マネーフォワードの導入にIT導入補助金を利用するための手順を解説
2024/06/26
2024/6/25
IT導入補助金は中小企業や小規模事業者の生産性向上につながるITツールの導入を支援する制度です。マネーフォワードは生産性向上につながるITツールになりうるため、IT導入補助金を利用できる場合があります。
当記事では、マネーフォワードの導入にIT導入補助金を利用するための手順を解説しています。IT導入補助金を利用してマネーフォワードを導入したいと考えている人は、参考にしてみてください。
なお、当記事はIT導入補助金2024の公式サイトを参考に作成しています。
目次
まずはIT導入補助金を利用できるマネーフォワードを探す
まずは、IT導入補助金を利用できるマネーフォワードを探しましょう。IT導入補助金の対象経費として申請できるマネーフォワードは、IT導入補助金の申請サポートを実施する「IT導入支援事業者」が事前にITツールとして事務局への登録を行っているもののみです。
IT導入補助金を利用できるマネーフォワードを探す際は「ITツール・IT導入支援事業者検索」から検索します。ITツール・IT導入支援事業者検索では、ITツールの名称や条件を指定してITツールとして登録されているマネーフォワードを探すことが可能です。
導入したいマネーフォワードの種類が決まっている人は「ツール名から探す」に直接ツール名を入力します。たとえば、ITツールの名称にマネーフォワードクラウド会計と入力し検索した場合、マネーフォワードクラウド会計を扱うIT導入支援事業者の一覧が表示されます。
IT導入補助金へ申請する場合「ITツール・IT導入支援事業者検索」からマネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者を見つける必要があります。IT導入補助金の利用を検討している人は、マネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者を探して電話やメールから問い合わせてみましょう。
導入できるマネーフォワードの具体例
IT導入補助金2024において、導入できる「ITツール」として登録されているマネーフォワードの具体例を紹介します。マネーフォワードにはさまざまな種類があるため、IT導入補助金を利用した場合にどのようなマネーフォワードを導入できるのかを確認してみましょう。
機能ごとの項目 | 具体例 |
会計・財務・経営 |
|
総務・人事・給与・労務・法務 |
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決済・債権債務・資金回収・受発注 |
|
参考:ITツール・IT導入支援事業者検索|IT導入補助金2024
IT導入補助金を利用できるマネーフォワードにはさまざまな種類があります。「ITツール・IT導入支援事業者検索」から各マネーフォワードを調査すると、経理や人事労務、法務などの機能を持つマネーフォワードがIT導入補助金において補助対象になることがわかります。
ただし、すべてのマネーフォワードがIT導入補助金の対象となるわけではありません。種類によっては「ITツール・IT導入支援事業者検索」に登録がない場合もあるため、取り扱いのないITツールを導入したい人はIT導入支援事業者に相談してみましょう。
次は選択したマネーフォワードを導入できる申請枠を把握する
次は、導入したいマネーフォワードが対象となる申請枠を把握しましょう。マネーフォワードを導入できる申請枠は「通常枠」と「インボイス枠 インボイス対応類型」の2つあり、申請枠ごとに導入できるマネーフォワードの種類が異なります。
申請枠 | 補助対象経費 | |
通常枠
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ソフトウェア | [対象になるソフトウェアのプロセス]
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導入関連費 |
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インボイス枠
インボイス対応類型 |
ソフトウェア |
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導入関連費 |
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参考:公式サイト(補助対象について)|IT導入補助金2024
通常枠に申請してマネーフォワードを導入する場合は、マネーフォワードの機能が「プロセス1〜7」のいずれかに該当している必要があります。通常枠は対象となる機能の幅が広いため「クラウド給与」「クラウド勤怠」「クラウド会計」などを導入できます。
インボイス対応類型に申請してマネーフォワードを導入する場合は、マネーフォワードの機能が「会計」「受発注」「決済」のいずれかに該当している必要があります。インボイス対応類型は対象となる機能が3つのみですが、「クラウド会計」「クラウド請求書」などを導入できます。
導入したいマネーフォワードの種類によって、申請できる枠が異なります。通常枠とインボイス対応類型のどちらの申請枠に該当するかを知りたい人は、導入したいマネーフォワードの持つ機能と補助対象経費を照らし合わせましょう。
通常枠は導入費用の1/2の補助金を受給できる
通常枠に申請しマネーフォワードを導入した場合は、導入費用の最大1/2のIT導入補助金を受給できます。受給できる補助金の額は「導入費用に対する補助率」と「受給できる補助額の範囲」から計算できます。
補助対象経費 | 補助額 | 補助率 |
|
5万円~150万円未満 (1プロセス以上) |
1/2以内
|
150万円~450万円以下 (4プロセス以上) |
参考:通常枠 公募要領(P15)|IT導入補助金2024
通常枠において受給できる金額を知りたい人は、受給できる補助金の計算に補助率1/2を用います。クラウド利用料が12万円のマネーフォワードを申請する場合「導入費用12万円×補助率1/2」の計算式により最大6万円の補助金を受給できます。
通常枠に申請する場合は、マネーフォワード導入における申請者の実質負担額が半額になります。通常枠に申請予定の人は「導入費用×補助率1/2」の計算式を用いて、受給できる補助額を計算してみましょう。
インボイス対応類型は導入費用の4/5から2/3の補助金を受給できる
インボイス枠(インボイス対応類型)に申請しマネーフォワードを導入した場合は、導入費用の4/5から2/3のIT導入補助金を受給できます。受給できる補助金の額は「導入費用に対する補助率」と「受給できる補助額の範囲」から計算できます。
補助対象経費 | 補助額 | 補助率 |
|
下限なし~50万円以下
|
4/5以内(小規模事業者) |
3/4以内(中小企業者) | ||
50万円超~350万円以下 | 2/3以内 |
参考:インボイス枠インボイス対応類型 公募要領(P14)|IT導入補助金2024
インボイス対応類型において受給できる金額を知りたい人は、補助率2/3〜4/5を用います。インボイス対応類型では事業規模や経費の金額に応じて適用される補助率が異なるため、自社の状況に応じて該当する補助率の確認が必要です。
たとえば、小規模事業者にあたる個人事業主がクラウド利用料12万円のマネーフォワードを申請する場合、補助率は4/5を用いて算出します。「導入費用12万円×補助率4/5」の計算式により、最大9.6万円の補助金を受給できます。
また、中小企業にあたる法人がクラウド利用料12万円のマネーフォワードを導入する場合、補助率は3/4を用いて算出します。「導入費用12万円×補助率3/4」の計算式により、最大9万円の補助金を受給できます。
インボイス対応類型に申請する場合は、マネーフォワード導入における申請者の実質負担額が20%から33%程度になります。インボイス対応類型に申請予定の人は「導入費用×補助率4/5〜2/3」の計算式を用いて、受給できる補助額を計算してみましょう。
最後はIT導入支援事業者に依頼して申請手続きを進める
最後は、導入したいマネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者に依頼して申請手続きを進めましょう。IT導入補助金に申請するには、IT導入支援事業者にマネーフォワード導入の見積書の取得を依頼し、IT導入補助金利用の手続きを進めていきます。
項目 | 内容 |
①マネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者へ依頼する | IT導入補助金を利用してマネーフォワードを導入したい旨を伝えサポートを依頼する |
②交付申請の準備をする | 以下の3つの手続きを実施する
|
③申請マイページを開設する | IT導入支援事業者から「申請マイページ」への招待を受ける |
④申請マイページに交付申請情報を入力する | 「基本情報」「財務情報」「経営情報」の入力と必要書類の添付を行う |
⑤IT導入支援事業者に交付申請情報を入力してもらう | 「IT導入支援事業者情報」および「ITツール情報」を入力してもらう |
⑥交付申請情報の入力が完了したら交付申請を行う | 入力した交付申請情報を確認した後に本人確認を行い事務局へ提出する |
※参考:交付申請の手引き(P7)|IT導入補助金2024
交付申請をするための事前準備として「gbizIDプライムアカウントの取得」「SECURITY ACTION宣言」「みらデジ経営チェック」を実施します。事前準備において不明な点があれば、依頼したIT導入支援事業者に相談しながら実施することも可能です。
事前準備が整ったら、電子申請を行うための「申請マイページ」を開設し、交付申請情報を入力していきます。事業者に係る情報やITツールの情報などを「申請マイページ」に入力し、完了したら交付申請を事務局に提出する流れになります。
IT導入補助金の交付申請では、申請者とIT導入支援事業者が協力しながら手続きを進めます。IT導入支援事業者は申請者に対し、ITツールの提供だけでなく各種手続きのサポートも行ってくれるため、申請する人はIT導入支援事業者に相談しながら手続きを進めましょう。
審査にて交付決定を受けたらマネーフォワードを導入できる
交付申請の審査にて、交付決定通知が届いたらマネーフォワードの導入を開始できます。交付決定通知が届く前にマネーフォワードの導入手続きを進めた場合は、IT導入補助金の規定に違反するため、補助金を受け取ることができません。
マネーフォワードを導入する際は、IT導入支援事業者がサポートをしてくれます。マネーフォワード導入に関連するものとして役務を追加した人は、導入コンサルティングや導入設定などのサポートまで行ってくれます。
交付決定通知が届いたらマネーフォワードの導入は開始できますが、補助金を受給するタイミングはマネーフォワードを導入したことを事務局に報告した後です。ITツールの導入に関して不正を行っていないことを、事務局に報告できた場合にのみ補助金を受給できます。
なお、審査において不採択となり交付決定通知を受け取ることができなかった場合には、補助金を受給することはできません。不採択となった人は再申請も可能なので「IT導入補助金で不採択になる理由を特定して改善する方法を解説」を参考に次回の締切への申請を検討しましょう。
この記事のまとめ
IT導入補助金を利用してマネーフォワードを導入したい人は、まずはIT導入補助金を利用できるマネーフォワードを探しましょう。「ITツール・IT導入支援事業者検索」から、マネーフォワードとマネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者を見つけることができます。
次は、「ITツール・IT導入支援事業者検索」から選択したマネーフォワードを導入できる申請枠を把握しましょう。マネーフォワードの導入にIT導入補助金を利用する場合は、「通常枠」か「インボイス枠 インボイス対応類型」のいずれかに申請する必要があります。
最後は、導入したいマネーフォワードを取り扱うIT導入支援事業者に依頼して申請手続きを進めましょう。IT導入補助金の交付申請は、申請者とIT導入支援事業者が終始協力しながら手続きを行っていきます。