IT導入補助金の対象になる決済ソフトと補助金額を解説
2024/08/30
2023/6/14
決済ソフトを導入したい人の中には、IT導入補助金を使って決済ソフトを購入したい人もいますよね。その際、具体的に対象となる決済ソフトの種類や、いくらまで補助されるのかを知りたい人もいることでしょう。
当記事では、IT導入補助金の対象となる決済ソフトの種類と補助金額を解説します。実際に申請できる決済ソフトの名称も紹介するので、IT導入補助金を使って決済ソフトを購入したい人は、参考にしてみてください。
なお、当記事はIT導入補助金2024の公式サイトの「資料ダウンロード」にある通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領をもとに作成しています。
目次
対象となる決済ソフトにはクラウド型や買い切り型がある
対象となる決済ソフトにはクラウド型や買い切り型があります。クラウド型の場合、パソコンやタブレットのブラウザから操作ができ、買い切り型の場合はパソコンにインストールして使用します。
【対象となる決済ソフト/システムの例】
クラウド型の場合 | ||
対象の決済ソフト | 参考価格 | 概要 |
おさいふロイポシステムLSI本部版 | 3,000,000円 | クラウド管理のキャッシュレス・ポイントシステムを一括管理できる本部用ソフト |
PowerPOSクラウド・プレミアムプラン サブスク | 210,000円 | 店舗・顧客・EC・倉庫・本部をリアルタイムにつなげるクラウド決済システム |
買い切り型の場合 | ||
対象の決済ソフト | 参考価格 | 概要 |
決済連携システム Junkan | 360,000円 | 店舗型posシステムとの連携によりモバイル決済・POSレジ連携・外部予約システムと連携できる決済連携システム |
アプリ型の場合 | ||
対象の決済ソフト | 参考価格 | 概要 |
sacri | 52,364円 | パンのお取り置きができる事前決済必須のベーカリー専用アプリ |
参考:「ITツール・IT導入支援事業者検索」|IT導入補助金2024公式サイト
たとえば、クラウド型の決済ソフトの場合、「おさいふロイポシステム」や「Power POSクラウド」があります。これらは本部と本部以外をつなげる一括管理システムのためなので、新たな機器を導入しなくても、タブレットやスマホで決済データの共有ができます。
また、買い切り型の決済ソフトの場合は「決済連携システムJunkan」があります。店舗での注文やモバイル決済、外部予約や自動精算に対応しているため、人手不足で悩む店やモバイル決済を導入したい店に適しています。
IT導入補助金で対象の決済ソフトは、この他にも、数百以上の種類があります。IT導入補助金で自社に合う決済ソフトを探すなら、まずは「どのような機能がある決済ソフトなのか」「何名で使いたいのか」「予算はいくらなのか」といった条件をイメージしてみましょう。
決済システムは他の機能と組み合わせて申請される場合がある
決済システムは、他の機能と組み合わせて申請される場合があります。決済と組み合わせる他の機能には、主に「在庫管理」「顧客管理」「売上分析」「POS」などがあります。
【他の機能と組み合わせられた決済ソフトの例】※抜粋
POSレジシステムとの組み合わせ | ||
対象の決済ソフト | 参考価格 | 概要 |
POSシステム【poscube】 | 50,000円 | 飲食店向け予約やキャッシュレス決済などのシステムとの連携が可能な飲食店専用POSシステム |
CLEVER KIOSK決済用ソフトウェアモジュール | 1,500,000円 | 売上集計機能を有すキャッシュレス対応のソフトウェア券売機・無人精算機専用のシステム |
ShopWorks7G | 150,000円 | 電子マネーやクレジット、コード決済など各種決済手段への対応で売上向上が見込める専門店向けPOSレジシステム |
受発注機能との組み合わせ | ||
その他の決済ソフト | 参考価格 | 概要 |
医薬品卸様向け販売管理パッケージPRISM(受発注+決済機能) | 2,800,000円 | ジェネリック医薬品卸業者向けの販売、受発注、在庫、決済管理ができるクラウド一元管理ツール |
支配人くんNEXT+N-セルフ決済 | 1,800,000円 | 予約管理やフロント会計業務、顧客の利用分析まで可能なホテル旅館向けのホテルシステム(PMS) |
参考:「ITツール・IT導入支援事業者検索」|IT導入補助金2024公式サイト
たとえば、決済とPOSの機能をもつソフトウェアの場合、POSと決済を組み合わせることで、いつ・どこで・誰が・何を決済したのかのデータを管理できます。また、決済と集計を組み合わせることで、無人販売サービスでの決済が可能です。
IT導入補助金で対象の決済ソフトには、「受発注と決済」「在庫と決済」などの2機能以上のソフトがあります。「インボイス対応類型」を選択する場合は、「会計」「受発注」「決済」から補助額に応じて1~2機能以上を申請するルールがあるので留意しておきましょう。
なお、IT導入補助金2024の「通常枠の公募要領」では「別紙2:業種・プロセス一覧」に対象のソフトウェアの機能一覧が掲載されています。IT導入補助金で他にどのような機能のソフトが対象なのか知りたい人は、参考にしてみてください。
当サイトを運営する株式会社SoLaboは、IT導入支援事業者としてIT導入補助金の申請サポートをしています。決済システムの導入と受発注システムなど機能の構築を1社で受け持てるので、ツールと機能を別々の業者に依頼する手間を省いての補助金申請が可能です。無料で見積もりを出しますので、当社のサービスに興味がある場合は以下の無料診断よりお問い合わせください。
無料診断インボイス対応類型は決済に使用するPOSレジやタブレットも対象になる
インボイス対応類型は決済に使用するPOSレジやタブレットも対象になります。POSレジやタブレットなどは、申請するソフトウェアに必要なハードウェアであれば、補助の対象になります。
【決済ソフトとハードウェアの組み合わせ例】
決済ソフト | ハードウェア |
POSシステム | POSレジ |
クラウド決済システム | タブレット |
決済ソフト+会計ソフト+受発注ソフト | パソコン |
たとえば、会計時のミスを減らす目的で事業者がPOSシステムを導入する場合、POSシステムを動かせる端末であれば、パソコンまたはタブレットも補助対象になります。最近はアプリ型のPOSシステムもあり、30年前と比べると選択できるPOS端末は増えています。
IT導入補助金で決済ソフトとハードウェアを申請する場合は、決済ソフトとハードウェアの関連性が必要です。POSレジやパソコンなどのハードウェアも購入したい人は、インボイス枠(インボイス対応類型)から申請してください。
なお、キャッシュレス決済の端末は単体では補助対象になりません。IT導入補助金では、POSレジか券売機に付属するキャッシュレス端末機のみが対象となるので、キャッシュレス決済端末の導入を検討している人は注意してください。
クラウド決済サービス利用料を2年分まで申請できる
IT導入補助金では、決済ソフト以外のクラウド決済サービスの利用料も2年分まで申請できます。初期費用が必要なクラウド決済サービスであれば、初期費用も補助対象経費として申請できます。
【クラウド決済サービスの種類】
名称 | 月額 | 概要 |
クラウドAZタワー(クレジット決済費用含む) | 標準価格:2,000,000円 | 顧客や販売、検針や保安管理、配送や在庫および購買管理など、LPガス事業の業務管理システムをクラウドで提供 |
決済連携システム_Junkan | 初期費用:30,000円/月 システム利用料:1,000,000円/1アカウント |
店舗レジとjunkanを連携することで売上集計や売上伝票作成ができ、外部ツールとの連携で予約から決済までをjunkanのみで完結できる |
POSasy(ポサシー) | 3,500円/1店舗 | 「必要な機能だけを、簡単な操作で」をコンセプトとするクラウド型POSレジ |
たとえば、「決済連携システム_Junkan」の場合、初期費用が月30,000円、システム利用料が1アカウント1,000,000円かかります。IT導入補助金を利用すると、初期費用と月額の2年分の補助が受けられます。
クラウド決済サービスを使うと、クレジットや電子マネー決済など、さまざまな決済方法をまとめて導入できます。また、各サービスでスクール予約や回数券などの機能も提供するため、クラウド決済サービスに関心のある人は、IT導入補助金を検討してみてください。
IT導入補助金では最大450万円が補助率1/2や2/3で補助される
IT導入補助金では最大450万円が補助率1/2や2/3で補助されます。IT導入補助金で決済ツールを申請できるのは「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」の2種類で、それぞれ補助上限額と補助率が異なります。
【IT導入補助金で決済ソフトを申請できる枠の概要】
①通常枠 | ||
補助対象経費 | 補助上限額 | 補助率 |
|
<1機能以上> 5万円~150万円未満 <4機能以上> 150万円~450万円以下 |
1/2以内 |
②インボイス枠(インボイス対応類型) | ||
補助対象経費 | 補助上限額 (ハードウェア以外) |
補助率 (ハードウェア以外) |
|
下限なし~350万円 | 3/4(※1)または2/3以内 (導入する決済ソフトの機能による) |
※1小規模事業者は4/5 |
たとえば、IT導入補助金の通常枠の場合、1機能以上のITツールでは5万円~150万円未満、4機能以上のITツールではでは150万円~450万円以下でITツールが補助されます。そのため、ITツールの費用が高額な場合は、通常枠で4機能以上のITツールを選ぶことになります。
また、インボイス枠(インボイス対応類型)の場合は、ソフトウェア購入費に追加して、ハードウェアも補助の対象です。対象のハードウェアは種類が限定されており、パソコン、タブレット、POSレジ、券売機の4点です。
IT導入補助金では、ソフト本体価格はもちろんのこと、ライセンス使用料や業者に依頼する設定や研修費なども対象です。IT導入補助金では複数のITツールや設定費用やライセンス料も申請できるので、申請する際はまとめて申請するように心がけましょう。
なお、IT導入補助金ではPOSレジに付属する「キャッシュレス端末機」やプリンターも補助の対象です。ただし、POSレジを申請しない状態でキャッシュレス端末機やプリンターのみを申請することはできないため、注意してください。
決済ソフトを導入する場合の補助金額の計算例
IT導入補助金で決済ソフトを導入する場合、補助金額がいくらになるかの計算例を紹介します。IT導入補助金でいくら戻るかをあらかじめ計算しておくと、大まかな自己負担額がイメージしやすくなります。
【POSシステムとPOSレジ1台を導入する際の計算例】
条件(インボイス対応類型で30万円のPOSシステムと20万円のPOSレジを補助率3/4で申請する) ①手順:①経費×補助率=補助金額 ②実際の計算:30万円+20万円=50万円 50万円×3/4=37.5万円 ③補助金額:37.5万円 ④事業者の自己負担額:12.5万円 |
たとえば、インボイス枠(インボイス対応類型)でPOSレジを導入する場合、30万円のPOSシステムと20万円のPOSレジを補助率3/4で申請すると、37.5万円が補助されます。
IT導入補助金で購入する決済ソフトの価格が分かれば、どのぐらいの割引で購入できるかを判断できます。決済ソフトの費用は従業員数や使用目的で異なる場合もあるため、正確な費用を知りたい人は、決済ソフトの販売会社にあらかじめ問い合わせてみましょう。
欲しい決済ソフトがIT導入補助金で補助対象なのかは確認できる
欲しい決済ソフトがIT導入補助金で対象なのかは確認できます。ITツールを調べる方法は、「ITツール検索で調べる」「ネット検索で欲しい決済ソフト名で調べるか」「IT導入支援事業者に確認する」といった方法があります。
【欲しい決済ソフトがIT導入補助金で対象なのかを調べる方法】
①ITツール検索で調べる ②WEB検索で欲しい決済ソフト名で調べる ③IT導入支援事業者に確認する |
たとえば「①ITツール検索で調べる」の場合、IT導入補助金の公式サイトにある「ITツール検索」を使い、補助対象ツールに登録されている製品を検索できます。そのため、正式な情報が欲しい人や、複数の情報を比較したい人に向いた方法です。
また「③IT導入支援事業者に確認する」の場合は、各IT導入支援事業者が取り扱うITツールを確認できます。IT導入支援事業者は、IT導入補助金に申請する事業者のパートナーとして位置づけられているため、申請方法や手続きも教えてもらえる可能性があります。
IT導入補助金で購入できる、決済ソフトの公的な一覧はありません。IT導入補助金で対象の決済ソフトは、金額も機能もさまざまです。効率的に自社に合う決済ソフトを見つけられるよう、ITツール検索やIT導入支援事業者の手を借りて、納得いくまで探してみましょう。
なお、IT導入支援事業者とは、IT導入補助金に登録されたITツールの販売業者およびメーカーです。IT導入支援事業者について概要を知りたい人は「IT導入補助金のIT導入支援事業者とは?サポート内容や選び方を解説」を参考にしてみてください。
ITツール検索で対象の決済ソフトを探す
ITツール検索は、IT導入補助金の公式サイトにあります。IT導入補助金で対象の決済ソフトやその他のソフトを探している人は、ITツール検索を使ってみましょう。ただし、対象のPOSレジやパソコンは表示されないので、IT導入支援事業者に確認してみてください。
【ITツール検索での決済ソフトの探し方】
1. IT導入補助金の公式サイトで「ITツール検索」へアクセスする 2. 対応可能エリアで該当の都道府県名 3. 下の方にある「ツール名を探す」に「決済」と入力、または申請予定の枠の○にチェックを入れ、「決済」にかかわる機能にチェックする 4. 一番下の「検索」をクリックする |
ITツール検索では、「ツール名を探す」と「要件/目的から探す」の2つの方法で探せます。既に気になる決済ソフト名やメーカーが分かっている場合は「ツール名を探す」を、とりあえず申請する枠の対象となっているITツールを複数見てみたい人は「要件/目的から探す」を利用してみてください。
IT登録支援事業者に問い合わせて探す
IT登録支援事業者に問い合わせれば、IT導入補助金で対象の決済ソフトを探せます。IT導入支援事業者は各種ITツールをIT導入補助金に登録しているため、取り扱いのあるITツールであれば、さまざまな質問に答えてもらえるでしょう。
【IT導入支援事業者の概要】
|
たとえば、現在使っている会計ソフトと連携できる決済ソフトを探している場合、IT導入支援事業者が補助対象かつ互換性のある決済ソフトを紹介してくれる可能性があります。
その際、希望の決済ソフトを取り扱っていなかったとしても、連携している別のIT導入支援事業者を紹介してくれる可能性もあります。
IT導入支援事業者は全国各地に存在していて、IT導入補助金の公式サイトではエリアやITツールごとのIT導入支援事業者を探せます。「ITツール検索」ではIT導入支援事業者も検索できるので、ITツール検索で決済ソフトを扱うIT導入支援事業者を探してみましょう。
なお、IT導入補助金を使って決済ソフトを購入する場合、事業者はIT導入支援事業者を通して購入することになります。IT導入支援事業者以外から決済ソフトを購入しても、IT導入補助金の対象とはならないので、注意してください。
IT導入補助金の活用で想定される決済ソフトの導入シーン
IT導入補助金の活用で想定される決済ソフトの導入シーンを紹介します。IT導入補助金を使った決済ソフトの導入は、さまざまなパターンがあるため、事前に導入シーンを想定してみるとIT導入補助金の仕組みを理解しやすいです。
【決済ソフトの導入シーンとITツールの組み合わせ例】
導入シーン 申請するITツール(ソフト) 申請するITツール(ハード)
|
たとえば、入金サイクルを改善したい事業者の場合、決済機能付き請求ソフトとパソコンを導入することで、請求と同時に決済が完了できます。これにより入金サイクルが改善するため、資金繰りにも良い影響を与える可能性があります。
また、人手不足の飲食店の場合、券売機専用クラウドシステムと券売機を導入することで、顧客を案内する人員や会計をする人員が不要になります。これにより少ない人数での営業も実現できる可能性があります。
IT導入補助金で対象のITツールには、決済ソフトだけでなく、会計ソフトや販売管理システムなどの豊富な種類があります。IT導入補助金の申請には少なからず時間がかかるため、合わせて申請できる他のITツールがないか、他のITツールも確認してみましょう。
この記事のまとめ
対象となる決済ソフトには「POSシステム」や「ShopWorks7G」などがあります。決済機能のみのソフトウェアよりも、POSや受発注機能と合わせたソフトウェアが対象の製品の中で目立ちます。
IT導入補助金で対象の決済ソフトは、特に一覧が公開されていません。そのため、対象の決済ソフト名を調べたい人は、IT導入補助金の公式サイトにある「ITツール検索」で条件設定をし、検索をして調べましょう。
IT導入補助金では最大450万円が補助率1/2や2/3で補助されます。インボイス枠(インボイス対応類型)」へ申請すると、決済ソフトのみでなく、POSレジやパソコンなどのハードウェアも同時に補助されます。