補助金ガイド

IT導入補助金の複数社連携IT導入枠とは?対象者や対象事業も解説

2024/08/30

2022/12/9

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

IT導入補助金の申請を検討している人の中には、複数社連携IT導入枠とはどのような補助枠なのか気になる人もいますよね。また、複数社連携IT導入枠の申請要件を知りたい人もいるでしょう。

当記事では、複数社連携IT導入枠の概要を解説します。また、複数社連携IT導入枠の申請要件についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、当記事はIT導入補助金2024公式サイトにある「資料ダウンロード」の複数社連携IT導入枠の公募要領を参考に作成しています。

複数社連携IT導入枠は複数の事業者がITツールを導入するための申請枠

複数社連携IT導入枠とは、サプライチェーンや商業集積地など、複数の中小企業や小規模事業者等が連携してITツールを導入するための枠です。そのため、導入するITの費用や、効果的に連携するための費用を支援してもらえます。

たとえば、過去に採択された亀岡商業協同組合かめPay導入グループでは、20者の事業者が参画しました。その際、地域の住民に対して利便性の高いサービスを提供するために独自の電子地域通貨である「かめPay」の導入にかかる費用を補助された事例があります。

複数の企業で連携して事業を始めたい、ITツールを導入したいという人は、複数社連携IT導入枠の申請を検討してみてください。

ハードウェアや外部専門家にかかる謝金などが対象になる

複数社連携IT導入枠では、「会計」「受発注」「決済」の機能を保有するソフトウェアと、ソフトウェアに関連するハードウェアや外部専門家に係る謝金などが補助の対象になります。

【複数社連携IT導入枠の補助対象経費と例】

補助対象経費
(1)基盤導入経費 インボイス対応類型にて、補助対象経費として定義されているITツール
1)「会計」「受発注」「決済」の機能を保有するソフトウェア
2)1)に関連する「拡張機能」「データ連携ツール」「セキュリティ」などのオプション、「導入コンサルティング」「導入設定、マニュアル作成、導入研修」といったサービス
3)1)に必要となるハードウェア「PC」「タブレット」「プリンター」「スキャナー」およびそれらの複合機器、「POSレジ」「モバイルPOSレジ」「券売機」
(2)経費動向等分析経費 (1)基盤導入経費以外で補助事業に用いられるITツール
1)異業種間の連携や地域における人流分析、商取引等の面的なデジタル化に必要となるソフトウェアとそのオプション、サービス
消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電子地域通貨システム、キャッシュレスシステム、生体認証決済システム
2)1)のソフトウェアに必要となるハードウェア
「AIカメラ」「ビーコン」「デジタルサイネージ」等
(3)その他経費 1)代表事業者が補助事業グループをとりまとめるために要した経費
人件費、消耗品費、備品費、印刷費(資料作成費を含む)、広報費、通信運搬費、会議費、資料購入費、補助員人件費
2)外部専門家による導入・活用支援にかかる費用
外部専門家にかかる謝金、旅費

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

たとえば、経費動向等分析経費では、来街者の属性や会費データを分析するのに必要なデータを取得するためのAIカメラ等が対象となります。

また、その他経費では、代表事業者が補助事業グループをとりまとめるために要した人件費や外部専門家による導入、活用支援にかかる謝金などが対象になります

ITツールを導入することで事業をより効率的に行いたい、補助事業グループをとりまとめるために外部専門家を導入したいという人は、複数社連携IT導入枠の利用を検討してみましょう。

最大3,200万円まで補助される

複数社連携IT導入枠では、最大3,200万円まで補助金を受けることができます。複数社連携IT導入枠では、経費ごとに補助率と補助上限額が定められています。補助される金額は、補助率を用いて計算でき、計算した金額と補助上限額のいずれか低い方が補助額として認められます。

【経費ごとの補助率と補助額】

種類 (1)基盤導入経費 (2)消費動向等分析経費
(3)補助事業者が参画事業者をとりまとめるために要する事務費、外部専門家謝金、旅費
補助額
5万円~350万円
50万円×グループ構成員数
((1)+(2))×10%
5万円~50万円以下部分 50万円超~350万円部分
補助率 3/4以内 2/3以内 2/3以内 2/3以内
補助上限額 3,000万 200万

たとえば、グループ構成員が10、実際に要する経費が900万円の場合、「補助対象経費900万円×補助率2/3=600万円」ですが、補助額が「50万円×グループ数10=500万円」のため、消費動向等分析経費として補助上限額の500万円が補助される計算になります。

 基盤導入経費の補助額は、IT導入補助金の公式サイト補助金シミュレーターで計算のシミュレーションができます。基盤導入経費で申請を検討している人は活用してみてください。

経費と補助額の例

複数社連携IT導入枠には、様々な対象経費が存在します。そこで、複数社連携IT導入枠の経費の項目と補助額の例を紹介します。

【経費の項目とその内訳】

項目 経費詳細 補助額
(1)基盤導入経費 合計516万円
(内訳)
・会計機能を備えたソフトウェアA 200万円
・決済機能を備えたソフトウェアB 200万円
・会計に必要なPC 20万円
・決済に必要なレジ 40万円
・ソフトウェアAの拡張機能 16万円
・ソフトウェアBの保守サポート 40万円
合計350万円
(内訳)
(1)基盤導入経費の合計の補助額が50万円までの補助対象経費666,667円×補助率3/4=50万円

(1)基盤導入経費の合計の補助額が50万円以降の補助対象経費450万円×補助率2/3=300万円
(2)消費動向等分析経費 合計 3,975万円
(内訳)
・人流分析、消費者分析などを行うためのアプリ導入費 900万円
・アプリの導入に必要なAIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ 270万円
・製品の経営管理や需要予測をを行うために必要な需要予測システム825万円
・需要予測に必要なタブレット 150万円
・企業間における決済手続きの効率化を行うために必要な受発注ソフト 600万円
・受発注に必要なPC 150万円
・電子地域通貨の導入にかかる電子地域通貨システム 900万円
・電子地域通貨システムに必要なキャッシュレス対応レジ 180万円
合計 2,650万円
(内訳)
(2)消費動向等分析経費の合計3,975万円×補助率2/3=2,650万円
(3)その他経費 合計 300万円
(内訳)
・取りまとめに要した事務費 75万円
・外部専門家への謝金 150万円
・旅費 75万円
合計 200万円
(内訳)
(3)その他経費の合計300万円×補助率2/3=200万円
総計 合計4,786万円
(内訳)
・(1)基盤導入経費 556万円
・(2)消費動向等分析経費 3,930万円
・(3)その他経費 300万円
合計3,200万円
(内訳)
・(1)基盤導入経費 350万円
・(2)消費動向等分析経費 2,650万円
・(3)その他経費 200万円

たとえば、1)基盤導入経費を上限の350万円申請する場合、2) 消費動向等分析経費の補助上限額になる2,650万円を補助額にするには、53者以上のグループ構成員で申請する必要があります。

「基盤導入経費」「消費動向等分析経費」「その他経費」でそれぞれ計算する必要があるので、それぞれの項目の経費合計を算出して補助額を計算してみましょう。

補助事業グループが実施する9個の事業が補助対象となる

複数社連携IT導入枠では補助事業グループが実施する9個の事業が補助対象となります。

【補助対象となる事業と詳細】

補助対象となる事業 詳細
①インボイス制度に向けた対応
インボイス制度に向けて「会計ソフト」「受発注ソフト」「決済ソフト」などを複数社に導入するとともに、導入した事業者間でのデータ連携や得られたデータの活用によりさらなる生産性の向上を図る取組
②異業種間のデータ連携
特定の商圏における卸売業、小売業、飲食業など、同じ顧客を抱える企業が、来客数や販売在庫、宿泊情報等を複数社で共有できる受発注ソフトや会計ソフト等を導入し、顧客に関するデータを共有することにより、効率的な販売、在庫管理を図る取組
③企業間決済手続きの効率化
複数社共通の受発注ソフトに連携した電子地域通貨やデジタル講座等を活用し、法人間決済ネットワークサービスを導入することで、企業間の決済の省人化や効率化等を図る取組
④面的キャッシュレス化によるサービス向上
面的キャッシュレス化によるサービス向上、複数社共有で活用する電子地域通貨を導入し、キャッシュレス化を推進することにより、新規顧客の獲得やデータを活用したマーケティング等によりサービス向上を図る取組
⑤ 需要予測システム等による顧客の情報分析
商品またはサービスを購入する消費者の属性、購買情報をダッシュボードなどで分析することのできる需要予測システム、POSレジを複数社に導入し、消費者の購買行動や傾向などを分析する取組を地域で共有することにより地域一体となって効果的な販売促進を図る取組
⑥人流分析、消費者分析
地域における消費動向や人竜東のデータを取得するためのAIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ等を個店や街路に導入し、集客、需要予測ツール等を用いて、得られたデータを活用して効果的な情報発信、「商品」「単価」「陳列」などの見直しを行い、適正な発注、人員配置などによるコスト削減を目指した効果的なマーケティングを図る取組
⑦参画事業者における事業の効率化
アンケートの実施、商品券やポイント券の配布など、これまで複数社が連携してアナログで実施していた取り組みをデジタル化し、通年でITツールの活用、データ分析を行うことにより、コスト削減や売上向上を図るとともに、取得したデータをもとに効果的な情報発信等を図る取組
⑧地域課題解決に必要となる取組
地方公共団体、金融機関、公共機関、ITベンダー、観光団体、医療、介護、福祉、教育、防災、防犯関係者などと連携し、地域課題解決に必要となるデジタル化の取組を通じて、複数社の生産性の向上を図る取組
⑨その他
その他、複数の事業者が連携することにより生産性の向上につながる事業で①~⑨に類する事業

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

複数社連携IT導入枠の対象事業の詳しい事例を確認してみましょう。

事例①的確インボイス制度に向けて取り組みを行う事業

この事業は、インボイス制度に向けてソフトウェアを複数社に導入し、事業者間でのデータ連携や得られたデータの活用によりさらなる生産性の向上を図る取組が対象となります。

たとえば、決済ソフトを導入し、支払い実績から顧客情報や商品の売れ行きなどを把握、分析する場合の決済ソフトの導入費が対象となります。

複数社でインボイス制度に向けた対応を考えている人は、複数社連携IT導入枠の申請を検討してみましょう。

事例②異業種間におけるデータ連携を行う事業

この事業は、特定の商圏における卸売業、小売業、飲食業など、同じ顧客を抱える企業が、来客数や販売在庫、宿泊情報等を複数社で共有できる受発注ソフトや会計ソフト等を導入し、顧客に関するデータを共有することにより、効率的な販売や在庫管理を図る取組が対象となります。

たとえば、受発注ソフトを導入することで、支払い実績などと連動して需要を予測し、適正な受発注を行う場合の受発注ソフトの導入費が対象となります。

異業種間におけるデータ連携を行う事業を考えている人は、複数社連携IT導入枠の申請を検討してみましょう。

事例③地域の課題解決に必要となる事業

この事業は、地方公共団体や金融機関などと連携し、地域課題解決に必要となるデジタル化の取組を通じて、複数社の生産性の向上を図る取組が対象となります。

【連携先の例】

  • 地方公共団体
  • 金融機関
  • 公共機関
  • ITベンダー
  • 観光団体
  • 医療機関
  • 介護施設
  • 福祉施設
  • 教育機関
  • 防災機関
  • 防犯関係者

たとえば、データ分析システムを導入することで、取り込んだ複数のデータを掛け合わせて分析を行うシステム等のデータ分析システムの導入費が対象となります。

地域の課題解決に必要となる事業を考えている人は、複数社連携IT導入枠の申請を検討してみましょう。

申請するには対象者の要件を満たす必要がある

複数社連携IT導入枠に申請するには対象者の要件を満たす必要があります。
対象者の要件は「補助事業グループ」「代表事業者」「参画事業者」の3種類あります。

【対象者の種類】

項目 概要
補助事業グループ
申請するグループ全体のこと
代表事業者
グループ構成員のうち1者が担うもので、補助事業の全体執行管理を行う者のこと
参画事業者
代表事業者の取りまとめのもと、ITツールの導入および利活用を行い、補助事業を実施する者のこと

対象者の要件を満たさないと複数社連携IT導入枠に申請できないので、要件をよく確認してから申請するようにしましょう。

補助事業グループの要件

補助事業グループの申請の対象となる要件は2点あります。

【補助事業グループの要件】

① 労働生産性の向上を目的とし、同一の補助事業を実施するグループ構成員10者以上のまとまりであること
② 当該補助事業グループの発足経緯、事業内容等について合理的な説明ができること

たとえば、同一の補助事業を実施するグループ構成員が10者未満の場合は、補助事業グループとして認められません。

 補助事業グループとして認められるには、補助事業グループの2点の要件を満たす必要があるので、自分が補助事業グループの要件に当てはまっているか確認するようにしましょう。

代表事業者の要件

代表事業者の申請の対象となる要件は6点あります。

【代表事業者の要件】

① 次のいずれかに属する者
i. 補助事業の取りまとめ役及び事業の執行管理を担うことができる中小企業、小規模事業者等
ii. 商店街を構成する団体であって、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会および中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)第9条ただし書きに規定する商店街組合またはこれを会員とする商工組合連合会において法人格を有するもの
iii. 商工会法(昭和35年法律第89号)に基づく商工会議所
iv. 商工会議所法(昭和28年法律第143号)に基づく商工会議所
② 交付申請時点において、国内で法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されていること)され、日本国内で事業を営む法人であること
③ GビズIDプライムアカウントを取得していること
④ 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行うこと。また、宣言内容の確認に際し事務局が一部の交付申請情報を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共有することに同意すること
⑤ 自身および参画事業者の交付申請、事業実績報告、事業実施効果報告等の取りまとめおよび提出、補助事業実施の先導、実施管理や「事務局」「IT提供事業者」「外部専門家」等とのコミュニケーション窓口など、各種手続き、調整などを補助事業グループの中で主体的に担う役割を果たすこと
⑥ 補助事業に関わる各種トラブル、事故等の対応および事務局との手続き等をとりまとめた対応すること

たとえば、GビズIDプライムアカウントを取得していない場合は代表事業者となることができません。

代表事業者と認められるには、代表事業者の6点の要件を満たす必要があります。そのため、複数社連携IT導入枠の申請時に、代表事業者になる可能性がある人は、代表事業者の要件に当てはまっているか確認するようにしましょう。

参画事業者の要件

参画事業者の申請の対象となる要件は4点あります。

【参画事業者の要件】

① 中小企業、小規模事業者等であること
② 交付申請時点において、日本国内で法人登記(法人番号がしてされ国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されていること)され、日本国内で事業を営む法人または日本国内で事業を営む個人であること
③ IT提供事業者が提供する、労働生産性の向上に必要となるITツールを利用し、代表事業者の管理のもと補助事業を遂行すること
④ 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行うこと

たとえば、日本国外で事業を営む法人または日本国外で事業を営む個人の場合は対象とはなりません。

参画事業者と認められるには、参画事業者の4点の要件を満たす必要があります。そのため、複数社連携IT導入枠の申請時に参画事業者となる可能性がある人は、参画事業者の要件に当てはまっているか確認するようにしましょう。

複数社連携IT導入枠の申請の流れ

複数社連携IT導入枠に申請する際の流れは次のようになっています。流れを確認しておくことで、次にやるべきことが明確になり、複数社連携IT導入枠に申請するための準備にかかる時間を減らすことが可能です。

【複数社連携IT導入枠の申請の流れ】

① 補助事業グループを作る
② ITツールを選び補助事業計画を作成する
③ 代表事業者がGビズIDプライムアカウントを取得する
④ 交付申請で必要な書類を取りまとめる
⑤ 代表事業者がJGrantsにて申請する

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

準備するべきものは、代表事業者や参画事業者などの立ち位置によって異なります。また、申請にかかる時間は、申請を行う時期が込み合っている場合などは通常より伸びる可能性があるため、余裕を持って準備に取り掛かりましょう。

ITツールを選び補助事業計画を作成する

ITツールの選定では、今後行おうとしている事業の課題や悩みから、事業にあったITツールを選択し、条件に合ったIT導入支援事業者から導入を検討します。

IT導入支援事業者の決定後、IT導入支援事業者と補助事業計画の立案、見積もりの確認等を行います。

なお、IT導入補助金では、原則としてITツールを導入する際は、IT導入支援事業者から導入する必要があります。条件に合ったIT導入支援事業者を探したいという人は、IT導入補助金公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索」を活用してみてください。

代表事業者がGビズIDプライムアカウントを取得する

複数社連携IT導入枠を申請する際、代表事業者となった場合はGビズIDプライムアカウントを取得している必要があります。

GビズIDプライムアカウントとは、複数の行政サービスを1つのアカウントで利用できる認証システムです。GビズIDプライムアカウントを取得すると、このシステムにつながる行政サービスで利用することができます。

申請書と必要書類を郵送してから、原則2週間以内に審査が実施されアカウントが発行されます。しかし、書類に不備がある場合や申込が多い時期などはアカウントが発行されるまでに3~4週間程度かかることがあります。補助金の申請を検討している場合には、なるべく早めにGビズIDプライムアカウントを取得しておきましょう。

また、GビズIDプライムアカウントは「gBizID」から取得が可能です。

交付申請で必要な書類を取りまとめる

交付申請の取りまとめでは、参画事業者の申請情報や添付用商標書類の作成を行います。

複数社連携IT導入枠では、グループで提出が必要な書類のほかに、代表事業者や参画事業者など立場によって提出する書類に違いがあります。そのため、自分の立場に合わせて必要書類を確認しましょう。

【グループで提出が必要な書類】

書類名 詳細
様式1
参画事業者情報
様式2
導入ITツール情報
様式3
実施事業区分(基盤導入経費)
様式4
実施事業区分(消費動向分析経費)
様式5
基盤導入経費
様式6
消費動向分析経費
様式7
その他経費
様式8
事業全体経費
選定理由書
IT提供事業者、または外部専門家が補助事業グループの実施する事業を支援する場合の選定理由
ただし、該当者がいない場合は提出不要
ITツールの概要
導入するITツールの概要が分かる資料
なお、様式2にある「ITツール説明URL」欄を記載している場合は任意とする
システム構成図
ITツールをどのように構成し、事業を実施するか分かる資料
実施体制図
代表事業者と参画事業者の関係が分かる資料
実施エリア図
補助事業の実施エリアが分かる平面図等

【代表事業者の必要書類】

書類名 詳細
実在証明書
履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)
事業継続確認書類
税務署の窓口で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)

【参画事業者で法人の場合に提出が必要な書類】

書類名 詳細
実在証明書
履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)
事業継続確認書類
税務署の窓口で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)

【参画事業者で個人事業主の場合に提出が必要な書類】

書類名 詳細
本人確認書類 (有効期限内の)運転免許証もしくは運転経歴証明書もしくは住民票(発行から 3 ヶ月以内のもの)
事業継続確認書類1 税務署の窓口で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その 1」もしくは「その 2」)
事業継続確認書類2 税務署が受領した直近分の確定申告書Bの控え

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

たとえば、同じ参画事業者でも、法人の場合は実在証明書と事業継続確認書類、個人事業主の場合は本人確認書類と事業継続確認書類1、2と提出する書類に違いがあります。

履歴事項全部証明書は、法務局窓口やオンラインから発行可能です。郵送でも入手可能であるため、自身に合った方法で申請の3カ月以内に入手しましょう。

グループで提出が必要な書類は、IT導入補助金の公式サイト「資料ダウンロード」の各種様式からダウンロードできます。複数社連携IT導入枠に申請予定の人は「規定様式・計算用ツールExcel_複数社連携IT導入枠」をダウンロードして規定様式を確認しましょう。

複数社連携IT導入枠の審査内容

複数社連携IT導入枠の審査は、専門家で構成された外部審査委員会が定めた項目で行われ、事務局は補助事業グループの採択を行います。

【審査項目と審査事項】

審査項目
審査事項
事業面からの審査項目
(1)事業面の具体的な審査
・複数の中小企業、小規模事業者等の生産性の向上のために効果的なITツールが導入されているか(ITツールの目的と効果の理解)
・生産性の向上のために、ITツール導入後の効果的な活用まで考えられているか(ITツール導入後の活用計画)
・商業集積地、サプライチェーンの課題を理解し、改善に向けた具体的な問題意識を持っているか(商業集積地、サプライチェーンの課題の理解)
・地域、商取引方法の状況や課題分析および将来計画に対し、導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか(商業集積地、サプライチェーンの課題に対するITツールの適性) など
(2)計画目標の審査
・生産性の向上率
政策面からの審査項目 (3)加点項目にかかる取組の審査
・生産性の向上および働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

たとえば、(2)計画目標の審査の生産性の向上率では、事業実施前と実施後を比較して、一人当たりの売上または1時間当たりの売上が向上する計画となっているかどうかが確認されます。

審査は原則として、提出された書類から行われるため、提出が必要な書類をよく確認し、不備がないようにしましょう。

加点項目は5つある

複数社連携IT導入枠の加点対象となるには、5つの要件のいずれかに該当していることが条件となっています。

【複数社連携IT導入枠の加点項目】

① 複数社、地域の生産性向上のためにより新規性のある取り組み
② 本事業を通じて得られた知見やノウハウ、データマーケティングの手法などを地域で普及啓発し、地域の生産性の向上につなげる取組
③ 本事業を通じて得られたデータを可能な範囲でオープン化し、地域の課題解決につなげていく取組
④ 地域の自治体、金融機関、公共機関、ITベンダー、観光団体、医療、介護、福祉、教育、防災、防犯関係者などと連携し、地域課題の解決を目指す取組
⑤ 本事業を実施する以前にデジタル化の取り組みを実施しており、既存の取り組みと合わせて本事業を行うことで、事業の加速化を図る取組

参考:「複数社連携IT導入枠の公募要領」|IT導入補助金2024公式サイト

たとえば、商業集積地において参画事業者が、共通で利用する電子地域通貨システムやキャッシュレス対応レジなどを導入し、地域全体でキャッシュレス化を促進することで、新規顧客の獲得やデータを活用したマーケティング等につなげ、生産性の向上を図る事業が挙げられます。

5つのいずれかに合致していると複数社連携IT導入枠の審査に加点され、審査において有利になります。

この記事のまとめ

複数社連携IT導入枠とはサプライチェーンや商業集積地など、複数の中小企業や小規模事業者等が連携して、ITツールを導入することや効果的に連携するためにかかる費用を支援するための申請枠です。

複数社連携IT導入枠では「会計」「受発注」「決済」の機能を保有するソフトウェアと、ソフトウェアに関連するハードウェアや外部専門家に係る謝金などが補助の対象になります。ITツールを導入することで事業をより効率的に行いたい、補助事業グループをとりまとめるために外部専門家を導入したいという人は、複数社連携IT導入枠の利用を検討してみましょう。

複数社連携IT導入類型では補助事業グループが実施する「インボイス制度に向けた対応」や「面的キャッシュレス化によるサービス向上」などの9個の事業が補助対象となります。

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