補助金ガイド

開業したばかりの事業者でもIT導入補助金に申請できる?

2024/07/10

2024/7/8

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

IT導入補助金とは事業者がITツールを導入する際に受給できる補助金です。IT導入補助金を利用してITツールを導入したい人の中には、開業したばかりの事業者もいますよね。

当記事では、開業したばかりの事業者でもIT導入補助金を利用できるのかを解説しています。開業して間もないがIT導入補助金を利用してITツールの導入コストを抑えたい人は参考にしてみてください。

なお、当記事はIT導入補助金2024の公式サイトを参考に作成しています。

開業から1期を経過していない事業者はIT導入補助金に申請できない

開業してから1期を経過していない事業者は、IT導入補助金に申請できません。開業してから1期を経過しないとIT導入補助金へ申請する際に必要な書類を準備できないため、開業してから1年度目の決算を終えてない事業者は申請できません。

【開業から1期未満だと準備できない必要書類】
法人の場合
  • 法人税の納税証明書
個人事業主の場合
  • 所得税の納税証明書
  • 確定申告書の控え

参考:各申請枠の公募要領(3-2(2)交付申請に必要な書類)|IT導入補助金2024

IT導入補助金の申請に必要な書類は、開業した事業の納税と確定申告を行った事業者のみに発行されます。開業してから1期を経過していない事業者には、納税証明書と確定申告書は発行できません。

たとえば、開業時期が7月で決算時期が次年度の3月の場合は、決算後に必要書類を揃えることが可能になります。開業から1年経過する必要はありませんが、開業から1期を経過するまでは申請に必要な書類を準備できません。

開業してから1期を経過することにより、「納税証明書」や「確定申告書」などの、IT導入補助金の申請に必要な書類を準備できます。IT導入補助金に申請したい事業者は、必要書類を準備するために開業してから1年度目の決算を終えるまで待ちましょう。

開業から1期を経過している事業者は要件を満たすと申請できる

開業をしてから1期を経過している事業者は、要件を満たすことによりIT導入補助金へ申請できます。開業してから1期を経過している事業者は申請に必要な書類を準備できるため、必要書類の準備を含む申請要件を満たすとIT導入補助金へ申請できるようになります。

【開業から1期を経過した事業者の要件】
項目 内容
必要書類 必要書類を準備していること
<法人>
  • 履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 法人税の納税証明書(直近分)
<個人事業主>
  • 運転免許証、運転経歴証明書、住民票(発行から3ヶ月以内)
  • 所得税の納税証明書(直近分)
  • 確定申告書の控え(直近分)
対象者 対象者に該当していること
  • 中小企業
  • 小規模事業者
  • 個人事業主
対象経費 生産性向上につながるITツールを選定していること
  • ソフトウェア
  • ハードウェア
  • 導入関連費

参考:各申請枠の公募要領|IT導入補助金2024

IT導入補助金の要件には、「必要書類」「対象者」「対象経費」などがあります。申請したい事業者は「中小企業が小規模事業者に該当しているか」「導入するITツールが生産性向上につながるか」などを確認し、ひとつでも要件を満たせない場合は申請できません。

IT導入補助金に申請するための要件は、開業したばかりの事業者に限らずすべての事業者が満たす必要があります。事業者が満たさなければいけない要件は申請枠ごとに異なるため、IT導入補助金に申請する際は各申請枠の「公募要領」の申請要件を確認しましょう。

開業したばかりの事業者は審査に不利になる可能性がある

開業したばかりの事業者は、交付申請の審査において不利になる可能性が考えられます。あくまでも可能性ですが、実績を多く持つ事業者と開業したばかりの事業者の審査でチェックされる項目は同じであるため、審査で不利になる可能性もあります。

【開業したばかりの事業者が確認しておくべき審査項目】

  • 経営課題を把握し、経営改善の具体的な問題意識があるか
  • 「状況」「課題分析」「将来計画」に対して、効果を得られるITツールを導入できているか
  • 継続的な生産性向上と事業の成長に取り組めているか

    参考:各申請枠の公募要領(3-3交付申請の審査)|IT導入補助金2024

    たとえば、開業したばかりで実績の少ない場合は、自社の経営課題を把握できていない可能性もあります。経営課題を把握できていないことにより、経営改善の具体的な問題意識を持てておらず、審査にて不利に働くことも考えられます。

    また、開業したばかりで事業の実績が出る前の段階では、ITツールを導入しても「継続的な生産性向上」や「事業の成長」を見込むことが難しい可能性もあります。ITツールを導入しても今後中長期的に成長が見込めない事業者は、審査にて不利に働くことも考えられます。

    IT導入補助金公式サイトにおいて開業したばかりの事業者が不利になるという記載はありませんが、実績のある事業者と比較した場合に根拠を示すことが困難となり得る審査項目もあります。開業したばかりの事業者は、申請する際の予備知識として覚えておきましょう。

    申請に不安がある人はIT導入支援事業者に相談する

    IT導入補助金の申請に不安がある人は、IT導入支援事業者に相談することができます。開業したばかりの事業者は審査において不利になる可能性も考えられるため、IT導入支援事業者へ申請の可否を診断してもらうことや、採択の可能性を高めるためのアドバイスを受けることを検討しましょう。

    IT導入支援事業とは、申請者に対して「ITツールの提供」や「申請サポート」を行う事業者のことです。IT導入補助金に申請する際は、申請者とIT導入支援事業者が共に手続きを行うため、IT導入支援事業者の申請サポートを受けられます。

    相談するIT導入支援事業者は「ITツール・IT導入支援事業者検索」から探せます。「ITツール・IT導入支援事業者検索」から、導入したいITツールを取り扱うIT導入支援事業者に問い合わせることにより、申請に関するアドバイスを受けることができます。

    IT導入支援事業者に相談すると、申請に携わった経験や実績をもとに申請者のサポートをしてくれます。開業したばかりで申請に不安がある人は、IT導入支援事業者のアドバイスを受けながら申請手続きを行いましょう。

    この記事のまとめ

    開業してから1期を経過していない事業者は、IT導入補助金に申請できません。開業してから1期を経過しないとIT導入補助金へ申請する際に必要な「納税証明書」や「確定申告書」を準備できないため、開業してから1年度目の決算を終えてない事業者は申請できません。

    また、審査において開業したばかりの事業者が不利になるという記載はありませんが、実績のある事業者と比較した場合に不利になり得る審査項目もあります。申請手続きを行う際は共に手続きを行うIT導入支援事業者のアドバイスを受けながら申請手続きを行いましょう。

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