補助金ガイド

freeeの導入に利用できるIT導入補助金とは?

2024/07/01

2024/6/28

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

IT導入補助金は、生産性向上や業務効率化につながるITツールを導入したい中小企業や小規模事業者等が利用できる制度です。規定の事業規模以内であれば、法人だけでなく個人事業主もITツールの導入に利用できます。

当記事では、freeeの導入に利用できるIT導入補助金について解説しています。IT導入補助金を利用してfreeeを導入したいと考えている人は参考にしてみてください。

なお、当記事はIT導入補助金2024の公式サイトを参考に作成しています。

freeeを含むITツールの導入に利用できる補助金のこと

IT導入補助金とは、freeeを含むITツールの導入に利用できる補助金のことです。IT導入補助金は中小企業や小規模事業者の生産性の向上を目的としているため、freeeのような業務効率化につながるITツールの導入に対して補助金を受給できる制度になっています。

【IT導入補助金の概要】
目的 業務効率化やデジタル化につながるITツールを導入することにより、労働生産性を向上させること
導入できるITツール
  • ソフトウェア(freee、マネーフォワード、楽楽 など)
  • ハードウェア(パソコン、タブレット、POSレジ など)
  • サービス(セキュリティ強化サービス)
  • 導入関連費(機能拡張、導入設定、マニュアル作成 など)
対象者
  • 中小企業
  • 小規模事業者
  • 個人事業主 等

参考:公式サイト(IT導入補助金とは)|IT導入補助金2024

たとえば、個人事業主が会計業務に課題を抱えている場合は、freee会計の導入にIT導入補助金を利用できます。freee会計を導入することにより会計業務の効率化につながるため、freeeの導入費用の一部をIT導入補助金として受け取ることが可能です。

IT導入補助金は、補助金の目的に沿ったITツールを導入する場合に利用できる補助金です。IT導入補助金を利用したい人は、自社の経営課題を把握したうえで生産性の向上につながるfreeeの導入を検討しましょう。

パソコンを含むハードウェアの導入にも利用できる場合がある

IT導入補助金はパソコンを含むハードウェアの導入にも利用できる場合があります。IT導入補助金を利用してハードウェアを導入するにはさまざまな条件があるため、ハードウェアを導入するための条件も押さえておきましょう。

【IT導入補助金を利用してハードウェアを導入するための条件】

  • インボイス枠(インボイス対応類型)に申請すること
  • ハードウェアの利用目的が導入するソフトウェアを利用するためのものであること
  • ハードウェアの購入先がソフトウェアの購入先と同じIT導入支援事業者であること
  • ハードウェアの価格が市場価格を逸脱していないこと

たとえば、ハードウェア導入の条件は「申請枠」「利用目的」「購入先」「価格」などがあります。いずれかの条件を1つでも満たせない場合は、ハードウェアの導入にIT導入補助金を利用できなくなります。

条件を満たしてIT導入補助金を利用する場合に限り、パソコンやタブレット、POSレジなどのハードウェアに対する補助金も受け取れます。freeeと共にハードウェアを導入したい人は、インボイス枠(インボイス対応類型)の概要の確認をしてみましょう。

導入するfreeeの種類によって申請枠が異なる

導入するfreeeの種類によって申請枠が異なります。freeeを導入できる申請枠は「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」の3つあり、申請枠ごとに導入できるfreeeの種類が異なります。

【申請枠ごとに導入できるfreeeの種類】
申請枠 特徴 freeeの具体例
通常枠 国の制度変更に対応するためのITツールの導入に利用できる

※国の制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入)
  • freee人事労務
  • freee勤怠管理
  • freee工数管理
  • freeeサイン
  • freee会計
  • freee申告
  • freee経理
  • freee販売
  • freee債務
  • freee請求書
  • freee支出管理
  • freee業務委託管理
インボイス枠
インボイス対応類型
インボイス制度へ対応するためのITツールを導入できる

※通常枠よりも補助率を引き上げて優先的に支援している傾向にある
  • freee会計
  • freee申告
  • freee経理
  • freee販売
  • freee債務
  • freee請求書
  • freee支出管理
  • freee業務委託管理
インボイス枠
電子取引類型
取引関係における発注者と受注者がインボイス制度へ対応するためのITツールを導入できる

※発注者が「受発注ソフト」を導入する場合に、受注者に付与するアカウントも補助対象となる
  • freee業務委託管理

参考:ITツール・IT導入支援事業者検索|IT導入補助金2024

たとえば、freee人事労務やfreee勤怠管理の導入にIT導入補助金を利用したい場合は、通常枠に申請することになります。インボイス対応類型や電子取引類型では、人事労務や勤怠管理は対象外になるため、導入したいソフトウェアに合わせて申請枠を選びます。

申請枠ごとに特徴が異なるため、導入できるfreeeの種類も異なります。導入したいfreeeの種類に該当する申請枠を見つけた人は、該当する申請枠の補助対象経費や補助額などの概要を把握しましょう。

通常枠は国の制度変更に幅広く対応できる

通常枠は国の制度変更に幅広く対応できる申請枠です。通常枠は補助対象経費になるソフトウェアの機能の種類が多く事業者のさまざまな課題に対して生産性の向上につながるソフトウェアを導入できるため、国の制度変更への対応にもつながります。

【通常枠の補助対象経費】
項目 内容
ソフトウェア [対象となる機能]
  1. 顧客対応、販売支援
  2. 決済、債権債務、資金回収
  3. 供給、在庫、物流
  4. 会計、財務、経営
  5. 総務、人事、給与、労務、教育訓練、法務、情シス
  6. 業種固有プロセス
  7. 汎用、自動化、分析ツール
オプション
  • 機能拡張
  • データ連携ツール
  • セキュリティ
役務
  • 導入コンサルティング
  • 導入設定、マニュアル作成、導入研修
  • 保守サポート

参考:通常枠 公募要領(p14)|IT導入補助金2024

通常枠にて対象になるソフトウェアは、機能①〜⑦のいずれかの機能を持つものです。通常枠は対象となる機能の種類が多いため、「freee会計」「freee請求書」だけでなく、インボイス枠では対象にならない「freee人事労務」「freee勤怠管理」なども導入できます。

また、ソフトウェアの導入と共に、オプションや役務も補助対象経費に含まれます。freeeのソフトウェアを導入する場合は、セキュリティを強化するための費用や導入する際の設定の費用などのfreeeの導入関連費も対象になります。

通常枠は他の申請枠よりも導入できるソフトウェアが多い申請枠です。導入したいfreeeの機能が「会計」「決済」「受発注」以外に該当する人は、通常枠にて対象の機能となっているかを確認してみましょう。

通常枠は導入費用の1/2の補助金を受給できる

freeeの導入に通常枠を利用した場合は、導入費用の最大1/2のIT導入補助金を受け取れます。IT導入補助金における受給できる補助金額は、通常枠にて決められている「補助額」と「補助率」から計算します。

【通常枠の補助額と補助率】
項目 補助額 補助率
  • ソフトウェア
    (購入費、クラウド利用料最大2年分)
  • オプション
  • 役務
5万円~150万円未満
[1プロセス(機能)以上]
1/2以内
150万円~450万円以下
[4プロセス(機能)以上]

参考:通常枠 公募要領(p15)|IT導入補助金2024

通常枠において受給できる金額を知りたい人は、受給できる補助金の計算に補助率1/2を用います。クラウド利用料2年分が10万円のfreeeを導入する場合は「導入費用10万円×補助率1/2」の計算式により最大5万円の補助金を受給できます。

通常枠に申請する場合は、freeeの導入における申請者の実質負担額が半額になります。通常枠に申請予定の人は「導入費用×補助率1/2」の計算式を用いて、受給できる補助額を計算してみましょう。

インボイス対応類型はインボイス制度に対応できる

インボイス枠(インボイス対応類型)はインボイス制度に対応できる申請枠です。インボイス対応類型はインボイス制度への対応を強力に推進するために、インボイス対応につながるITツールのみが補助対象になりますが、通常枠よりも補助率が高く設定されています。

【インボイス枠(インボイス対応類型)の補助対象経費】
項目 内容
ソフトウェア
  • 会計
  • 決済
  • 受発注
オプション
  • 機能拡張
  • データ連携ツール
  • セキュリティ
役務
  • 導入コンサルティング
  • 導入設定、マニュアル作成、導入研修
  • 保守サポート
ハードウェア
  • パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機
  • POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機

参考:インボイス枠(インボイス対応類型) 公募要領(p11)|IT導入補助金2024

インボイス対応類型にて対象になるソフトウェアは「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を有するものです。インボイス対応類型は対象となる機能が3種類に限られますが「freee会計」「freee請求書」「freee販売」などを導入できます。

また、インボイス対応類型は唯一ハードウェアが対象になる申請枠です。freeeのソフトウェアを導入する場合は、freeeのソフトウェアを利用するための端末としてパソコンやタブレットなども対象になります。

インボイス対応類型は、「会計」「決済」「受発注」のソフトウェアを導入する場合に、通常枠よりも多くの補助金を受け取れる可能性があります。導入したいfreeeが「会計」「決済」「受発注」に該当する人は、インボイス対応類型への申請を検討してみましょう。

インボイス対応類型は導入費用の2/3から4/5の補助金を受給できる

freeeの導入にインボイス枠(インボイス対応類型)を利用した場合は、導入費用の2/3から4/5のIT導入補助金を受け取れます。IT導入補助金における受給できる補助金額は、インボイス対応類型にて決められている「補助額」と「補助率」から計算します。

【インボイス枠(インボイス対応類型)の補助額と補助率】
項目 補助額 補助率
  • ソフトウェア
    (購入費、クラウド利用料最大2年分)
  • オプション
  • 役務
下限なし~50万円以下
4/5以内
[小規模事業者]
3/4以内
[中小企業者]
50万円超~350万円以下 2/3以内
※ハードウェア
パソコン、タブレット等 ~10万円
1/2以内
POSレジ、券売機等 ~20万円

参考:インボイス枠(インボイス対応類型) 公募要領(p14)|IT導入補助金2024

インボイス対応類型において受給できる金額を知りたい人は、受給できる補助金の計算に補助率2/3〜4/5を用います。小規模事業者が10万円のfreeeを導入する場合は「導入費用10万円×補助率4/5」の計算式により、最大8万円の補助金を受給できます。

また、freeeのソフトウェアを利用するためのパソコンを導入する人は、パソコンの購入費用に対して補助率1/2を用います。10万円のパソコンを導入した場合は「購入費用10万円×補助率1/2」の計算式により、最大5万円の補助金を受給できます。

インボイス対応類型に申請する場合は、freee導入における申請者の実質負担額が20%〜33%程度になります。インボイス対応類型に申請予定の人は「導入費用×補助率4/5〜2/3」の計算式を用いて、受給できる補助額を計算してみましょう。

電子取引類型は取引関係にある両者がインボイス制度に対応できる

インボイス枠(電子取引類型)は、取引関係にある「発注者」と「受注者」がインボイス制度に対応できる申請枠です。受発注取引におけるインボイス対応を推進するため、受発注ソフトウェアの「発注側アカウント(申請者)」と「受注側アカウント(取引先)」が補助対象になっています。

【インボイス枠(電子取引類型)の補助対象経費】
項目 内容
ソフトウェア 「受発注」
  • 発注側のアカウント
(申請者は発注者でなくてはなりません)

  • 受注側のアカウント
(取引先の数に合わせて複数のアカウントを用意できる)

参考:インボイス枠(電子取引類型) 公募要領(p13)|IT導入補助金2024

電子取引類型にて対象になるソフトウェアは、「受発注」の機能を持ち、発注者と受注者の両方に対応できるものだけです。現時点(2024/6/28)にて、電子取引類型の対象となるfreeeのソフトウェアは「freee業務委託管理」のみです。

電子取引類型は、受発注の取引における「発注側」が受発注ソフトウェアを導入する際に、「受注側」にあたる取引先のアカウントにかかる費用も補助される申請枠です。申請者は自身のアカウントに加え、取引先のアカウントの費用も補助してもらうことができます。

電子取引類型は、受発注取引において「発注側」が「受注側」含めて一斉にインボイス制度への対応を進めたいときに利用する申請枠です。電子取引類型はIT導入補助金の中でも仕組みが複雑なため、申請したい人はIT導入支援事業者に相談しましょう。

電子取引類型は導入費用の1/2から2/3の補助金を受給できる

freeeの導入にインボイス枠(電子取引類型)を利用した場合は、導入費用の1/2から2/3のIT導入補助金を受け取れます。IT導入補助金における受給できる補助金額は、電子取引類型にて決められている「補助額」と「補助率」から計算します。

【インボイス枠(電子取引類型)の補助額と補助率】
項目 補助額 補助率
  • ソフトウェア
    (クラウド利用料最大2年分)
下限なし~350万円以下
2/3以内[中小企業・小規模事業者]
1/2以内[その他の事業者]

参考:インボイス枠(電子取引類型) 公募要領(p14)|IT導入補助金2024

電子取引類型において受給できる金額を知りたい人は、受給できる補助金の計算に補助率1/2〜2/3を用います。中小企業に該当する発注者と取引先を含めて90万円のfreeeを導入する場合は「導入費用の合計×補助率2/3」の計算式により、最大60万円の補助金を受給できます。

電子取引類型に申請する場合は、freee導入における申請者の実質負担額が33%から50%程度になります。電子取引類型に申請予定の人は「導入費用×補助率2/3〜1/2」の計算式を用いて、受給できる補助額を計算してみましょう。

IT導入補助金を利用する場合はfreeeを取り扱うIT導入支援事業者を見つける

IT導入補助金を利用してfreeeを導入するには、IT導入支援事業者が取り扱うfreeeでなければなりません。IT導入補助金を利用してfreeeを導入したい人は、freeeを取り扱うIT導入支援事業者を見つけましょう。

IT導入支援事業者が取り扱うITツールを探す際は「ITツール・IT導入支援事業者検索」を利用します。導入したいITツールの名称や条件などから検索することにより、IT導入支援事業者の取り扱うITツールを見つけることが可能です。

たとえば、「ITツール・IT導入支援事業者検索」の検索窓に「freee会計」と入力した場合は、freee会計を取り扱うIT導入支援事業者が一覧で表示されます。freee会計を取り扱うIT導入支援事業者は複数いるため、依頼したいIT導入支援事業者を選択します。

「ITツール・IT導入支援事業者検索」から導入したいfreeeを見つけた人は、見つけたfreeeを取り扱うIT導入支援事業者に相談します。freeeの導入にIT導入補助金を利用したい人は、申請者はfreeeを扱うIT導入支援事業者と共に手続きを進めましょう。

なお、IT導入支援事業者はITツールの提供だけでなく、IT導入補助金に関するさまざまなサポートを行う事業者です。申請の検討段階から補助金の受給後まで幅広く支援を行っている事業者もあるため、申請に関する不安や疑問がある人はIT導入支援事業者へ相談をしてみてください。

この記事のまとめ

IT導入補助金とは、freeeを含むITツールの導入に利用できる補助金のことです。IT導入補助金は中小企業や小規模事業者の生産性の向上を目的としているため、freeeのような業務効率化につながるITツールの導入に対して補助金を受給できる制度になっています。

IT導入補助金はパソコンを含むハードウェアの導入にも利用できる場合があります。freeeと共にハードウェアを導入したい人は、条件を満たす場合に限りパソコンやタブレット、POSレジなどのハードウェアに対する補助金も受け取れます。

導入するfreeeの種類によって申請枠が異なります。freeeを導入できる申請枠は「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」の3つあるため、freeeの導入にIT導入補助金を利用したい人は該当する申請枠へ申請しましょう。

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