前からITツールの導入をしていることが判明した場合、補助金は交付されません。また、事業実績報告を忘れて事業実績報告期間中の報告がなかった場合も補助金が交付されなくなるため、忘れないように注意しましょう。

IT導入補助金が交付されるには「事業実績報告」でITツールの導入が適正に行われている必要があります。採択された人でも、ITツールの導入で、補助金が受け取れない可能性があるため、ITツール導入の際は「事業実績の手引き」を確認してみてください。

入金後であっても補助金が返還になる場合がある

IT導入補助金が入金された後でも補助金が返還になる場合があります。ITツールを導入した効果を報告する事業実施効果報告で目標の未達成や途中辞退があった場合に、補助金の一部または全額の返還が必要だからです。

【補助金が返還になる一例】
項目 概要
賃上げ目標の未達成
(補助金150万円以上を申請する場合:必須項目)
・給与支給総額を年率1.5%増加
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上
効果報告前の辞退
・ITツールの全て又は一部を解約した場合
・ITツールを利用しなくなった場合
・事業を廃止した場合
・事業を後継者に引き継いだ場合
・会社が廃業した場合
・会社の吸収や合併により補助事業を取りやめになった場合
・ITツールの譲渡や交換、破棄をした場合
・ITツールを別の用途で利用した場合

たとえば、賃上げ目標の未達成の場合に補助金の返還が必要なのは、IT導入補助金2024では通常枠で補助金額を150万円以上申請する事業者です。また、IT導入補助金の辞退は、会社の廃業以外にITツールの一部を利用しなくなった場合も含まれ、補助金の返還が必要になります。

IT導入補助金では入金された後でも、事業実施効果報告の完了までに辞退や賃上げ目標が未達になると補助金を返還しなければいけません。事業実施効果報告のタイミングが知りたい人は「IT導入補助金の効果報告はしないといけない?年度別に報告の期間も解説」を参考にしてみてください。

なお、通常枠で補助金額を150万円未満申請した場合でも、加点項目として賃上げ目標を事業計画に記載した事業者は、賃上げ目標の未達成の場合に補助金の返還が必要となります。

この記事のまとめ

IT導入補助金が入金されるのは、交付申請やITツールの導入、事業実績報告後の、補助金確定内容に承認した約1か月後です。ITツール導入時は、まだ補助金が交付されていないため、導入費用の全額を申請者が負担しなければいけません。

IT導入補助金は、必ずもらえる補助金ではなく、事務局の「交付申請の審査」と「事業実績報告の確定検査」を通過することで受け取れます。採択された人や入金された人であっても、IT導入補助金の規定に反した時は、補助金が受け取れないことを留意しておきましょう。

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