補助金ガイド

IT導入補助金でレジの購入はできる?対象レジや補助額を解説

2024/08/30

2023/3/30

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

レジを新しく購入をしたい人の中には、補助金を使って安くレジの購入ができないものかと悩まれている方もいますよね。その際、IT導入補助金ならレジの補助を受けられるのかを知りたい人もいるでしょう。

当記事では、IT導入補助金を使うことでレジを安く入手できるのかを解説していきます。
実際に導入する際の補助額や対象になるレジも紹介するため、レジの購入を検討している人は参考にしてみてください。

なお、当記事はIT導入補助金2024 公募要領 インボイス枠(インボイス対応類型)版2024年3月15日更新分を元に作成しています

インボイス対応類型でのみレジの申請ができる

IT導入補助金の中で「インボイス枠(インボイス対応類型)」でのみレジの申請ができます。IT導入補助金には、他にも「通常枠」や「インボイス枠(電子取引類型)」などが設けられていますが、レジの申請ができるは「インボイス枠(インボイス対応類型)」だけです。

インボイス対応類型でレジの補助金への申請をする場合は、レジに使用するソフトウェアの導入が必須です。そのため、パソコンなどのハードウェアのみの購入はできず、会計ソフトの導入を同時に申請する必要があります。

また、インボイス対応類型は、インボイス制度への対応を目的とする類型です。IT導入補助金の審査において、レジがインボイスに対応したレシート「適格簡易請求書」を発行できるかを確認されるので、申請時にはインボイスに対応したレジの導入を検討してください。

対象となるレジは種類ごとに特徴が異なる

インボイス対応類型の補助対象となるレジは種類ごとに特徴が異なります。公募要領に明記されている対象のPOSレジは「POSレジ」「モバイルPOSレジ」「券売機」と、種類も特徴も異なります。

【補助対象となるレジの種類と特徴】

種類 特徴
POSレジ レジにかかわる機能がフル搭載されたレジ
モバイルPOSレジ POSレジシステムをモバイル端末で利用するレジ
券売機 レジに代わり、お客さんが自ら商品の注文と支払いを完結させるもの

たとえば、POSレジはPOSレジシステムを利用するために作られたレジのため、レジ周辺機器があらかじめ搭載されています。一方で、モバイルPOSレジは、レジとして利用するためモバイル端末に、POSレジシステムをインストールして利用します。

インボイス対応類型の公募要領では、「POSレジ」「モバイルPOSレジ」「券売機」が補助対象と明記されており、それぞれ特徴が異なります。まだ導入したいレジが決まっていない人は、あくまでも一例になりますが、それぞれの項目を参考にしてみてください。

POSレジは主に3つに分けられる

POSレジは主に「レジスター型のPOSレジ」「セミセルフ型POSレジ」「セルフ型POSレジ」の3つに分けられます。POSレジは、POSレジシステム専用にPOSレジ機器が作られているため、レシートプリンターやキャッシュドロワなどをフル搭載しています。

【POSレジの種類と主な機能】

POSレジの種類 主な機能
レジスター型のPOSレジ スタッフが、会計の商品スキャン、支払い、袋詰めなどの一連業務を行うレジ。
お店側で全ての管理できるため安心。
セミセルフ型POSレジ お客さんが、会計の支払い業務を自ら行い、それ以外の商品スキャン・袋詰めなどはスタッフが行うレジ。
会計業務の「支払い」工数を削減できる。
セルフ型POSレジ お客さんが、会計の商品スキャン、支払い、袋詰めなどの一連作業を全て行うレジ。
「会計業務」を丸ごと削減できる。

たとえば、セミセルフ型POSレジは、お客さん側に支払い選択の画面や自動釣銭機があるため、レジスタッフ側では支払い方法のヒアリングや金銭のやり取りがなくなります。

また、セルフ型POSレジは、お客さんが会計をしてくれるので、レジスタッフを置く必要がなくなり、レジスタッフの人件費削減につながります。

POSレジは「レジスター型」「セミセルフ型」「セルフ型」に分けられ、機能も違うため業態にあったPOSレジを選びましょう。

なお、POSレジの中にはインボイス未対応のレジもあるので、補助金への申請の際はインボイス対応のレジかどうかを確認しましょう。

モバイルPOSレジは比較的安価で導入ができる

モバイルPOSレジは、POSレジや券売機に比べて安価で購入ができる傾向にあります。モバイルPOSレジは、モバイル端末にPOSレジシステムをインストールして利用するので、POSレジに比べて安価に購入することが可能になるからです。

【POSレジシステムを利用できる補助対象のモバイル端末】

  • 汎用パソコン
  • タブレット(iPadやPOS専用タブレットなど)

たとえば、商品によっては異なるもののパソコンの場合だと20万円程度、タブレットの場合だと10万円程度で購入できます。また、POSレジや券売機の場合は100万円程度の商品も存在するので、POSレジや券売機に比べてモバイル端末の方が安く購入できます。

POSレジシステムをソフトウェアとして導入すると、モバイル端末をPOSレジ機器として利用できます。モバイル端末がPOSレジの本体となるため、比較的コストが抑えられ、小規模のお店でも使われているレジです。

ただし、モバイル端末を購入するだけでは会計ができないので、付属品としてキャッシュドロワやレシートプリンターなどのレジ周辺機器が必要です。モバイルPOSレジを検討する人は、レジの付属品についても確認しておきましょう。

レジの代わりに券売機を利用する

レジの代わりに券売機を利用する方法もあります。POSレジやモバイルPOSレジと同じ対象として、券売機も補助対象となっています。券売機は、お客さんが自ら操作し注文までを行い、先払いの支払いスタイルを取るなどレジとはまた違う特徴があります。

【券売機の先払い注文の流れ】

項目 先払い注文の流れ
お客様 ①券売機で商品を選択
②合計金額を支払う
③発券
店舗スタッフ ④注文内容の確認

たとえば、飲食店で券売機を導入することで、「会計業務」に加え「オーダー確認の業務」まで削減できるため、多くの人件費の削減につながります。また、温浴施設や1000円カットの美容室などでも券売機を導入している事例がみられます。

券売機は、セルフ型POSレジの様に直接の業務改善につなげることができる設備です。先払いのスタイルでも支障のないお店やレジスタッフ人件費の削減を考えている人は、券売機の導入を検討してみましょう。

なお、券売機のソフトウェアは、POSレジシステムではなく「券売機システム」をインストールすることを留意しておきましょう。また、発券機もレジ同様にインボイスに対応したレシートが発行できるのかどうかを事前に確認してから補助金の申請が必要です。

レジの付属品も補助対象になる

POSレジシステムを導入する場合は、POSレジの本体の他に、レジの周辺機器も付属品として補助対象になります。また、「POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機」のいずれかを導入する場合に限り、付属品としてレジ周辺機器の補助が可能です。

【レジの補助対象となる付属品一覧】

(a)キャッシュドロワ
(b)カスタマーディスプレイ
(c)レシートプリンタ
(d)自動釣銭機
(e)カードリーダ
(f)バーコード.QRコードリーダー
(g)Wi-Fiルータ
(h)運搬費(本体の運搬に係る費用)

※券売機も同じく付属品が対象となります。

参考:IT導入補助金2024「インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領」をもとに株式会社SoLaboが作成

たとえば、POSレジは、キャッシュドロワやレシートプリンターなどの付属品がPOSレジの本体と一体型になっている場合も多く付属品が必要ないこともあります。ただし、POSレジの本体の運搬費や必要がある場合はカスタマーディスプレイも付属品の補助対象です。

また、モバイルPOSレジの場合は、付属品をつけることで更にレジとしての機能を活用できます。付属品としてインボイス対応のレシートプリンターを導入することで適格簡易請求書の発行が可能です。

インボイス対応類型では、POSレジの本体以外にもレジ周辺機器までが補助対象となるので付属品も合わせて補助金への申請をしましょう。

なお、レジの付属品は、キャッシュドロワで1つ、レシートプリンターで1つというように1種類につき1商品までしか補助対象になりません。また、レシートプリンターのロール紙やインクなどの消耗品はレジの付属品として対象外となることを留意しておきましょう。

レジが補助対象外になる場合を確認しておく

レジが補助対象外になる場合についても事前に確認しておきましょう。レジを一括りに言ってもPOSレジシステムやPOSレジの本体、付属品とそれぞれに、対象外となる基準が設けられています。

【レジが対象外となる一例】

項目 内容
ソフトウェア・ハードウェア共通 (POSレジシステム・POSレジの本体・付属品)
  • 対外的に無料で提供されているもの
  • 交付決定前に購入したもの
  • リース・レンタル契約のもの
  • 中古品
ハードウェア (POSレジの本体・付属品)
  • 一般的な市場価格と比べて著しく高額であるもの
  • 家電量販店やネットなどで自己調達したもの
  • 導入するPOSレジシステムに対して著しく高スペックなもの
  • 導入するPOSレジシステムをインストールしない場合
  • ロール紙・インク等の消耗品
  • ブザー等の防犯品
  • オーダーエントリーシステム関連機器、キッチンプリンター

たとえば、IT導入支援事業者を介さず購入したPOSレジの本体は対象外となるため、必ずIT導入支援事業者から購入しましょう。また、補助金の申請をして交付決定された後に購入したPOSレジシステムやPOSレジの本体でなければ対象外となります。

レジの対象外については、ハードウェアの対象外だけを確認するのではなく、ソフトウェアとハードウェア共通部分の対象外の確認も必要になります。

なお、今回紹介したレジの対象外は、レジにかかわる部分の一例になるので、対象者や対象事業者についても確認が必要です。「インボイス対応類型」の対象については「インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領」を確認しましょう。

レジ導入は最大370万円の補助ができる

POSレジシステムとPOSレジ機器を合わせて最大370万円の補助が可能となります。インボイス対応類型は、「ソフトウェアのPOSレジシステム」と「ハードウェアのPOSレジ機器」とで最大補助額が異なります。

【ソフトウェアとハードウェアの最大補助額】

項目 ソフトウェア ハードウェア
対象のITツール 「決済機能・会計機能・受発注機能」
(POSレジシステムは決済に該当)
※クラウド利用料は最大2年分
POSレジ機器・券売機等(本体、付属品)
最大補助額 1機能以上の場合
下限なし〜50万円まで
2機能以上の場合
50万円超〜350万円まで
〜20万円

参考:IT導入補助金2024「インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領」をもとに株式会社SoLaboが作成

たとえば、ソフトウェアの最大補助額は、機能数によって変わります。機能が1機能以上の場合は最大50万円の補助額になり、2機能以上の場合は最大350万円まで補助が可能です。

一方、ハードウェアのPOSレジの本体と付属品は、合計で最大20万円の補助ができます。

レジ導入の最大補助額は、ソフトウェアとハードウェアで異なり、ソフトウェアは350万円、ハードウェアは20万円と設定されています。

ただし、補助率はソフトウェアとハードウェアで違い、補助率が変わると補助額が変わります。補助額を確認したい人はPOSレジシステムとPOSレジ機器の補助率を確認しましょう。

当サイトを運営する株式会社ソラボは、IT導入支援事業者としてIT導入補助金の申請サポートをしています。レジ購入をするのにいくらくらい補助を受けられるのか、またどのようなソフトウェアを導入するべきなのかを無料で診断しますので、IT導入補助金でレジ購入を検討されている人は以下の無料診断よりお問い合わせ下さい。

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POSレジシステムの補助率は高く設定されている

インボイス対応類型では、POSレジシステムを含むソフトウェアの補助率が高く設定されています。「インボイス対応類型」の公募要領の中でも「通常枠」よりも補助率を上げているとの旨が明記され、補助額の範囲ごとに高い補助率が設定されています。

【IT導入補助金枠ごとの補助率】

項目 補助額の範囲 補助率
インボイス枠(インボイス対応類型)
(ソフトウェア最大補助額350万円の内)
下限なし〜50万円以下の部分 3/4以内(小規模事業者は4/5)
50万円超〜350万円の部分 2/3以内
通常枠 5万円〜450万円 1/2以内

参考:IT導入補助金2024「インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領」をもとに株式会社SoLaboが作成

たとえば、通常枠で40万円の決済ソフトを申請する場合、補助率が1/2のため20万円まで補助されます。一方で、デジタル化基盤枠で同様に申請する場合補助率が3/4のため30万円まで補助されます。

デジタル化基盤導入枠では、POSレジシステムの補助率が「補助額50万円以下は3/4」や「補助額50万超〜350万円は2/3」とIT導入補助金の中でも高い補助率が設定されています。

なお、具体的なPOSレジシステムの補助金額が気になる人は「補助金シミュレーター」で、機能数とソフトウェアの金額を入れることで簡単に計算ができるので確認してみましょう。

POSレジ機器の補助率は1/2と設定されている

インボイス対応類型では、POSレジ機器の「補助率1/2以内」と設定されています。POSレジ機器や付属品などのハードウェアに対して、1/2以内の補助率が設定されており、最大で20万円の補助が可能です。

【対象ハードウェアの補助率と最大補助額】

対象のハードウェア 補助率 最大補助額
POSレジ機器
本体
1/2以内
20万円
付属品

たとえば、POSレジの本体としてタブレットを10万円で購入した場合は、補助率が1/2なので補助額が5万円になります。また、ハードウェアの合計金額に1/2の補助率で計算したときに、補助額20万円を超えた部分は自己負担となることを留意しておきましょう。

インボイス対応類型では、レジに使用するハードウェアの補助率が「1/2以内」と設定されており、最大で20万円の補助が可能です。

補助金でレジを購入するならまずIT導入支援事業者を探す

IT導入補助金を利用してレジ購入をする場合は、まずIT導入支援事業者を探しましょう。IT導入補助金の申請をする際は、IT導入支援事業者と事業パートナーを組む必要があります。また、ITツールもIT導入支援事業者から購入しなければなりません。

たとえば、IT導入補助金の公式サイトから「ITツール・IT導入支援事業者検索」を確認することで、都道府県別にIT導入支援事業者を探すことができます。また、導入したいITツールを取り扱っているIT導入支援事業者を選ぶこともできます。

レジの補助購入を考えたらまずは、IT導入支援事業者を探し、レジの導入を考えている旨を相談しましょう。

なお、IT導入支援事業者の選び方がわからない人は「IT導入補助金のIT導入支援事業者とは?選び方を解説」も参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

IT導入補助金の「インボイス対応類型」でのみレジの補助金の申請が可能になります。
補助対象となるレジには「POSレジ」「モバイルPOSレジ」「券売機」とさまざまな種類があるので、お店の用途に合ったレジを見つけましょう。

また、補助額を求める際には、補助率やソフトウェアの機能数などが絡んできます。ソフトウェアの最大補助額は350万円、ハードウェアの最大補助額20万円と設定されています。

IT導入補助金でレジの補助金を申請したい人は、まずIT導入支援事業者について確認して探してみましょう。

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