IT導入補助金ではどのようなLINEのITツールが対象?探し方や補助額も解説
2024/04/04
2023/6/15
LINEのITツールを導入したい人の中には、IT導入補助金を利用して導入費用を抑えたい人もいますよね。その際、どのようなLINEのITツールが対象なのか知りたい人もいるでしょう。
当記事では、IT導入補助金で対象のLINEのITツールについて解説します。LINEのITツールの探し方や補助額も紹介しているため、IT導入補助金を利用してLINEのITツールの導入を考えている人は参考にしてみてください。
なお、当記事はIT導入補助金2024の「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」の公募要領を元に作成しています。
目次
IT導入補助金ではLINEに連携できるソフトウェアが対象
IT導入補助はITツールの導入に利用できる補助金のため、LINEに連携できるソフトウェアも補助対象経費として扱われます。IT導入補助金では、LINEアプリを利用してマーケティングや社内外の情報共有などができるソフトウェアの導入費用に対して、補助金が受け取れます。
【IT導入補助金で対象のLINEのソフトウェア】
LINEソフト名称 | 概要 |
LINE公式アカウント |
LINEの友だち追加してくれたお客さまに、情報を発信し再来店を狙える。おすすめ商品やクーポンを発信し、お客様とのコミュニケーションが取れる。
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Lステップ |
LINEを利用したMA(マーケティングオートメーション)が可能になる。お客様のお悩みを予め設定した内容から自動で解決し、予約受付や相談もLINE上で対応できる。
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LMessage |
LINEを利用して集客や分析ができる。予約受付を自動化やアンケートフォームを送信しお客様情報の収集ができる。
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LINE WORKS |
LINEと使い勝手が変わらずに利用できるグループウェア。社内の予定やフォルダの情報共有ができる。
|
たとえば、美容室がLステップを導入すると、お客様がLINE上でスタイリスト情報の確認ができ、プラン内容と日時を選択し予約が取れるようになります。また、LMessageを導入することで、LINEで顧客管理やデータ分析、商品販売などができます。
LINEに連携できるITツールを導入する際にIT導入補助金を利用することで、ITツールの導入に掛かる費用を抑えることができます。LINEに連携できるITツールの導入を考えている人は、導入費用を抑えるためにIT導入補助金を利用できないかを確認してみましょう。
なお、IT導入補助金では、ソフトウェア以外にも、セキュリティ強化や導入コンサルティング、保守サポートなども補助対象経費として扱われます。IT導入補助金を利用してソフトウェアの導入を考える人は、ソフトウェアに関連するオプションや役務も必要かどうかを考えてみてください。
ITツールはIT導入支援事業者が取り扱うものから探す
IT導入補助金を利用する際は、IT導入支援事業者が取り扱うITツールの中から探しましょう。IT導入補助金ではIT導入支援事業者が扱うITツールのみが対象だからです。
IT導入支援事業者が取り扱うITツールを探すには、IT導入補助金2024公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索」を利用すると良いでしょう。「ITツール・IT導入支援事業者検索」では、IT導入支援事業者が取り扱うソフトウェアやハードウェア、サービスなどを探せます。
たとえば、LINEのITツールを探す場合、ツール名の項目に「LINE」と入力し検索することでLINEのITツールが探せます。導入したいITツール名がわかる際は「LINE公式アカウント」「LINE WORKS」などITツール名で検索ができます。
IT導入補助金で対象のITツールはIT導入支援事業者が取り扱うものに限られます。 IT導入支援事業者を介さずに自身でITツールを導入した場合はIT導入補助金の対象外になるため「ITツール・IT導入支援事業者検索」に登録されている中から導入するITツールを選びましょう。
なお、導入したいITツールが決まったら、そのITツールを取り扱うIT導入支援事業者に電話やメールなどで相談をします。当サイトを運営する株式会社ソラボはIT導入支援事業者としてIT導入補助金を利用したLINE公式アカウントや拡張ツール、LINE広告の導入を支援しています。経営状況に合わせてどのようにLINEを活用するのが良いか診断しながら提案できますので、IT導入支援事業者をお探しの人は以下の無料診断よりお問い合わせください。
無料診断ITツールが導入できる枠を確認する
導入したいITツールが決まったら、導入したいITツールがどの枠に該当するかを確認しましょう。「ITツール・IT導入支援事業者検索」で導入したいITツールが決まったら「ITツール詳細」を確認することでどの申請枠に該当するかを確認できます。
たとえば、ツール情報の「ITツールプロセス」には、通常枠に該当するソフトウェアの機能である、①顧客対応・販売支援や②決済・債権債務・資金回収などの記載があります。
また、インボイス対応類型に該当するソフトウェアの場合は、ITツールプロセスの「インボイス枠」に「会計、受発注、決済」のいずれかの記載があります。通常枠とインボイス枠どちらにも該当する場合は、どちらの枠でも申請可能です。
ITツール詳細情報の「ITツールのプロセス」に7種類のうちの機能の記載があれば通常枠、対応要件の「インボイス枠」に記載があればインボイス枠と見分けられます。申請する枠ごとに補助額が異なるため、補助額の確認をする際は導入したいソフトウェアがどの枠に該当するかを確認しましょう。
なお、Lステップのソフトウェアを申請する際、プランの内容によっては「決済」機能がついている場合と決済の記載がない場合もあります。同じソフトウェアでもプランの内容によっては、インボイス枠が選択できないことに留意しておきましょう。
LINEのソフトウェアの補助額は最大で450万円
IT導入補助金を利用してLINEのソフトウェアを導入する場合、補助額は最大で450万円になります。IT導入補助金の補助額は、申請する枠とソフトウェアの機能要件ごとに異なります。
【申請する枠ごとの補助額と機能要件】
枠 | 最大の補助額 | 機能要件 | ||
通常枠
|
150万円未満 | 1つ以上 |
①顧客対応・販売支援
②決済・債権債務・資金回収 ③供給・在庫・物流 ④会計・財務・経営 ⑤総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス ⑥業種固有プロセス ⑦汎用・自動化・分析ツール |
|
450万円 | 4つ以上 | |||
インボイス枠
|
インボイス対応類型
|
50万円以下 | 1つ以上 |
・会計
・受発注 ・決済 |
350万円 | 2つ以上 |
参考:「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」公募要領|IT導入補助金公式サイト
たとえば、LINEのソフトウェアが「①顧客対応・販売支援」の1つの機能を持つ場合は、通常枠に該当し最大で150万円未満の補助金が受け取れます。また、LINEのソフトウェアが「決済」と「受発注」の2機能を持つ場合は、インボイス対応類型に該当し最大で350万円の補助金が受け取れます。
LINEのソフトウェアの補助額は「通常枠は最大450万円」「インボイス枠は最大350万円」です。IT導入補助金は、補助額以外にも導入するソフトウェアに対して補助率も設定されているため、導入費用の全額は補助されないことを留意しておきましょう。
なお、IT導入補助金は同時にソフトウェアを2つ以上導入することができます。通常枠で450万円を受け取りたい人やインボイス対応類型で350万円を受け取りたい人は、機能要件を満たすためにソフトウェアを複数導入することも視野に入れてみましょう。
通常枠ではソフトウェアの導入費用の1/2が補助される
通常枠では、ソフトウェアの導入費用の1/2が補助されます。通常枠に申請した際に受け取れる補助額は「ソフトウェアの導入費用×1/2=補助額」で求められます。
【通常枠の補助率】
項目 | 補助率 |
通常枠 | 1/2 |
参考:「通常枠」公募要領|IT導入補助金公式サイト
たとえば、LINEのソフトウェアを導入する際に100万円の費用がかかった場合、補助率1/2のため50万円の補助金を受け取れます。ソフトウェア以外にも、導入コンサルティング、保守サポートにかかる費用も、補助率1/2で計算し補助されます。
通常枠で受け取れる補助金は、ソフトウェアの導入費用の半額と設定されています。補助率1/2で計算した際に、機能数ごとの最大の補助額「150万円未満」または「450万円」を超えた部分は補助金の対象外になることを留意しておきましょう。
インボイス対応類型ではソフトウェアの導入費用の2/3または3/4が補助される
インボイス枠の「インボイス対応類型」では、ソフトウェアの導入費用の2/3または3/4が補助されます。インボイス対応類型に申請した際に受け取れる補助金は、IT導入補助金2024公式サイトの補助金シミュレーターで確認できます。
【インボイス対応類型の補助率】
項目 | 補助率 | 補助額の範囲 |
インボイス対応類型
|
3/4以内 ※小規模事業者は4/5以内 |
0円〜50万円まで |
2/3以内 | 50万円超〜350万円まで |
参考:「インボイス枠(インボイス対応類型)」|IT導入補助金公式サイト
たとえば、LINEのソフトウェアの導入に100万円の費用がかかった場合、約72万円の補助金が受け取れます。100万円のソフトウェア導入費用の「0円〜約67万円の部分は補助率3/4」「約67万円〜100万円の部分は補助率2/3」と計算することができます。
インボイス枠は、通常枠よりも補助率が高いため、導入にかかる費用を抑えられる傾向にあります。LINEのソフトウェアの導入にかかる費用を抑えたい人は、インボイス対応類型への申請を検討してみましょう。
IT導入補助金はおもに中小企業や小規模事業者が対象
IT導入補助金は、おもに中小企業や小規模事業者が対象です。IT導入補助金は、中小機構が行う生産性革命推進事業の取り組みの一つで、中小企業や小規模事業者がITツールの導入により、生産性向上やインボイスに対応するための補助金だからです。
【IT導入補助金の対象者】
業種 | 資本金(以下) | 従業員数(以下) |
製造・建設・運輸 | 3億円 | 300人 |
卸売 | 1億円 | 100人 |
サービス | 5千万円 | 50人 |
ゴム製品製造 | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア・情報処理サービス | 3億円 | 300人 |
旅館 | 5千万円 | 200人 |
その他 | 3億円 | 300人 |
医療法人・福祉法人・学校法人 | – | 300人 |
商工会・商工会議所・都道府県連合 | – | 100人 |
中小企業団体・組合・連合会・財団法人・社団法人・特定非営利活動法人 ※特別な法律や中小企業支援法に規定される組織 |
– |
上記の業種に当てはめて従業員数を確認する
|
商・サービス | – | 5人 |
宿泊・娯楽・製造業・その他 | – | 20人 |
参考:「補助対象者」|IT導入補助金公式サイト
たとえば、資本金が1千万円で従業員数が30人の美容室を営む場合は、中小企業のサービス業に当てはまりIT導入補助金の対象者です。また、従業員数が3人の飲食店を営む場合は、小規模事業者のサービス業に当てはまりIT導入補助金の対象者として申請ができます。
従業員数を数える際は、解雇見込みのない従業員を数えます。1か月後に退職予定や日雇のアルバイトをする従業員は、従業員数に含めないことを覚えておきましょう。
IT導入補助金は全ての人を対象とした補助金ではなく、おもに中小企業や小規模事業者向けの補助金です。業種ごとに従業員数や資本金が決まっているため、自身が対象者に当てはまるかを確認しましょう。
なお、インボイス枠の電子取引類型の場合は、中小企業や小規模事業者と受発注の取引をしている大企業も対象となります。インボイス制度への対応のため、受発注システムの導入を考えている大企業の事業者は、IT導入補助金の活用を検討してみてください。
IT導入補助金を利用する際は必ず流れを確認する
LINEのソフトウェア導入にIT導入補助金を利用する際は、必ずIT導入補助金の流れを確認しましょう。補助金を受け取るまでに、手順が抜けたり間違えたりすると補助金を受け取れなくなる可能性があるからです。
【IT導入補助金の流れ】
①IT導入補助金の概要を理解する ②「ITツール・IT導入支援事業者検索」で導入したいソフトウェアを探す ③導入したいソフトウェアを取り扱うIT導入支援事業者に相談する ④IT導入支援事業者と共にIT導入補助金への交付申請の準備を行う ⑤IT導入補助金へ交付申請をする ⑥審査の結果で交付決定されたら、ソフトウェアを導入する ⑦ソフトウェアの導入を事業実績報告として提出する ⑧補助金がIT導入補助金事務局から入金される ⑨ソフトウェアの導入に対しての効果を事業実施効果報告として提出する |
たとえば、LINEのソフトウェアを導入するタイミングは、IT導入補助金に交付申請を行い、審査で交付決定を受けた後になります。交付決定を受ける前にソフトウェアを導入した場合は、補助金を受け取ることができません。
また、補助金が入金されるタイミングは、LINEのソフトウェア導入を実施したことについて事業実施報告を行った後になります。事業実施報告の内容から、正しくITツールの導入が実施されていないと補助金事務局が判断した場合は、補助金を受け取ることができません。
IT導入補助金を受け取るには、流れに沿って各手続きを行う必要があります。これから、IT導入補助金を利用しようと思っている人は、IT導入補助金の理解を深め、導入したいLINEのソフトウェアを取り扱うIT導入支援事業者に相談してみましょう。
なお、IT導入補助金に申請し落ちた場合でも、次回以降の事業スケジュールでの申請も可能です。申請する際は、事業スケジュールに沿って申請するため、初めて申請する人と再度申請する人は「事業スケジュール」を確認しましょう。
この記事のまとめ
IT導入補助金を利用することで、LINEと連携できるソフトウェアの導入費用の補助を受けることができます。LINEのソフトウェアが導入できる申請枠は「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。
IT導入補助金を利用してLINEのソフトウェアを導入することで、ソフトウェアの導入費用の「1/2または3/4」の補助金が受け取れます。また、LINEのソフトウェア以外にも、セキュリティ強化や導入コンサルティング、保守サポートも共に補助対象です。
IT導入補助金で補助対象になるLINEのソフトウェアは「ITツール・IT導入支援事業者検索」で探せます。導入したいLINEのソフトウェアが決まったら、そのソフトウェアを取り扱うIT導入支援事業者に相談してみましょう。