IT導入補助金の申請方法と申請手順を解説
2024/05/31
2024/5/31
IT導入補助金を利用しようと考えている人の中には、申請の仕方がわからない人もいますよね。その際、IT導入補助金2024の公式サイトにて公開されている「交付申請の手続き」を確認してみたものの、理解しづらいと思う人もいることでしょう。
当記事では、IT導入補助金の申請方法をわかりやすく解説しています。IT導入補助金に申請する際の手順も解説しているため、IT導入補助金への申請を検討している人は参考にしてみてください。
なお、当記事はIT導入補助金の「交付申請の手引き」を参考にしています。複数社連携IT導入枠は申請方法や申請手順が一部異なるため、複数社連携IT導入枠への申請を検討している人は「交付申請の手引き 複数社連携IT導入枠」を確認してみてください。
目次
IT導入補助金の申請方法はwebを利用した電子申請
IT導入補助金の申請方法は、webを利用した電子申請です。IT導入補助金の申請に利用するのは紙媒体ではなく電子媒体のため、申請の際に提出する情報は全てwebページから入力して電子データとして提出します。
申請者が電子申請をするためのwebページは申請マイページと呼ばれており、公式サイトからアクセスできます。申請の手続きをする際は、申請マイページに申請に必要な情報を入力し提出することになります。
また、webを介して申請をする際に利用する電子機器は、Windows環境でなければなりません。Windows以外の環境から申請の手続きを行うと申請情報を提出できない可能性があるため、申請を検討している人はWindows環境の電子機器の準備が必須です。
なお、申請マイページから実際に電子申請の手続きを行う際は「交付申請の手引き」の確認も必要です。交付申請の手引きには申請するための方法から手順まで記載してあるため、実際に交付申請を行う際は「交付申請の手引き」も確認しましょう。
申請にはIT導入支援事業者の協力が必要
IT導入補助金に申請するには、IT導入支援事業者の協力が必要です。IT導入補助金は申請者だけでは申請ができない仕組みになっているため、申請者はIT導入支援事業者と協力をして交付申請の手続きを行わなければなりません。
交付申請の手続きは申請者が入力する申請情報のほか、IT導入支援事業者が入力する申請情報もあります。申請者が入力する申請情報は「申請マイページ」から手続きを行い、IT導入支援事業者が入力する申請情報は「IT事業者ポータル」から手続きを行うことになります。
IT導入補助金に申請する際は、IT導入支援事業者と共に電子申請の手続きを行います。申請者はIT導入支援事業者から申請の手続きだけでなく、申請の説明やアドバイスを受けることもできるため、IT導入補助金に申請する人はIT導入支援事業者へ協力を依頼しましょう。
IT導入補助金の申請手順
IT導入補助金へ申請する場合は、申請手順に沿って手続きを進める必要があります。決められた手順通りに申請の手続きを進めないとIT導入補助金を利用できない可能性もあるため、申請を検討している人は申請手順を必ず確認しましょう。
【IT導入補助金に申請する際の手順】
- 交付申請を行うための事前準備を行う
- 交付申請システム「申請マイページ」「IT事業者ポータル」から手続きを行う
- 交付申請システムに入力した申請情報を事務局へ提出する
IT導入補助金の申請は「①準備」「②手続き」「③提出」の3つの手順からなります。それぞれの工程において申請者が行うべきことは複数あるため、IT導入補助金の申請手順の詳細を知りたい人はそれぞれの項目を確認しておきましょう。
準備
IT導入補助金に申請する際は、事前の準備を済ませる必要があります。IT導入補助金に申請をしたい人は、まずは交付申請の手続きをするために準備が必要となる3つの項目を押さえておきましょう。
【申請に必要な事前準備】
- ITツールとIT導入支援事業者を選定する
- 申請に必要な手続きを実施する
- 申請に必要な書類を揃える
申請前に実施する準備は「ITツールとIT導入支援事業者の選定」「手続きの実施」「書類を揃える」です。申請前の準備を済ませなければIT導入補助金に申請できないため、IT導入補助金に申請を検討している人はそれぞれの事前準備の内容を確認してみましょう。
ITツールとIT導入支援事業者を選定する
交付申請の事前準備のひとつは、導入するITツールとIT導入支援事業者を探すことです。IT導入補助金を利用するにはIT導入支援事業者の協力が必要になるため、申請をしたい人はITツールとIT導入支援事業者の探し方を確認しておきましょう。
「導入したいITツール」と「ともに申請手続きを行うIT導入支援事業者」は「ITツール・IT導入支援事業者検索」から探せます。具体的なツールや支援事業者が決まっていない人も、ITツールの機能やIT導入支援事業者の対応エリアなど条件を絞り込んで検索ができます。
IT導入支援事業者を選定したら、IT導入補助金を利用したい旨を伝えます。申請者は複数のIT導入支援事業者の中から1社を選定する必要があるため「IT導入支援事業者とは?IT導入補助金の申請における選び方と探し方を解説」の記事から選び方のポイントを確認してみてください。
申請に必要な手続きを実施する
交付申請の事前準備のひとつは、申請に必要な手続きを実施することです。IT導入補助金に申請するためには事前に3つの手続きを済ませておくことが要件として定められているため、申請予定の人はどのような手続きが必要となるかを確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
gBizIDプライムアカウントの取得 | 行政サービスを利用するためのアカウントを取得する |
SECURITY ACTIONの実施 | セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する ※「一つ星」または「二つ星」 |
みらデジ経営チェックの実施 ※通常枠のみ必須 |
自社の経営課題を把握し改善するためのチェックをする |
申請時点において必要な手続きが完了していない場合は、IT導入補助金に申請できません。申請をするためには、交付申請に必要となるアカウントの取得やITツールを導入する上でのセキュリティ対策への取り組み宣言などの手続きを実施しておく必要があります。
IT導入補助金の申請をする際は、「gBizID」「SECURITY ACTION」「みらデジ」の手続きを行う必要があります。gBizIDプライムアカウントの取得には2週間以上かかることもあるため、申請をする人は余裕をもって手続きをおこないましょう。
申請に必要な書類を揃える
交付申請の事前準備のひとつは、申請に必要な書類を準備することです。申請するためには事業の実態を把握できる書類の提出を求められるため、申請をしたい人は申請に必要な書類を確認しておきましょう。
項目 | 必要書類 |
法人の場合
|
履歴事項全部証明書 |
法人税の納税証明書
|
|
個人事業主の場合
|
身分証明書
|
所得税の納税証明書
|
|
確定申告書 |
参考:IT導入補助金2024 「交付申請の手引き 通常枠 セキュリティ対策推進枠 インボイス枠(インボイス対応類型 電子取引類型)」|IT導入補助金
法人と個人事業主では、それぞれ交付申請の必要書類が異なります。準備する書類の名称は異なりますが、法人と個人事業主の両方とも実態の証明する書類と納税を証明する書類が必要になります。
IT導入補助金に申請する際は「法人」「個人事業主」それぞれにおいて必要な書類を揃えておく必要があります。必要書類は電子データ化して提出する必要があるため、紙の書類しか持っていない場合は電子データの書類を準備しておきましょう。
手続き
IT導入補助金に申請する際は、交付申請システムから手続きを行います。IT導入補助金に申請する人は、IT導入補助金「申請マイページ」や「IT事業者ポータル」の交付申請システムから手続きの手順を押さえておきましょう。
【交付申請の手続きの手順】
- 「申請マイページ」を開設する
- 「申請マイページ」から申請情報を入力する
- IT導入支援事業者に「IT事業者ポータル」から申請情報を入力してもらう
交付申請システムを利用した手続きは「申請マイページ」や「IT事業者ポータル」から行います。交付申請システムを利用した手続きは手順が決まっているため、IT導入補助金に申請する人は交付申請システムの操作手順を確認してみましょう。
①申請マイページを開設する
交付申請の手順の1つ目は、申請マイページを開設することです。申請者の利用する交付申請システムである「申請マイページ」から申請の手続きを行うため、まずは申請マイページを開設しましょう。
【申請者の申請マイページを開設する手順】
- 協力を依頼するIT導入支援事業者を選定する
- IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受ける
- 招待通知のURLから「申請マイページ」を開設する
申請マイページは、依頼したIT導入支援事業者から招待を受けることで開設できます。ともに申請の手続きを行うIT導入支援事業者から申請マイページの招待を受けることになるため、IT導入支援事業者へ依頼するまでは申請マイページを利用できません。
申請マイページにログインすることにより、申請の手続きを進めることが可能になります。申請マイページは交付申請の手続きを進めるために必ず開設する必要があるため、申請する人はまず申請マイページを開設しましょう。
②申請情報を入力する
交付申請の手順の2つ目は、申請マイページから申請情報を入力することです。IT導入補助金の交付申請にはさまざまな情報を入力して提出するため、申請者は申請マイページから交付申請に必要な情報を入力しましょう。
項目 | 入力する内容(一例) | |
事業者の情報を入力する項目
|
基本情報 | 事業者名、所在地、業種、事業内容、担当者情報、加点項目の実施 |
財務情報 | 従業員数、年間の平均労働時間、売上高、粗利益、資本金または準備金 | |
経営状況 | 経営意欲、課題 | |
計画数値 | 労働生産性の計画数値 (※セキュリティ対策推進枠のみ) |
|
確認や実施をした
ことを入力する項目 |
SECURITY ACTION | 自己宣言ID |
みらデジ | みらデジ宣言の意思確認 | |
申請要件 | 申請要件を満たすことを確認するチェックリスト | |
書類を添付する項目 | 必要書類 | 履歴事項全部証明書、確定申告書、納税証明書 |
参考:IT導入補助金2024 「交付申請の手引き 通常枠 セキュリティ対策推進枠 インボイス枠(インボイス対応類型 電子取引類型)」|IT導入補助金
申請者は申請マイページから、申請者の情報や事業に関する情報などを入力します。申請者の基本的な情報のほか、IT導入補助金の審査において必要となる財務情報や経営状況、必要書類などの情報を記載して提出する必要があります。
申請者が入力した申請情報は、IT導入支援事業者と相談しながら入力することも可能です。申請マイページに入力する申請情報は全て正確に入力しなければいけないため、申請者は申請情報の入力までにそれぞれの情報がわかる資料やデータを揃えておきましょう。
③IT導入支援事業者に申請情報を入力してもらう
交付申請の手順の3つ目は、IT導入支援事業者へ「IT事業者ポータル」から申請情報を入力してもらうことです。IT導入補助金の申請には、申請者が入力する情報以外にIT導入支援事業者が入力する情報もあります。
項目 | 入力する内容(一例) | |
IT導入支援事業者が入力する項目
|
ITツール情報 | ITツールの数量、単価、金額、補助金申請額 |
計画数値 |
労働生産性の計画数値 3年分(※通常枠のみ) |
IT導入支援事業者は「IT事業者ポータル」から、申請者の交付申請に必要な情報を入力してくれます。IT導入支援事業者の入力する情報としては、申請者が導入するITツールの情報や補助金申請額の情報などが挙げられます。
IT導入補助金の申請は申請者がすべての申請情報を入力するのではなく、IT導入支援事業者が入力する申請情報もあります。IT導入支援事業者は申請情報の入力のほか申請者の入力した申請情報の確認もしてくれるため、申請者はIT導入支援事業者と話し合いながら申請の手続きを進めましょう。
提出
IT導入補助金の交付申請の手続きが完了したら、入力した申請情報を事務局へ提出します。交付申請の申請情報を入力した人は、申請情報を事務局へ提出するまでの手順を押さえておきましょう。
【申請情報を事務局へ提出するまでの手順】
- 申請要件の確認
- 「従業員への賃金引き上げ計画の表明」関する情報の入力
- 申請情報の最終確認
- SMS認証を利用した本人確認
- 申請情報を事務局への提出(申請完了)
交付申請システムにおいて入力した申請情報は、内容確認と本人確認をした後に事務局に提出します。交付申請の内容をもとに事務局や外部審査委員会による審査が行われるため、交付申請をした後は審査の結果を待ちましょう。
なお、審査において採択された場合は、ITツールを導入して事業を実施した後に補助金を受給できます。採択後すぐに受け取れる訳ではないため、入金のタイミングを知りたい人は「IT導入補助金はいつ入金される?交付されない場合についても解説」を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
IT導入補助金の申請方法は、webを利用した電子申請です。IT導入補助金の申請に必要な手続きは紙ベースではなく、webを介した電子ベースのため、申請者の情報や書類などの申請に必要な情報は全て電子データとして提出します。
IT導入補助金に申請する際はIT導入支援事業者とともに申請手続きを行う必要があります。IT導入補助金の申請はITツールを導入する申請者とITツールを提供するIT導入支援事業者による両者の協力のもと、交付申請の手続きを行う仕組みになっているからです。
IT導入補助金の申請は「①準備」「②手続き」「③提出」の手順からなります。それぞれの工程において、申請者が行うべきことは複数あるため、IT導入補助金の申請手順の詳細を知りたい人は手順ごとにそれぞれの項目を確認しておきましょう。