IT導入補助金で医療法人やクリニックの対象条件と申請方法を解説
2024/03/28
2023/3/22
電子カルテやレセコンを購入したい医療法人やクリニックの中には、補助金が使えるなら使いたいという人もいますよね。その際、IT導入補助金が候補として上がり、「医療法人は対象なのか」「電子カルテは補助対象なのか」といった疑問を検索する人もいるでしょう。
当記事では、IT導入補助金で医療法人やクリニックが対象となる条件を解説します。IT導入補助金の申請方法も紹介するので、電子カルテやレセコンを補助金で購入したい人は、当記事を参考にしてみてください。
なお、当記事はIT導入補助金2024「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」の公募要領を元に作成しています。
目次
IT導入補助金でクリニックや医療法人は条件を満たせば対象
医療法人やクリニックは、資本金3億円以下で常時雇用の従業員数が300人以下の場合、IT導入補助金の対象になります。IT導入補助金に申請したい人は、自社の資本金と常時使用する従業員数を確認してみましょう。
【IT導入補助金で対象のクリニックと医療機関の定義】
クリニックの場合 ※ | 医療法人の場合 | |
資本金または出資額 | 3億円以下 | – |
常時使用する従業員の数 | 300人以下 | 300人以下 |
※クリニックを「その他業種」と判断した場合の定義
※IT導入補助金2024「通常枠」の公募要領を元に、株式会社ソラボが作成
たとえば、資本金が2億円で従業員数が100人のクリニックの場合、資本金と従業員数が規定以下なので、IT導入補助金を利用して医療DXを実現することも可能です。
また、従業員数が300人以下の医療法人の場合は、資本金や出資額は関係ないので、従業員数が300人以下であれば、IT導入補助金の対象となります。
IT導入補助金で対象の医療法人やクリニックは、「資本金3億円以下」や「常時雇用の従業員数が300人以下」などの定義があります。電子カルテやレセコンを導入したい人は、実質導入費用が抑えられるので、IT導入補助金の申請を検討してみてください。
電子カルテやレセコンが最大450万円まで補助される
IT導入補助金2024では、電子カルテやレセコンのITツールが最大450万円補助されるので、事業者の経済的負担が軽減されます。事業者が受け取る補助金額は補助対象経費が基準なので、事業者が先に支払う経費が多ければ多いほど、受取る補助金額は多くなります。
【IT導入補助金の枠】
項目 | 通常枠の場合 | インボイス枠(インボイス対応類型)の場合 |
補助対象経費 | ソフトウェア費、導入関連費(オプション、サービス) | ソフトウェア費、ハードウェア費(一部)、導入関連費 |
補助金額の範囲 | 1プロセス以上:5万円~150 万円未満 4プロセス以上:150 万円~450 万円 |
〈ソフトウェア費〉 ①50万円以下 ②50万円超~350万円以下 〈ハードウェア費〉 PC・タブレット等は~10万円 レジ・券売機は~20万円 |
補助率 | 1/2以内 | 〈①ソフトウェア:50万円以下〉 3/4以内(※小規模事業者は4/5) 〈②ソフトウェア:50万円超~350万円以下〉 2/3以内 〈ハードウェア費〉 1/2以内 |
※IT導入補助金2024「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」の公募要領を元に、株式会社ソラボが作成
たとえば、300万円の電子カルテを導入する場合、通常枠では補助率が1/2なので、150万円まで補助されます。一方、同じ条件でデジタル化基盤導入枠から申請する場合、デジタル化基盤枠のソフトウェアの補助率が2/3なら、補助金額は200万円まで補助されます。
IT導入補助金では、最新の電子カルテやレセコンなどの対象経費が最大450万円まで補助されます。その際、レセコンとともに申請できる複合機や、電子カルテとともに申請できるRPAソフトなど、補助対象経費を複数申請することも可能です。
なお、IT導入補助金2024に申請できるのは、1枠につき1回までです。そのため、1度の申請で必要なITツールをすべて申請しきることをおすすめします。当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、IT導入支援事業者としてツール導入や申請のサポートをしています。医療DXに必要なRPAソフトやパソコンなど、クリニックの状況に合わせて導入するITツールのご提案もできるので、対象経費について相談したい方は無料相談または無料診断からご連絡ください。
登録されたITツールだけが補助の対象
IT導入補助金事務局に登録されていないITツールは、補助の対象となりません。IT導入補助金を利用して電子カルテやレセコンを導入するなら、導入したいIT導入補助金ツールを登録しているIT導入支援事業者を探しましょう。
たとえば、IT導入補助金の公式サイト「IT導入支援事業者・ITツール検索」で検索する場合、「株式会社SoLabo」と入力すると表示されるので、株式会社SoLaboはIT導入支援事業者だということが分かります。
また、表示された株式会社SoLaboの右側にある「ITツール」をクリックすると、ソフトウェア「リピッテビューティー」が表示されるため、株式会社SoLabo からはリピッテビューティーを購入できるということがわかります。
欲しい電子カルテやレセコン、気になるIT導入支援事業者が決まっているなら、「IT導入支援事業者・ITツール検索」で調べてみましょう。欲しい製品や気になるIT導入支援事業者が、IT導入補助金へ正式に登録されているのかを確認できます。
対象の電子カルテ製品の例
IT導入補助金の公式サイトで検索すると、対象の電子カルテ製品が表示されるので、IT導入補助金で対象の電子カルテ製品の例として一部を紹介します。IT導入補助金を使って電子カルテを導入したい人は、参考にしてみてください。
【IT導入補助金を使って購入できる電子カルテの例】
製品名 | 概要 |
電子カルテ管理システム「リピクル」 | 予約管理からカルテ・電子問診機能、顧客分析、会計など、医療機関の業務自動化とカルテ分析を一括で実現するツール |
セコム・ユビキタス電子カルテ | セコムの安全なデータセンターで預かる電子カルテシステム。部門間のシステム連携、入院管理、予約管理、会計などが可能 |
REMORA電子カルテ | 見開きでシンプルな操作性のため、代理の先生にも馴染む電子カルテ。自由なレイアウトで、診療予約機能や過去カルテの閲覧などが可能 |
クラウド型電子カルテ「Qualis Cloud」 | オンプレミス型「Qualis」を継承したクラウド版。直感的でわかりやすい操作性と、付箋機能やレセコン連動型会計機能などを備える |
※IT導入補助金2024の公式サイト「IT導入支援事業者・ITツール検索」を元に、株式会社ソラボが作成
たとえば、電子カルテ管理システム「リピクル」の場合、治療家やセラピストが監修していて口コミ投稿もできるので、整体院や鍼灸治療院で利用されています。
また、セコム・ユビキタス電子カルテの場合、高度なネットワークを持つクラウド型電子カルテシステムなので、地震や災害時のバックアップのために導入する医療機関もあります。
IT導入補助金は数千を超えるITツールが対象なので、対象の電子カルテだけをまとめた一覧はありません。実際に補助される電子カルテを調べるなら、導入したい商品名をIT導入補助金の「IT導入支援事業者・ITツール検索」に入力してみて下さい。
対象のレセコン関連製品の例
IT導入補助金の公式サイトで検索すると、対象のレセコン製品が表示されるので、IT導入補助金で対象のレセコン製品の例として一部を紹介します。IT導入補助金を使ってレセコンを導入したい人は、参考にしてみてください。
【IT導入補助金を使って購入できるレセコン関連製品の例】
製品名 | 概要 |
電子薬歴・レセコン一体クラウド型薬局向け業務支援システム「MAPs for PHARMACY DX」 | 電子処方箋とオンライン服役指導で薬局DXが実現できるシステム。在宅処方箋受付ができるので、入力業務のテレワーク化も可能 |
医療機関特化型自動精算機「ハヤレジ」 | 電子カルテやレセコンの入力した情報を元に、患者による会計ができる。スタッフ負担を減らし、金銭授受のミスを防げる。 |
レセコン一体型電子薬歴システム「P-CUBE n」 | 1画面で入力できる処方入力とニーズに合った薬歴入力が特徴。処方箋受付から服役指導、トラブル時の保守対応までが一元化できる。 |
調剤レセコン連携POS「ONレジ」 | 領収書を発行することで、売掛計上と領収書発行を自動化するPOSレジ。基本のレジ機能に加え、調剤薬局向けの機能を網羅する |
※IT導入補助金2024の公式サイト「IT導入支援事業者・ITツール検索」を元に、株式会社ソラボが作成
たとえば、電子薬歴・レセコン一体クラウド型薬局向け業務支援システム「MAPs for PHARMACY DX」の場合、レセコンと電子薬歴とが一体化されているので、レセコンの作業をしている時に薬歴の確認がすぐできる、レセコンと電子薬歴の情報が一元化される、などの特徴があります。
IT導入補助金で補助の対象となるレセコンには、電子薬歴一体型やPOSレジ連携型など、さまざまな種類があります。IT導入補助金導入補助金で対象のレセコンやPOSレジなどのIT導入補助金ツールを探す際は、導入したいすべてのITツールに対応できるIT導入支援者を探しましょう。
当社SoLaboがサポートする際は、導入したいITツールを事前にご相談いただければ現在当社で取り扱いがない商品でも、サポートできる可能性があります。電子カルテやレセコンを導入したい人は、電話または無料診断よりご連絡ください。
IT導入補助金の申請方法は電子申請jGrantsで行う
IT導入補助金の電子カルテやレセコンを申請する際は、電子申請「jGrants」から手続きします。jGrantsにログインするには、GビズIDプライムアカウントが必要です。事業承継・引継ぎ補助金に申請する可能性がある人は、早めに「GビズID」から手続きをしましょう。
【医療機関がIT導入補助金で電子カルテを導入する手順の例】
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たとえば、クリニックが導入したい電子カルテを探す場合、ネット検索やIT導入補助金の公式サイトから導入したい電子カルテを見つけたら、次はIT導入支援事業者と申請準備をしましょう。
また、IT導入支援事業者と申請準備をする場合、IT導入支援事業者から「招待リンク」を受け、クリニックや医療法人は「申請マイページ」を解説してから必要事項を入力します。
IT導入補助金を申請するには、やるべき手続きがたくさんあります。電子申請ではかならず「GビズIDプライムアカウント」という無料アカウントが必要なので、事業承継・引継ぎ補助金に申請する可能性がある人は、早めに同アカウントを取得しておきましょう。
IT導入支援事業者の探し方はネット検索と問い合わせ
医療法人に合ったIT導入支援事業者は、ネット検索と問い合わせで探せます。医療業界専用のIT導入支援事業者をまとめたWebページはありません。希望のIT導入支援事業者を見つけるには、地域や製品名でネット検索し、事業者が気になる点を質問してみましょう。
【IT導入支援事業者に確認する項目】
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たとえば、ネット検索で電子カルテを取扱う複数の業者を見つけた場合、IT導入補助金のサポート業者としての経験はどうか、どこまで申請サポートをしてくれるのかなどの視点で確認してみましょう。
IT導入支援事業者を探す場合、自社が決めた複数の項目を基準にしてネット検索すると、効率的に探しやすいです。その際、パソコンも同時に申請できるか、薬局向けのクラウド型レセコンがあるかなど、自社が気になる点も合わせて調べてみましょう。
この記事のまとめ
医療法人やクリニックは、資本金3億円以下で常時雇用の従業員数が300人以下の場合、対象です。IT導入補助金を使って電子カルテやレセコンなどを購入したい人は、自社の資本金額と常時使用する従業員数を確認してみましょう。
IT導入補助金2024では、電子カルテやレセコンなどのITツールが最大450万円補助されるので、経済的負担を軽減しながら事業をデジタル化できます。IT導入補助金で実際に補助される上限額は、自社が選ぶ枠で変わるので、申請する枠を選ぶ際は注意してください。
IT導入補助金の窓口は厚生労働省ではなく、経済産業省でもなく、IT導入支援事業者です。クリニックや医療法人がIT導入補助金に申請する場合、行政の窓口には行かず、IT導入支援事業者に相談することになります。